2008年08月のアーカイブ

福井は水の源

平成20年8月29日
福井は水の源

 福井の地名の元は福井城の天守閣の近くにある「福の井」即ち井戸の名から来ているという説がある。北庄から「ふくい」への改称は、1624年松平忠昌(第三代藩主)が越後高田から入国した時といわれている。しかし古地図を調べると、1659年、1685年の年号の入ったものは「福居御城下の絵図」と記されている。

 福井の名の由来が「福の水」にあるというのは、九頭竜川の水系の恵みを受けている私達にとっては当然のことである。平成11年まで、国は、「住みやすい県」の全国ランキングを発表していた。

 そしてこのランキングで福井県は総合第1位を5年連続で獲得していた。「住みやすい県」ということは、イメージとして、物価が安く、おいしい食べ物が多く、自然環境がよいということであろう。

 私は福井は「水がおいしい」という所に焦点をあてるとよいと考えている。白山連峰につながる奥越の山々から流れ出る九頭竜川は扇状地を形成し、三国港へ注いでいる。継体天皇の頃より、治山治水が、この地方の大きな課題であったのが、地理を見るとよくわかる。白山連峰の山々に降った雨や雪が、およそ100年の時を経て、地下深く浸透する。その地下水が「福の井」となるのである。

 福井市の企業局では、この水を、地下70mの深井戸からくみ上げ、加熱処理をして「おいしいふくいの水」として売り出した。500ml入のペットボトルに入れて売っている。

 福井市の水道はこの地下水を70%、九頭竜川の河川水を30%混入して各家庭へ配給している。大変贅沢な水道水である。「福井」という名前、「福の井」という名前にふさわしい。

 福井の人はPRが下手だとよくいわれるが、みんなが喜ぶことをすればよいのである。素直に水がおいしい福井、福の井を伝えていけばよいと思う。「291」はあまりにひねり過ぎで分かりにくい。
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あなたにも出来る

平成20年8月28日
あなたにも出来る

 省エネルギーは日本の常識になった。今から15年前に電気代節約と水道代節約のプロジェクトチームを組んだことがある。勿論いつものように私も先頭に立った。省エネの秘密はまず白色電球を蛍光灯にかえること。古い蛍光灯のコンバーターを新式にかえること。水量調整による節水(節水用の口金をつける)などを主として提案した。ホテルや大規模旅館、古いビルなどに提案し、大きな効果を上げた。調査を無料で行ったので、大きな利益にはつながらなかったが、施工したホテルでは大変喜んでいただいた。
あの頃から15年が経過した。今では白色電球を蛍光灯にかえるだけで電力は70%〜80%カットできる。最近ではアンティークの照明以外はすべて蛍光灯にかえてしまっている。

 打ち水が夏の猛暑によく効くという。商店街でも一斉に実行しだした。このうち水を毎日やっているお店がある。私のビルの通路は、濡れ布巾で毎日ふいている。「歴史のみち」をビルの中に引き入れ、表通りから裏通りへ通り抜けが出来るようにしている。健康長寿を願うお年寄りのために途中に「生き生き地蔵」をおまつりしている。

 自転車にのること、歩くこと。ガソリン高騰の影響を下げる為の工夫が必要である。毎日買物をする習慣の日本人が、週1回のアメリカ人のように回数を減らすのも一方法である。食料の量を減らすと驚くほど早く体重が減る。健康のためにも減食は効果が上る。

 週末の旅行やドライブも減っているという。よく調べてみると遠方へ行かなくても魅力あふれるスポットは多い。歴史と伝統は中心市街地にある。これを週末ライフに活用しない手はない。私は足羽山や足羽川が好きだ。歩いていると、時にすばらしいアイデアが浮かんでくる。散歩はアイデアの泉である。古来より、天才や発明家が教えてくれている。

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恐竜博物館

平成20年8月27日
恐竜博物館

 東京ディズニーランドは成長を続ける生物のようだ。私は浦安市に住み出してからでも20年近くが経過した。すぐそばでディズニーランドの成長を見てきたが、参考になることが多い。見事にバランスのとれた投資がおこなわれてきているのだ。ホテルの収容能力は、入場者と宿泊客の増加にあわせて、増えている。ディズニーシーの開設、駐車場の増設、直営ホテルの建設等次から次へと巧みな経営戦略が展開されている。

 福井県の状況を見ると反対に観光客は減少傾向にある。芦原温泉、東尋坊、永平寺とも横ばい、ないし減少のようである。ただ例外がある。勝山市に建設された恐竜博物館は毎年120%増の入館者がある。今年は40万人に届くかもしれない。その特長はリピーターが多いことと、殆んどの入館者が子供連れであること。ある知人は子供にせがまれてもう20回くらいは行っているとのこと。その魅力を聞いたところ、えちぜん鉄道や田舎のバスに乗りたいとか、恐竜グッズ特にカードが買いたいとか、私達の想像とは違う答がかえってくる。日本に一つ、世界に三つの恐竜博物館に、もう少し投資を行い、更にこの魅力を全国に発信することを考えられないであろうか。

 私も何度も孫を連れて入館したが、想像していた以上に中身が充実しており感心した。特に動きのある恐竜や音響効果、そして建物の形(恐竜の玉子のかたち)など大変ユニークである。「恐竜のメッカ」として世界中の恐竜のデータ収集とユニークな展示方法を期待したい。また北谷の発掘現場との結びつきの強化も望みたい。恐竜博物館が周辺の平泉寺、清大寺、朝倉遺跡などの魅力をつなぎあわせて一大観光地(エコグリーンツーリズム)に発展していく日を期待している。

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朝ぼらけ

平成20年8月26日
朝ぼらけ

 4時起床。いつもの通り、机に向って本を読み出した。ふと目を上げると東天に茜雲が出ている。見事な茜色である。早速テラスへ出てみる。子鳥の声が聞こえる。近くの杉林の梢にとまって激しくなきだした。東天の茜雲と青い空は、刻々と色を変えていく。茜色はすこしずつ濃くなり、青空の青い色も少しずつ深くなる。

 立山や白山、日本アルプスの山頂から見る御来光はまことにすばらしい。ふるさとの長浜には伊吹山があり、その山頂からの眺望は見事であった。そして御来光は何度も拝ませてもらった。

 我が家のテラスから見る茜雲も決して遜色がない。目を離すと、すぐ色が変化してしまう。茜色もよいが、私は空の青が好きだ。淡い空色から、深い青まで、目を上下に転じるだけで見ることが出来る。そしてその色も、青い空のあちこちで変化し続けていく。

 私の最も好きな色を捜す。あっ、あった、あった。雲と雲の間に淡い空色のブルーが見つかった。夏の早朝、この空の織りなおすスペクタクルを、我が家のテラスから、殆んど毎週見ることが出来る。こんな幸せはない。心から感謝したい。

 もう5時近くであろうか。まわりの木々の緑色がはっきりしだした。途絶えていた虫の声が聞こえてくる。そして次々とその声に和して、虫の音がすだきだした。今日もまた暑い日となりそうである。

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夏草や

平成20年8月25日
夏草や

 見渡すかぎり、緑でいっぱいの福井に住んでいる。「夏草や・・・」の句は、人の夢の儚さを詠んだといわれるが、その反対に夏草の生命力、自然の力の強さ、大きさを詠んだ句と見ることができる。「夏草」をはじめ、山々の木々、田園に広がる稲、道ばたの草花、家々の植木、花鉢にいたるまで夏は緑であふれかえる。福井は夏も天国である。

 早朝に、足羽川という福井の町の中心を貫流する川の堤防を歩いていると、犬をつれて散歩する人の多さに驚く。中心市街地にこんなに多くの人が住んでいたのかとの思いである。足羽山へ歩いていくとなおビックリする。山への深緑の木々の間の道をジョギングというより、歩いている人の多さに驚く。今日は晴れているが、聞いてみると雨の日でも多いという。

 福井が日本一の住み易いところという意味が素直に心に入ってくる。染み入ってくる。本当によいところだ。

 私はしばらく金沢城公園の前のマンションに住んだことがある。早朝大手門から金沢城へ入り、旧天守閣跡へ散歩するのを楽しんだ。しかし、隣接の兼六園を含めても、緑のボリュームが足りない。何となく、もの足りなさがいつも残った。足羽山と足羽川の散歩は、この「もの足りなさ」がない。自然の恵みを体いっぱいに吹いこむことが出来る。まさに生きている喜びを実感できる。

 今、中心市街地で分譲マンションを建設中である。こんなすばらしい福井のまちへ「アイターン」「ユーターン」で住み替える人のために、心をこめて「喜んでいただけるマンション」「幸せになれるマンション」をつくっている。

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オリンピック後の中国

平成20年8月22日
オリンピック後の中国

 ここ数年2ケタの急成長を続けてきた中国が、永年の間待ちに待った北京オリンピックがいよいよ始まった。オリンピック後の景気後退で、中国経済は失速するのだろうか。

 現在の中国の実力はGDPではアメリカ、日本に次いで第3位である。すでにドイツをぬいた。最近のオリンピック開催地での、オリンピックの前と後の景気の変化を調べてみると、開催の翌年は、殆んどの開催地の成長率が鈍化する。しかし、その翌年は不思議に立ち直っている。歴史に学ぶとすると、北京オリンピックの後の中国経済は、減速するが、失速はしない。そして、その次の年には、また立直って成長を続けるとの見通しが立つ。過去5回のオリンピック開催地のGDP成長率は次の通りである。

開催年 開催地 開催年成長率 翌年成長率 翌々年成長率
2004年 アテネ 4.7%         3.7%           4.3%
2000年 シドニー 3.5%         2.2%           3.9%
1996年 アトランタ 3.7%         4.5%           4.2%
1992年 バルセロナ 0.9%       ▲1.0%           2.4%
1988年 ソウル 10.6%         6.7%           9.2%

 中国の外貨準備高は年々増加している。約160兆円で、日本の約100兆円を引き離して、世界第1位となった。この傾向はまだ続く可能性が高い。

 また中国の粗鋼生産量は約4.9億屯で、世界第1位である。その他自動車、家電、繊維等あらゆるものが年々生産量を増加させている。

 今世紀に入って日本の主要輸出入の相手国が、アメリカから中国に変ってしまった。中国は日本より生産財を輸入し、アメリカと日本へ消費財を輸出し、外貨を積み上げている。この外貨は日本と同様に今迄はアメリカ国債などの債券やドルでの保有であった。

 現在アメリカ経済は苦悩の中にある。住宅バブルの崩壊にともなうサブプライム問題とドルの地位の下落という問題をかかえている。中国は元の切上げ圧力の問題と、急速に成長した生産能力の過剰という大きな問題をかかえている。

 この二国間に関係する問題の動きが、オリンピック後の中国に大きな影響を及ぼすであろう。
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弱気と不安

平成20年8月21日
弱気と不安

 人は弱気になるとつい頭が下を向く。地面を見てトボトボと歩く。何を考えてもよい方向にはいかない。常にマイナス思考になってしまう。そして現在に対しても、将来に対しても不安を感じる。不安はひとりでに自己増殖して、どんどん大きくなっていく。

 世界を見てもこの弱気と不安が広がっている。特に日本はその傾向が強い。私はそれを日本人の自虐趣味と呼んでいる。日本は他の国と比較しても、貯蓄高が異常に高い。給与水準も高い。経済安定度も抜群である。しかし消費が伸びない。これは先行きに対する弱気と不安のなせる術である。
政治家もマスコミもこの国内経済の最大の可能性を持つ個人消費へのアプローチが、全く無い。個人消費を刺激することが政治、行政、マスコミの務めであることを忘れている。事の大小を見る目が曇っているのであろうか。

 GDPの60%は個人消費である。次に大きいのは製造業の24%、行政の12%、金融は僅か5%である。ところが景気対策は世界中の政治家、金融マンも小さな比率でしかない公共投資にたよりすぎる。特に日本はその傾向が強い。

 日本が本来行うべき景気対策は、貯蓄しすぎている個人金融資産をいかに流動化させるかである。特に高齢者の預貯金の流動性に問題がある。これを流動化させる鍵は「弱気と不安」の解消である。高齢者に「強気と自信」を思い起こさせる方法を考えることである。日本を救い、世界を救うのは、日本の国富であることを忘れてはならない。

 渋谷や銀座、秋葉原の流行が、日本全国に広がるようになってきた。そしてそれが台湾、香港、上海、シンガポールへと波及していく。アジアの時代である。東京がパリ、ミラノ、ニューヨークにとって変りつつあるのを感じているのは、私だけであろうか。
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同志社大学と私

平成20年8月20日
同志社大学と私

 1955年4月同志社大学に入学した私は、親元を離れて京都という大都会に1人で住むということに大きな喜びを見出していた。まだ食料統制の時代で、外食券がなければ食堂に入ってもご飯が食べられない頃であった。急に義務教育になった中学校時代から先生をはじめまわりに京都大学出身の親戚が多く、大学は必ず京都大学しかないと教え込まれていった。転機は突然来た。同志社大学と同志社女子大学への推薦入学の誘いである。放送部にいた私と友人の女性と二人で、先生の熱心なすすめもあり応募。一次試験無条件でパス。あとは面接試験だけとなった。新島襄の伝記を読み感激。面接試験時に不用意に「あなたは他大学を受けますか」の質問にハイと答えた。ご丁寧にも「もしそこが受かればそこへ行きますか」の質問にもハイと答えた。結果は不合格。しかし教員室の黒板には麗々しく合格第1号、第2号と私達2人の名前が既に書かれていた。そして不合格の通知と共に、私の名だけ消されたのは当然である。そして私の脳裏に浮かんだのは学園紛争で荒れた京大のキャンパス、それに反して私を拒否した同志社の雰囲気。御所に隣接し、女子大に隣接し、キリスト教主義ということでエキゾチックな魅力を感じた同志社。何か因縁めいたものを感じた私は京大の受験と同時に同志社の二期試験を受けた。幸か不幸か、京大へ行かず、因縁を感じた同志社へ入った。

 新島襄にあこがれたのは彼の「無私の心」、「利他の心」である。その象徴に「自責の杖」がある。「良心の碑」がある。新島襄の生涯は「旅」の一言に尽きる。病弱の身であり乍ら、国禁を破って幕末に単身で脱国、アメリカへ渡った。神学校、アーモスト大学を卒業。日本よりの教育使節団の通訳を引受け、数々の便宜をはかり、同志社設立の時にその縁が生きることになる。その後日本へ帰国。同志社英学校設立。資金の確保の為日本全国はおろか、アメリカ、ヨーロッパまで行脚。日記を読むと、その精神力にはほとほと感服する。開校当時は授業はすべて英語でやったとある通り、私の在校時にも数多くの外人教師がおられ、独特の雰囲気の中で学生生活を送ることが出来た。仏教と神道しか知らなかった私は「SCA」というクリスチャンの集いに参加し、友人達や先生達から暖かい指導を受けた。下手な英語でも話せるようになれたのも同志社のお蔭である。それが後年のミシガン大学への留学の縁につながっていった。

 今度、同志社東京校友会から「校友訪問」という栄誉ある申出をいただき感激している。私の福井での校友会(OB会)活動は福井県副支部長、支部長、顧問と数十年が経過。若いOB達との交流を楽しんでいる。
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おいしい福井市の水道水

平成20年8月19日
おいしい福井市の水道水

 白山連峰につながる奥越の山々に発する九頭竜川の扇状地にある福井市は、市営の水道局で水道水を販売している。ペットボトル入の水道水である。水道水の源は地下水7割、九頭竜川よりの取水3割である。この地下水を7割使用が、おいしさの秘密である。こんな贅沢な水道水は珍しい。おいしい水道水コンテストで全国2位とのこと。1位は阿蘇山系カルデラの地下水を使用している熊本市の水道水である。福井の人達は、「2位」にくやしがったが、相手が姉妹都市の熊本市であるので、「熊本なら許せる」と仲間意識を持ち出して、自らなぐさめているようだ。

 私は北は北海道から南は鹿児島県まで、名水を捜す旅を続けている。現在は鹿児島県の錦江湾カルデラ(桜島を中心とする富士山、旧阿蘇山に匹敵する大火山があったと仮定しそのカルデラをいう)の先端部分の浜平温泉の地下水を愛飲している。地下700メートルまで堅い地盤3層を打ち抜き、そこからくみあげている。そのあたりは有名な黒酢の産地である。この水の特長はPH8.7の弱アルカリ性と超軟水ともいえるほど硬度が軟らかい。水素イオンを含んでおり、酸化しにくい特長がある。この水を「ビュート水」と名付けて愛飲している。これを飲み出してから既に3年近くになるが、風邪をひいたことがない。風邪をひきそうな時は500mlのペットボトルを1日2本飲む。普通は1日1本。私は豆腐大好き人間であるが、その豆腐を湯豆腐にする時、このビュート水を使う。トロトロにとけて軟らかい豆腐になる。

 福井の水道水をブランドとして売り出そうという話がある。事実もう売り出している。この「水道水」にテーマ性を付与し、「福井」ブランドの有力候補としようというのである。含有成分の分析や地下での滞留年数の想定、地層の解明、地質調査などやるべき事は多い。しかし自家用ジェット機で福井空港経由で越前ガニを食べにくるお客がいる時代である。おいしいものを捜している時代なのだ。
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農業の復権

平成20年8月18日
農業の復権

 敗戦後、日本経済の発展と共に、農業はその相対的な地位を保つことが難しくなってきた。輸出第一主義をとった国の政策によって、外貨が積み上り、食料の輸入が徐々に増えていったのである。気がついてみたら食料自給率39%という世界一の食料輸入国になっていた。

 地球規模の人口爆発という背景を考えると、このまま輸入にたよる食料政策を続けるのは好ましいことではない。省エネルギーが叫ばれる中で、食料は地産地消の方向に向わざるを得ない。「農業の復権」である。就農人口の減少と、その高齢化に悩まされてきたが、最近少しずつ若者が新たに農業に興味を示すようになってきた。すばらしいことである。自然と共に生きるその喜びを、感じ取る感性をそなえた若者が、育ってきているのである。

 農業法人が認められるようになってきた。大規模農業や株式会社形式の農業、大型機械導入の農業など、今迄とは全く異った農業が始まろうとしている。農本主義がかつては当然のごとくにいわれていた。日本の国は瑞穂の国、お米の国、農業の国なのだということであった。天皇がみずから毎年、皇居において米づくりをするのが日本なのである。その農業が軽んじられてきたのが敗戦後の60年間である。それが今見直されようとしている。いや見直さざるを得なくなってきたのだ。

 休耕田政策という理解に苦しむ悪政を一日も早く中止し、前向きの食料増産、お米の輸出奨励等を行う必要があろう。米飯大好き人間である私は、せめて朝食は、温かいご飯と味噌汁でと望んでいるが、幸運に恵まれることは少ない。私の希望は贅沢なのであろうか。その贅沢を希望する豊かな人々が世界中にいることを忘れてはならない。発想を変え、認識を新たにして「農業復権」を高らかに宣言しようではないか。新しい日本の誕生である。
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また延びた平均寿命

平成20年8月13日
また延びた平均寿命

 女性86歳、男性79歳である。女性は世界一の長寿を23年継続中とのこと。近来の女性パワーのすごさの理由がこの辺りにあるのかもしれない。男性は2位から3位に下ったが、トップとの差は僅かに0.21歳。しかし1位はアイスランド、人口28万人、2位は香港、人口666万人と基礎人口があまりに少ない。統計の常識からいうと、男性も実質世界一の長寿である。

 男女差が問題である。女性と男性の差7歳(厳密にいうと6.80歳の差)の理由は何なのであろうか。イギリスでは殆んど同じ現象が起きている。アメリカもそれに近い。ロシアは高齢の老人は殆んど女性ばかりである。ところがインドでは80歳以上の高齢者は男女とも殆んどいない。ブラジルと中国は男女差があまり開いていない。

 しかしどの国も女性の方が長寿であることは変りがない。医学的な、生理学的な理由からであろうか。血管の太さが女性が細いという。脂肪分が女性の方が多いという。分娩という大仕事をする為の力を与えられているからであろうか。浅学非才の身では想像するだけである。しかし事実は厳然としてある。長寿者は女性である。長寿国は女性天国である。女護ヶ島の伝説を思い起こすのは、私だけであろうか。

 後期高齢者(75歳以上)を調べてみると日本では女性が798万人、男性478万人。約3人の内2人は女性である。85歳以上になると、約4人の内3人は女性となる。男女雇用均等法がこの格差に対してどのような影響を与えていくのであろうか。
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リサイクル先駆者

平成20年8月12日
リサイクル先駆者

 リサイクル社会が到来した。自動車のリサイクル法が施行されたのは2005年のことである。その遥か昔、1970年にこのことを予想した男がいる。自動車に命をかけた豊田英二氏と神谷正太郎氏である。そして1970年、今から38年前に系列の豊田通商と共に豊田メタル(設立時の正式名は豊田メタルスクラップ)を設立した。第1次オイルショック(1973年)を遡ること3年、工販合併を遡ること10年、日本でのリサイクル法施行を遡る35年のことである。

 当時、欧米では廃車公害が発生していた。そして第1次シュレッダーブームが到来したのである。1973年2月に変動相場制に移行した日本円の影響で、輸入鉄屑が増大した。そして10月第1次オイルショック発生。狂乱インフレといわれた嵐が世界中を吹き荒れた。石油を殆んどすべて輸入にたよっていた日本(現在も状態は同じ)では、物価も、給料も、ドンドン値上りした。騒然とした空気が満ちあふれ、大きな富が中近東の産油国に集まった。

 現在の株主は豊田通商50パーセント、トヨタ自動車48パーセント強、愛知製鋼2パーセント弱である。すべての仕入は豊田通商を通して行われ、すべての販売も豊田通商を通している。自動車メーカーがリサイクル事業に直接かかわっているのは、おそらくこの豊田メタルだけであろう。隣接地に自動車リサイクル研究所がある。

 時代の先を見よと私は常日頃から社員に言ってきたが、この会社を38年前に設立した自動車リサイクルの先駆者、豊田、神谷の両氏の慧眼に感服した。

 1日の処理台数は600台〜1,000台、能力はその10倍もある。回収されるのは鉄が主であるが、アルミ、銅、樹脂、発泡ウレタン、繊維、ゴム、ガラス等である。殆んどを再利用出来る状態にまで選別、加工されており、その努力に頭が下る。リサイクル研究所ではリサイクルしやすい車作りの研究が行われていた。

 面白いことを発見した。「針供養」という習慣を、私は幼い頃から母の和裁塾で身近に経験していた。また日本の各地で「魚供養」「牛馬供養」などが行われている。豊田メタルでは何と「廃車供養」が毎年4月に行われるのだ。しかもそれが1978年からずっと続いている。トヨタの強さの秘密を見る思いがする。まさに入魂の業がくるまづくりに生かされているのである。

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花咲爺

平成20年8月11日
花咲爺

 日本人は桜の花が大好きだ。桜前線が九州から北上をはじめると、春の到来を待つ日本人はすべて落ち着かなくなる。「花見」の話題が増えるからだ。桜の名所は全国到るところにある。川の堤防、里山、街路樹、どこにでも自分達なりに、心象風景として桜を思い浮かべることが出来る。

 私も桜が大好きである。駐車場に植えたり、自宅の庭に植えたり、別荘の庭に植えたり、毎年どこかに植えている。染井吉野がよい。とても成長が早い。植樹して数年で見間違えるほど成長する。八幡の森の近くで育った私の心のどこかに、森に対するこだわりがあるのだろうか。

 桜は花の季節が短い。パッと咲いて、パッと散る。「花の命は短くて・・・」と美人薄命にたとえられる。しかし、その魅力は花だけではない。新緑が美しい。夏の深緑も強い生命力を感じさせてくれる。秋から冬にかけての紅葉は、その日々の変化と共に、見る者の心を揺さぶる。冬の裸木の美しさも格別のものがある。そこに雪が降ると、白と黒のコントラストが浮び上ってくる。春を待つ裸木の枝から、「南枝ほころぶ」新芽誕生。そして開花まで、私はこの桜の魅力に一年中とりつかれている。

 私の信念ともいうべき生き方の根本は「枯木に花を咲かせましょう」と国語の教科書で習った「花咲爺」の姿にある。「うまいもの」「価値のあるもの」「お金」「幸せ」なんでも人のほしがるものを独占したがるのが人間である。しかし、独占は許されない。してはならないのである。独り占めしないで、パッとまわりの人々にさしあげるのである。花咲爺がザルに入れた大切な灰を、枯木に撒いたように。その灰は養分となり、桜の花が咲き乱れるのである。

 桜の生命力を楽しみ乍ら、今年もまた桜を植える為に働きたい。幸運なことに、今年は福井県が、来年行われる植樹祭の桜の寄付を募っている。貧者の一灯をささげたい。

 今、福井市開発で建設中の分譲マンションにも桜の大木を植える。近くに桜谷神社があり、ここの桜も年々よくなっている。
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ガソリン価格高騰のその後

平成20年8月8日
ガソリン価格高騰のその後

 ガソリン価格の高騰がガソリンスタンドで、目立ちはじめたが、果してその内情はどうなっているのであろうか。WTI原油先物価格は1バレル、140ドルの大台に乗って間もなく、7月15日には大きく下げに転じた。USAガソリン需要は、4月下旬から前年同月比既にマイナスになっている。これは先進国で殆んど同じ傾向にあると思われる。

 私達の駐車場業界も、今年に入ってマイナス傾向が続いている。特に5月以降は10%程度のマイナス幅となっている。USA市場でも新車販売の落込が顕著になり、トヨタでさえ販売計画の下方修正に動いている。

 福井でも全国や全世界と大差ない状況である。JR福井駅周辺の駐車場は、今年に入って稼働率が低下し、値下げ競争が始まった。稼働率が5%下がると、売上は約1割下がる。売上の減少はそのまま収益の悪化につながる。現在売上1割減のところが多くなりつつある。

 えちぜん鉄道という郊外電車がJR福井駅から二路線走っているが、5月の連休あけから通勤客が前年比で2割増とのことである。ガソリン価格高騰の影響である。

 パーク+ライドという、鉄道と車を乗り継ぐ通勤やレジャーが、これからますます増えることであろう。新しいビジネスチャンスと把えれば、ガソリン価格の高騰も不満ばかりではない。

 活性化の源は変化である。今大きな変化が地球規模で起きている。この時これをチャンスと把え生かせるか、危機と把え萎縮するか、その判断は私達次第である。原油価格のピークアウトは少しずつその姿を鮮明にしてくる。投資の格言「もうはまだなり、まだはもうなり」が思いおこされる今日この頃である。
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環境大臣に斉藤鉄夫氏

平成20年8月7日
環境大臣に斉藤鉄夫氏

 公明党の政調会長から今回内閣改造で初入閣したのは斉藤哲夫氏。洞爺湖サミットであれだけ騒がれた「環境」や「地球温暖化」の担当大臣であるが、殆んどニュースとして取り上げられていない。56歳。衆院当選5回。東工大院修の逸材である。

 今回の内閣改造が衆議院の解散を準備するものではなかろうかとの疑念を持つ者もある。若しそれが正しければ、この非常時に解散ということでは無責任のそしりを免れない。ここは数多くの緊急の経済的な施策を直ちに打たなければならない重要な時期なのである。

 案件が次々と控えている。石油価格の急激な高騰に対する対応策である。漁業従事者への支援だけですむことではない。電力、ガス等の生活基盤に直結するコストのアップは、国民全体に大きな影響を与えるものとなる。これにどう対処するのか。所得格差の拡大も速やかな対応が望まれる。

 外交面では東インド洋での水、燃料補給の継続、北朝鮮との拉致家族、中国・韓国との国境問題、イランの原子爆弾開発等の問題をかかえている。

 このように内外に多くの問題がある時に解散の時期をさぐるというのは、国民にとって理解に苦しむことである。政、官共に今やるべき事が山積みしている。それを真剣に解決する施策を粛々と実行していってもらいたい。国民は未曾有の不安の中にいることを忘れないでほしい。そして折角選んだ新しい環境大臣に活躍の場を十分に与えられんことを切に祈りたい。
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水の週間

平成20年8月6日
水の週間

 化石燃料の枯渇が問題になりだして50年になる。第1次オイルショックは35年前だ。その時も石油の残存年数は30年といわれた。既に35年が経過している。そして残存年数は逆に増えている。新しい油田開発が行われたからだ。

 人類の生存のために必要なものは何であろうか。それは食料である。この食料が問題である。なぜなら私達人類は爆発的に増えだしてしまっているのだ。最近50年で世界人口は30億人から70億人と倍増以上のペースで増加した。最も増加率の高いのはアフリカの3.3倍、南アメリカの2.5倍、アジアの2.3倍と続く。最も増加率の低いヨーロッパでも1.2倍になってしまった。食料危機が叫ばれるわけがわかる。

 しかしもっと深刻な問題がある。それが「水」である。8月1日から7日まで1週間を「水の週間」として水の大切さを再認識しようという運動が続いている。地球の7割は海であるが、この海水が循環して、真水となり、利用できるのは、僅か1万分の1以下である。人類は地球の面積の3割の陸の上で暮らしている。海水は飲めない。人口増大(これを学問的には人口爆発という)のペースに真水の供給がついていけないのである。アフリカで最も悲惨な人口爆発が起きている。「水」がないのである。「水」が不足しているのである。これが近い将来全世界に広がるであろう。

 エネルギー危機よりも、食料危機よりも、もっと早く、もっと深刻な水の危機、水不足の危機がせまっている。エネルギーは原子力や太陽光熱で解決する。食料危機は増産が必要だ。しかし、増産のためには水がもっともっと必要になる。その水がないのだ。「水の週間」を通して、水の大切さに思いを致し、人類の未来を考えてもらいたい。
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かげひなた

平成20年8月5日
かげひなた

 祖父によくいわれたことに「かげひなた」があった。「かげひなたなく働け」とか「かげひなたのある人間になるな」とかである。「かげ」とは日蔭であり、「ひなた」は日向である。人が見てない時でも、天は見ている、何よりも自分が見ているということである。人が見ている、見ていないに関係なく正々堂々と生きよということである。

 ニューヨーク市のダウンタウンを人が歩いている。ニューヨークの冬は寒いが太陽の光があたると暖かい。ニューヨーカーは冬は必ず「ひなた」を歩く。「ひかげ」は誰も歩かない。夏はその逆のことがおきる。「ひなた」は誰も歩かない。暑すぎるからである。そしてみんな「ひかげ」を歩く。東京ではそこまで極端なことはおきない。「かげひなた」にあまりこだわらない。

 人生の道はみんなが「ひなた」を歩きたがる。これは致仕方のないことのように思われるが、よく考えてみると大きな疑問、多くの疑問がわいてくる。「ひなた」を常に歩くことが本当に幸せなのであろうか。かわいい子には旅をさせよというではないか。若い頃の苦労は買うてでもせよというではないか。

 私は「かげひなた」なく働いている人、努力している人を最も評価する。「失敗した人」「挫折した人」「倒産した人」を差別しない。逆にその後「かげひなた」なく努力している姿を期待している。そんな人が非常に多い。

 私は歴史を学ぶことに興味がある。そして大きな発見をした。大人物といわれている人は、必ずといっていい程、大失敗をしたり、挫折をしたりしている。そしてその失敗や挫折を乗りこえて、「かげひなた」なく必死で努力を続けて成功を勝ち取ったことに気がついた。だから私は「かげひなた」なく努力するのが大切なことを常に自分に言い聞かせている。
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日本のお金持

平成20年8月4日
日本のお金持

 お金持の定義がはっきりしないが、年収1億円を続けている人達や、純資産10億円以上を所有している人達と仮定すると、日本にはどのようなお金持がいるのであろうか。
年収1億円以上の人々の職業分類を見ると
1.企業経営責任者  約33%
2.医師       約15%
3.企業経営幹部   約12%
4.その他      約40%
その他とは地主、引退者、芸能、スポーツ、国家資格保有者などである。
中身を見ると企業経営責任者が最も多い。首都圏在住の人々が多い。ただ大企業の責任者の比率は低下傾向にある。中小企業でも堅実経営を長く続けているところや株式公開により創業者利益を享受している人が多い。

 医師は大病院の院長よりも、地方の開業医の人々の方が多い。眼科、歯科、美容整形、などの診療科目の医者が多い。

 その他は、地主が最も多い。先祖から譲られた土地からの収入が多い人である。
また株式の利得による税金が相対的に低いことから、株式売買益で稼いでいる引退者や高額所得者は有利である。ただ日本人で株式投資を行っている人は全体の10%以下である。諸外国と比較すると、ハイリスク商品という考え方が定着しているのであろうか。実際は最も有利な資産運用方法の一つである。

 日本には清貧思想が根強く残っている。勤勉さと清貧思想は日本の古来からの二枚看板である。時代は変りつつあるが、直接投資時代、ベンチャー起業時代を迎えるには、税制を含め、いろんな改革が必要だと思われる。特にメリハリの効いた幅広い税制改革、特に減税が実施されることを期待している。減税は増税をともなってくる。まず減税を導入して日本経済を活性化してもらいたい。

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刺身と寿司

平成20年8月1日
刺身と寿司

 立食パーティに招待されたり、ホテルのバイキング形式の食事をとる機会が増えた。そこでいつも同じことが起きる。行列が出来る人気ナンバーワンのコーナーは「刺身」と「寿司」のコーナーである。いつも同じである。そして一番最初に品切れになる。日本人の鮮魚好きを表している。

 日本は世界一の長寿国である。その理由の第一が日本食にあるといわれている。特に魚貝類、海藻類を多くとることによって、健康長寿が維持されているようだ。青もの、光りものといわれるイワシ、サンマ、サバなどは、現代人にとって、なくてはならないものなのである。

 世界中で一番魚を食べる哺乳類は鯨だそうである。その次が日本人といわれている。しかし日本食ブームが普及してきたので、今に世界中の人々が魚を食べることと思われる。ただでさえ漁獲量が減ってきているのに、魚を食べる人が増える時代になってきたのである。

 漁業も世界各地へ出かけて魚をとってくる遠洋漁業から、海岸線で養殖する養殖漁業に変りつつある。狩猟型の漁業から農耕型の漁業への転換なのである。いま、デジタル地球儀というNASAからの情報提供を受けている地球儀を私のいるビルの2階に常時展示している。その地球儀を見ると世界中で漁をしている船のあかりを見ることが出来る。その船団の殆んどが日本のものである。海の幸を日本人が独占することは許されない。一日も早く近海での漁業の育成が望まれる。おいしい刺身や寿司がいつまでも食べられるように知恵を絞らねばならないようだ。それは海洋牧場か洋上養魚場のような新しいコンセプトを作ることである。

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