明治維新 その二

平成21年8月6日             
明治維新 その二

鯖江藩主間部詮勝が老中の時、井伊大老による安政の大獄事件発生し、橋本左内、梅田雲浜、吉田松陰等が処刑された。
小浜藩主酒井忠義は尊王と佐幕、攘夷と開国の中にあて京都所司代となり孝明天皇に高く評価されたが、譜代大名の立場から脱却できなかった。
大野藩は土井利忠が8歳で藩主となり、32歳で更始の令(節約令)を布いた。1855年から藩内産物を商う、商社「大野屋」を全国展開した。担当は内山七郎右衛門。維新後「良休社」という銀行の元の形を作り、武士達に出資させて、生活の安定をはかった。1858年北海道樺太進出、二本マストの西洋帆船を購入、樺太西海岸中部のライチシカからポロコタンまでの約200Kを幕府より大野藩屯田地として認可を得ている。担当早川弥五左衛門。1843年藩校令、翌年明倫館にて士農工商の子弟教育をはじめた。緒方洪庵の適々斎塾塾頭伊藤慎蔵(当時30歳)を百石で招き50両を別に与えた。ロシア語も堪能で通訳もした。1856年伊藤自宅で蘭学塾を開き、緒方洪庵の子供二人(平三と四郎)も大野で学んだ。適塾より数多くの弟子が大野へ来て、そこで蘭学グループを結成した。全国より秀才が集い、蘭学関係の翻訳、編集発行した出版物は多い。
坂本龍馬は由利公正(金札発行論者)と福井で親しくなって岩倉具視に由利公正を推薦。福井へは勝海舟の使いで海軍所の資金を春嶽に出してもらう為に来ていた。由利公正は橋本左内の農工生産拡充策と外国と積極的に交易するという説と、横井小楠の現実論の官営貿易論をはじめて実現したのである。参与になり、五ヶ条御誓文起草、太政官札発行を建議、明治2年辞任。4年東京知事。5年欧米視察、元老院議員、貴族院議員。明治27年有隣生命保険株式会社を創立し社長に就任。
関義臣は大蔵省大丞、徳島県、山形県知事、貴族院議員。坂本龍馬と海援隊を作り、西南雄藩の志士と交流。
長谷部甚平 初代岐阜県令。その子辰連は黒田清隆北海道開拓に従い、山形県知事、元老院議員。
村田氏寿  2代目岐阜県令。内務大丞。
佐々木権六 宮内省書記官、大蔵省御用掛。
田辺良顕  高知県知事、大蔵省御用掛。
堤 正誼  新潟県参事、宮城、熊本県知事、内務次官、貴族院議員、枢密顧問官。
渡辺洪基  欧米特命全権大使に随行。元老院議官。東京府知事、東京帝大初代総長、貴族院議員。
斉藤修一郎 第1回官費留学生、ボストン大学。外務省。井上馨の秘書官、商工局長、農商務次官。
三国の滝谷寺住職 道雅、幕末志士、京都の智積院より三国へ。
その弟子杉田定一(鶉山)は吉田東篁に学び、大阪三崎嘯助(理学校)に従い
東京へ。明治7年板垣退助、由利公正らが衆議院設立の建白に影響され、板垣
と意気投合。自宅で「自郷学舎」を開き、福岡の頭山満(筑前党)ら20人が入
った。その後北海道長官、衆議院議長。板垣の支援を受けた地租改正闘争は有
名。
山本条太郎 母みつの実家吉田家(勘定奉行)が裕福であったので、みつの弟吉田健三(吉田茂の義父)に預けられた。三井物産常務、満鉄総裁。その時副総裁に松岡洋右を選んだ。
幕末から明治にかけて綺羅星のごとく並んだ福井人脈の数々の一例を挙げてみ
た。主として政治や行政面を取り上げたが、他に医学、宗教、芸術、文化、教
育面でも数多くの偉才を輩出している。そのような人々を収容し、後世に残す
殿堂を福井の中心部、足羽山足羽川のあたり、愛宕坂周辺に建設したらどうか
と考えている。その名は「明治維新館」「松平春嶽ゆかりの館」「回天館」など
はいかがであろうか。

投稿者: jsb 日時: 2009年08月06日 13:07

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コメント: 明治維新 その二

斉藤修一郎の情報に間違いがあったので、書き込みます。修一郎が留学したのはハーバード大学ではなくボストン大学です。ちなみにともに留学してハーバードを卒業したのは後の外務大臣・小村寿太郎。武生市史など基本文献でも修一郎の履歴に多々間違いがあるのでご注意。当方は修一郎の曾孫です。

投稿者 コアラ | 2010年01月03日 13:10

コアラ 様

ご指摘をいただき感謝致します。明治維新を先導したのは「越前」でしたが、歴史からその事実が消えてしまっていることに義憤を感じています。明治に活躍された斉藤修一郎の曾孫とのこと、また資料などあれば教えて下さい。

                                野坂 弦司
                                2010年2月26日

投稿者 野坂 弦司 | 2010年02月26日 16:19

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