2009年09月のアーカイブ

シルバーウィーク

平成21年9月30日
シルバーウィーク

4月29日の昭和の日から5月5日の子供の日までの7日間をゴールデンウィークと呼ぶのは、すっかり定着した。今年は9月21日の敬老の日、23日秋分の日の前後5日間が、シルバーウィークと呼ばれ、秋の行楽の誘い水になった。千円乗り放題の高速料金割引もプラスに働き、行楽地の旅館ホテルは札止めの満室となり、不景気に泣いていた観光地は、久々の大入り満員となった。高速道路の渋滞も予想された程でもなく、一般道路が空いていたので、実質的なCO2削減効果はあったと思われる。「案ずるより産むが易し」である。
一般道路を走行すると、渋滞は当然であり、更に信号での急停止、急発信を0.5km毎にくり返すことになる。それが高速道路を走ると、原則として渋滞はゼロ、信号待ちはゼロ、急発進・急停止はゼロになり、CO2削減効果は当然大きくなる。高速道路が混雑して各地で渋滞が起きるという予測は、今回のシルバーウィークで誤りであることが判明した。
今年の5連休は私は家にいることにした。本を読みたかったからである。図書館から借りてきたのは、シルクロード関係の本と平山郁夫、美知子さんに関係する本である。約8冊を丹念に読んだ。平山郁夫画伯と奥さんの美知子さんそして高田好胤さんとシルクロード、玄奘三蔵、薬師寺の玄奘三蔵院それ等の要素が一本の線のようにつながって見える。そして私のすぐ近くにその先が来ているように思えるのである。
平山郁夫画伯は、原爆の直下で被災した生き残りの貴重な体験をされたとのこと。爆発の熱風や死の灰や死の雨から身を守り、1・2日以内に中心地から脱出した人が助かっている。幸運の人、強運の人である。
その平山さんが世界中の美術館博物館や各地の文化遺跡にある日本やアジアの文化遺産の修復作業、保存作業をすすめるために「文化財赤十字」構想を持っていると聞き、興味を持ったのである。何冊もの著書を読んでみると、「文化財赤十字」は既に構想の域を脱していることに気付かされた。世界中への出動を重ねておられるのである。アメリカ、イギリス、フランス、オランダ、アイルランド、ポーランド、ロシア、ドイツ、クリーブランドそしてカンボジア、アフガニスタンと幅広い。ユネスコ本部との見事な連携プレーに、正直言って大いに驚いた次第である。
シルバーウィークの読書が、平山郁夫・美知子ご夫妻のおかげで、大そうもり上り、私に深い感動を与えてくれたことに感謝したい。

アニメ、マンガ、キャラクター商品について

平成21年9月29日
アニメ、マンガ、キャラクター商品について

明治維新からの約140年間、私達日本人は、西洋文化の輸入に忙しかった。逆に日本文化が輸出されることには、あまり興味を持たなかった。徳川幕府が1867年に、パリで開かれた万博に、日本よりはじめて出展をした。それは日本の伝統工芸品ともいうべき陶器、漆器、浮世絵、甲冑などであった。印象派の画家達に大きな影響を与え、アールヌーボーのジャポニズムと注目された。
明治に入り、西洋から来日したお雇い技術者達は、日本の美術や伝統工芸、建築、庭園などの独特の優れたものに注目し、これを正当に評価し、多くの優品を故国に持ち帰っていった。それ等が現在も、世界中の美術館、博物館に収蔵されている。
明治、大正、昭和は西洋に追いつけ、追いこせの時代となった。その後、昭和20年までは軍国主義が幅をきかせた。言論も表現も厳しい統制下に置かれて見るべきものがない。
敗戦と同時に息を吹き返した芸術家や文化人は、表現の自由を徐々に取り戻していった。私の学生時代はマンガブームに始まり、劇画へと移っていった。テレビにマンガが登場し、新聞もマンガを掲載し、「サザエさん」は一世を風靡した。「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道」「ゲゲゲの鬼太郎」など次々とマンガの流行作家が生まれていった。トヨタ自動車のイベントにまでマンガ家が動員される時代を迎えたのである。
アメリカのディズニーワールドをしのぐ「マンガ王国」が日本に誕生したのである。そしてマンガは日本の電化製品やカメラなどと一緒に世界中に輸出されていった。キャラクター商品も成長産業の一画を占め、成長を続けたのである。
ただ心配なのは最近のマンガ、アニメなどが戦いや暴力を表に出したものが増えてきている点である。私達の日本は戦争を放棄し、暴力を否定したはずである。それがマンガやアニメ、映像の世界で幅をきかせていることに私は憤りを禁じえない。
マンガもアニメもキャラクター商品も、平和や人間愛、環境や自然をテーマに作り上げていってほしいものである。未知のものを描くこと、十年先、百年先のものを描くことそれがマンガやアニメの世界であるならば、人々にもう少し夢と希望を与えてくれるものにしてほしい。
1999年1月にニューヨークで、「アニメとマンガのシンポジウム」が開催され、マンガやアニメに対する見方に大きな変化が起きてきた。日本のマンガやアニメに対する、世界中からの興味が沸き上ってきたのである。研究者やマンガ作家(MANGAは日本のコミックをさす言葉となっている)達が日本をめざすようになってきたのである。
国際交流基金の支援を得て、パリで「現代日本短編マンガ展」が開催された。その時短編マンガのコピーが数多く、持ちこまれたという。見せるためのものである。手にとって見ることにより、理解を深めようという狙いであった。マンガを読む体験をさせたことが成功につながったという。
今やマンガ、アニメ、ゲームなどは日本文化の象徴である。マンガ作家は芥川賞や直木賞作家と遜色のない立派な文化人であることを忘れてはならない。
私はある構想を、マンガで表現できないだろうかとマンガ作家と打合せを始めたところである。出来るかどうか確信はないが、やってみる価値はあると思っている。

笑ってみる

平成21年9月28日
笑ってみる

世の中暗い話題が多い。不思議なことに、暗い話題を求める人がいる。他人の不幸を喜んでいるかのように思える人もいる。世の中が暗いと思うから暗くなる。明るいと思えば明るくなる。物事には表裏がある。明暗がある。しかし表裏も明暗も一如である。
辛い時、苦しい時に、私はひとり笑ってみることにしている。笑ってみると、大変だと思っていたことが、それ程でもないように思えてくる。更に声に出して笑ってみる。大声で笑ってみる。すると問題のポイントが見えてくる。笑っているうちに問題の殆どが消えていってしまうのだ。
悩みがある時、人に聞いてもらうだけで、悩みの殆どがなくなるといわれている。カトリック教会では懺悔室があり、神や神の代理人の神父に聞いてもらうことにより、救われるという。
笑うことも、悩みをうちあけることも、閉塞した状態からの脱出に役立つ。どん底からの回帰に役立つ。人に聞いてもらう前に、まず笑ってみよう。悩みを笑い飛ばしてみよう。笑うことによって世界が変るのである。どん底から這い上ってくる力、この力こそすべての人に与えられたものである。「人間力」と呼んでもよい。「精神力」という人もいる。「気の力」と言ってもよい。
「どん底」はあらゆる人に巡ってくる。何度も何度も経験するのが「どん底」である。そのどん底で得たもの、這い上る過程で得るもの、「蘇生」がその人の人格の涵養に資し、人生を豊かにする。
偉人伝を読んで感動することが多い。平山郁夫画伯の鎌倉の家を何度か訪ねたことがある。いつも留守が多かった。平山夫妻の仲人の前田青邨さんが紹介していただいたのが守屋多々志さんと平山郁夫さんであった。3人共当時鎌倉に住んでおられた。平山画伯は私より7歳年長であったが、原爆にあって九死に一生を得た経験があるという。瀬戸内の生口島の出身とのことであるが、柴田勝家の子孫だとのことで柴田神社社殿完成の折、本画を寄贈され、その版画を氏子一統に賜った。私の会社で柴田神社の隣地を入手し、コインパーキングシステムを設置したが、不思議な縁で、この版画も入手した。日本画の第一人者でありながら、平山画伯の温顔はいつみてもすばらしい。何回も何回もどん底を経験しながら、それを乗り越えられた、そのプロセスをたどる時、私は沸き上ってくる感動に身震いがする。
平山夫人の美知子さんに、数冊の本がある。いつもスケッチ旅行に同行され、介添役として画伯を陰でしっかりと支えておられるのである。「二人の歩く後に道ができる」と夫人は言う。この言葉にこめられた楽観的な考え方、生き方が平山夫妻の人生に大きなプラスの働きをしているように私は思う。
「一本の道がある」「その道を行く」というのが普通であるが、「二人の歩く後に道ができる」というのは何とすばらしい自信であろうか、何とすばらしい開拓者魂であろうか。
お二人は「文化財赤十字」を提唱し、これを実行されている。世界中の仏教遺跡、日本の伝統芸術の修復や保存のため、私財を投じ、自ら現地へ出向いてこの支援をされている。ワシントンのスミソニアンの美術館の東洋美術品の修復やバーミアンの仏教遺跡復旧に多大の貢献をされている。原爆の死の世界から「蘇生」し、そして笑顔を絶やさず世界平和のため、身を挺して活躍されている姿は、赤十字を生んだナイチンゲールの姿と重なってみえる。ノーベル平和賞に最もふさわしい人と思うのは私だけではないはずである。
「どんな困難に直面しても、不撓不屈の開拓者精神を持って可能性に挑戦する」これが私の会社の社是の一つであるが、平山画伯の人生そのものである。
この厳しい社会情勢の中にあって、笑顔を忘れず、生きていきたい。さあ笑ってみよう。

福井県経済の明日

平成21年9月25日
福井県経済の明日

日銀の松原淳一さんのお話を聞く機会があり、あまりの卓越した見解に感心したので、ご本人のご了解を得てここに紹介することとする。
1.アジアの成長パワーに乗る。
1-1世界の成長セクターは、中国アジア諸国にシフト
    中国は2007〜2010年 平均9%の前年比の成長が続く
    中東      〃     4.3%      〃  
    ASEAN.5   〃     3.6%      〃   
    ブラジル    〃     3.0%      〃  
    ロシア     〃     2.2%      〃   
    米国      〃     0.3%      〃   
    ユーロ圏    〃    −0.4%     〃   
    日本      〃    −0.7%     〃   
1-2福井県経済はアジアとの関係が深い。
   ・2007年の輸出入先
    アジア 36%、中国32%、欧州14%、北米13%
・海外拠点数
   中国 126、東アジア 45、北米 25、 欧州16、他7
2.環境ビジネス・環境力ビジネスで成長し続けよう。
 2-1.環境ビジネス
    2020年マイナス25%の鳩山由紀夫首相の方針に沿い、温暖化防止に取組むところが伸びる。エ ネルギー源の転換が起きる。原発は最大の効果。福井は国内最大の原発県。敦賀3、4号機来年度着工による経済効果6,000億円。
クリーンエネルギーが普及する。電池部品開発や、環境資材に取組む企業が多い。
2-2.環境力ビジネス
   福井県は降水量5位。福井の名は福の井、井は水の源である。扇状地が多く、環境汚染企業が少ないので、水量、水質に恵まれている。この水の力を背景に食品や染色での成長の可能性大きい。
中国をはじめ世界中で、水不足が深刻化しつつある。特に良質の飲料水の要求は増え続けるものと思われる。
3.少子高齢化、格差、貧困問題は、福井モデルで解決可能。
3-1.福井は3世代同居が多く、家族の絆が強い。
   広い持ち家に住み(広さ2位、持ち家率3位)、3世代同居(2位)、妻が働き(1位)高齢者も働き(60歳以上有業率6位)、孫の世話をする。世帯当り収入は多い(4位)
3-2.福井は質素倹約の歴史的な風土がある。
   財布のヒモは堅く(消費性向47位)貯蓄残高(3位)多い。離婚率は低い、辛抱強い。正規雇用多い。
3-3.福井は教育熱心であり、技術、知識に対する興味が大きい。
   教育費(3位)、学業優秀(2位)、ボランティア活動も熱心(2位)、大学進学率高い(9位)。図書館多い(3位)、博物館も多い(8位)。
3-4.福井は安心、安全のまち。
   犯罪が少ない(42位)、交通事故も少ない(33位)。豊かさ指標1位。住みよさランキング上位。784市の中で、福井市5位、敦賀市12位、鯖江市21位。貧困者(高齢単身者、非正規労働者、母子家庭、生活保護家庭)が少ない。
3-5.健康長寿社会である。
   食のバランスがとれており、健康長寿な人が多い(平均寿命男性7位、女性11位)。兼業農家が多いので、生涯現役で農作業等に従事する人が多い。介護される人が少ない。

上記のとおり、福井県をよくよく分析し、他と比較検討してみると、その可能性が非
常に大きいことが理解できた。これからもこの「ふるさと福井県」をPRし、ますます
住みよいまちづくりに邁進したいと考えている。

東京も不景気

平成21年9月24日
東京も不景気

東京出張の折には、いつも好奇心が刺戟される。今回は地下鉄の車両の中の広告が気になった。空枠が目立つのである。数えてみたら約3割が空いている。こんなことはかつてなかったように思う。そして約4割の広告が「多重債務相談」である。本来の広告らしい広告は約3割しかない。まさに異常事態である。
東京は日本ではない。東京は別世界だとよくいわれる。しかし今回の不景気は、その別世界のはずの東京をも、直撃しているようである。
大企業の広告宣伝費が大幅にカットされているようである。殆どの企業はゼロベース予算だという。新聞社も、テレビ局も、雑誌社も、広告会社も、この厳しい不況に直面している。しかしインターネットや携帯での広告が伸びているので、その方面の企業は、不況の影響は受けていないようである。
今回の政権交替により、政治空白ができてしまった。選挙前から数えると3ヶ月にもなろうかと思われる。この厳しい世界情勢の中での政治空白は、日本経済にとって、誠に憂うべき事態である。自民、民主両党共、速やかに行動を起こし、有効な景気刺激策の実施を行うよう希望する。
東京の地下鉄に乗って感じた私の異様な不安が、杞憂であってくれることを祈っている。自民党がやろうとした景気刺激策がただ単なる対立感情だけで無視されたり、減額されたりすることは、状況が厳しすぎるだけに危険である。今は速やかに諸手続を斉々と実行していくことが肝要である。
 マンガの殿堂の建設が目つぼにとられて、反対の槍玉にあがったようであるが、日本のアニメ、マンガ、ゲームは、自動車などのハードウェアに対する、ソフトウェアとして世界中から歓迎されている。世界に冠たる「マンガ」や「アニメ」「ゲーム」などの日本特有のソフトウェアの殿堂を、日本各地に作っていくことは決して無駄ではない。立派な文化施設であり、教育施設である。しかも世界一流の中身のある施設である。
世界一流といわれる大英博物館やルーブル美術館、オルセー美術館、メトロポリタン美術館等の展示品は幾世紀にも亘って、世界中から集めてきた美術品である。世界の宝である。たかが「マンガ」との論調が多い中で、私はあえて「マンガミュージアム」の建設を推薦したい。時代はどんどん変ってきている。世界中で日本のアニメやマンガのキャラクターが売れている。ゲームが売れている。ポケモンや美少女戦士セーラームーン、ドラゴンボール、ゲゲゲの鬼太郎などは世界中で毎日大活躍をしているのである。また欧米からのマンガ・アニメ研究者、作家希望者の来日は、後を絶たない。景気刺激策として、でたらめに「マンガミュージアム」の建設が計画されたのではないことを強調しておきたい。
 

松尾芭蕉サミット

平成21年9月18日
松尾芭蕉サミット

敦賀短期大学は最近まで瀬戸内寂聴さんが学長を務めていた。その大学から例年の如く福井経済同友会を通して、企業の最前線から学生向の講演と依頼され、お引受けをした。敦賀は私にとって特別なところである。琵琶湖岸に育った私にとって「ウミへ行く」というのは琵琶湖へ行くことである。敦賀の松原海岸や美浜へ行くことを「塩海へ行く」と言っていた。塩海の水は塩からく、浮力が強いので潜るのに苦労したものである。
敦賀には私の生涯の中で大きな影響を受けることになった敦賀セメントがあった。1企業1工場(原石山は岐阜にもあったが・・・)ではあるが、幸いなことに海岸工場なので、内陸工場が廃工場化した中にあって、立派に生き残っている。その敦賀セメントのセメントを売る仕事が、大学を出て最初の仕事になった。そしてその後も関係が続いている。いまだに福井市にある敦賀セメント本社の建物の一部を借りており、関係は深い。
その敦賀市で松尾芭蕉の「奥の細道」敦賀サミットが10月3日、4日に開催される。1689年に芭蕉が旅をして以来300年経ったのをきっかけにして関係する公共団体等が、地域活性化をはかろうと始めたのがこのサミットである。
「奥の細道」には記載されている福井県内の句が5句、その内4句が敦賀で詠まれている。芭蕉は敦賀の色ヶ浜、本隆寺で句会を催しており、12句を作っている。また「奥の細道」には記載されていないが、山中温泉で曾良と別れた芭蕉が、仲秋の名月を賞んと、福井から敦賀を目指した「月の句」が14句ある。「奥の細道」の旅の主目的がこの色ヶ浜の観月会だとの見方もある程、敦賀での句作が多い。「敦賀と芭蕉」、この対比こそ、地域の文化振興、観光開発にとって、貴重なテーマとなる。サミットに併せて開かれる全国俳句大会も楽しみである。思えば福井県は俳句や和歌、詩とのかかわりが深い。源氏物語の紫式部をはじめ数多くの歌人、詩人、俳人達が福井県を訪れている。そして名歌、名句、秀逸な詩を残していっている。気がついてみれば福井は文化の香り高いところなのである。

ガーデンニング

平成21年9月17日
ガーデンニング

イギリスのキューガーデンやパームハウスを訪れてみると、16世紀から19世紀に至る約300年余りの間に、世界中から収集してきた植物類が栽培され、研究されているのが一目でわかる。
イギリス固有の樹木は僅かに200種といわれている。ところが、17世紀には1,000種が増え、18世紀には9,000種が持ち込まれ、栽培されたという。スペインの無敵艦隊を破ったイギリスは、制海権を握り、世界の海へ進出していったのである。アメリカ大陸、オーストラリア、アフリカ各地、インドなど世界各地に殖民地を持ち、中国を半植民地化し、日本へやってきたのは19世紀末のことである。20世紀初頭までイギリスは、世界一の大国であることを維持したが、その前はヨーロッパの一弱小国にすぎなかったのである。国力の増大と共に、世界の富を集めるのはあらゆる国の歴史が証明している。イギリスは文化遺産や金銀財宝を集めると同時に、世界中から珍しい植物や樹木を集めたのである。それがガーデンニングの始まりとなった。
温室の誕生である。温度調整を行わなければ成育しない樹木の栽培のために巨大な温室が建てられた。クリスタルパレスである。ロンドンの万博(1851年)の会場のハイドパークに建てられ、その後シドナムの丘に移築されたクリスタルパレス(水晶宮)は1936年の失火による消失まで多くのロンドン市民に愛された。その後クリスタルパレス公園として存在している。そしてキューガーデンの巨大温室はここにある。
ガーデンニングは、植物を育てる楽しみと、庭を作る楽しみ、そして家族や友人、隣人達との交歓をもたらしてくれる。植物図鑑を片手に次のシーズンの種蒔きを夢見るのもよし、日々成長する草花の変化に目を見張るのもよし、木々の季節の変化を楽しむのもよし。植物は、私達動物とは違う「何か」を持っている。その「何か」を捜すのは、ガーデンニングの魅力の第一である。ペットブームと同じように、人間は孤独であることに耐えられないようだ。その孤独を慰めてくれるのは草花であり、木々である。語りかけてみよう。「何か」が返ってくる。植物との会話が出来るようになれば、ガーデンニング免許皆伝の証明書が天からもらえる。
福井で完成した分譲マンションの住人達と、付属の広い庭園の一画でガーデンニングを楽しむことにした。「ガーデンニングクラブ」を発足させることにしたのである。早速来年の球根を植える作業をはじめなければならない。

2020年マイナス25%、2050年マイナス80%

平成21年9月16日
2020年マイナス25%、2050年マイナス80%

1990年に対比して、マイナス25%を2020年までに達成しようというのが民主党のマニフェストにあり、鳩山由紀夫代表がそれを世界に向けて発表した。先進国の中ではダントツの高い削減目標である。対1990年比、マイナス80%を2050年までに達成したいというのは、科学者達の目標であり、私の目標でもある。1990年から既に20年が経過しようとしているが、まだ1%も削減できず、逆にプラスになっているのが現状である。あと11年余りで30%近くのマイナスを達成するのは、まさに至難の技である。しかし、やらなければならない目標なのである。
来年の6月19、20日は、福井県でAPECのエネルギー担当大臣の国際会議が開催されることとなった。約600名の人々が世界各地から集まってくるのである。あと僅か9ヶ月余りしか残っていない。その間に、世界会議を福井で開催する準備を完了してしまわなければならない。
一番の問題は、県民が「温暖化防止」のために、「省エネルギー」の意識を高め、「2020マイナス25」や「2050マイナス80」という目標に向って努力していることをアピール出来るかどうかである。今や先進国と途上国との意見は、大きな開きが出来てしまった。各国が自己弁護を繰り返し、地球のことより、自国のことばかり主張しはじめている。その愚かさを参加国だけでなく、全世界にアピールする絶好の機会が到来したと私は考えている。
福井県は世界一の原子力先進県である。このPRに全力を上げることを第二の問題点にしたい。駅前看板やポスターに「LOVE・アース・ふくい」「みんなで止めよう温暖化」「チームマイナス6%」と書かれている。新しい総理大臣が「2020年までにマイナス25%」と公言したのであるから、この際これをすべて改正し、すべての取組を統一して「2020年マイナス25%→英文表記がよい」とするべきである。そして原子力発電の先進県としての県民の自覚を促し、訪れる人々に理解を深めてもらうため、原子力発電のしくみを、わかり易く説明するポスターを作り、これを各所に掲示してほしいと考える。
第三の問題点は、電気自動車の取組である。この普及に向けて何をやっているのか、何をやろうとしているのかを世界に示すいい機会である。電気自動車の購入者に国は補助金を出すが、県・市も併せて補助金制度を作るのはいかがであろうか。新車だけでなく、中古車にも対象を広げていくと、普及には大きなはずみがつきメーカーへのバックアップとなる。政治や行政は民間のやれないことがやれるはずである。

痛み

平成21年9月15日
痛み
すべての人間に平等に与えられるものは時間である。いや人間だけに限らず地上に海中に生けとし生けるものに平等に与えられるものが時間である。その時間の長短はあるが、すべての生きものは、生まれた時間から「死への旅」をはじめているのである。
死は人間にとって永遠のテーマである。死を克服することは不可能であるが、死を忘れることは出来ない。死との対話は、芸術の領域でも、大きなウェイトを占めている。宗教の領域ではなお更であり、医学や科学は死への挑戦の歴史でもあった。
秦の始皇帝も、徐福も、永遠の生命を与えてくれる不老長寿の薬を求めた。日本における徐福伝説のあまりの多さは、一体いかなる理由によるものであろうか。しかし伝説の多くは「不老長寿の薬」といわれる「薬草」を上げている。「良薬口に苦し」という「薬草群」である。
現代人の2人に1人はガンにかかるという。3人に1人の死因はガンであるという。ガンは痛みを伴った病気である。疼痛の病気である。先に妻がガンでなくなった。発病して3年。疼痛との闘いであった。座薬が多少効いた。モルヒネの注射は嫌っていた。
母は満86歳まで生きた。ガンの疼痛に耐えて、神仏にすかって生き続けた。死の間際まで意識はしっかりしていた。2006年に「ガン対策基本法」ができて、ガンの疼痛緩和治療が明文化された。日本では麻薬であるモルヒネ類の使用は、それ迄公然とは認められていなかったのである。その為世界の最先端であるはずの、日本の医療現場で使用されている医療用麻薬の使用量は、ドイツの5分の1以下、アメリカの3分の1といわれている。埼玉県ガンセンターの、WTOガン疼痛治療指針の治療成績によると、モルヒネ等を使用すると87%が全く痛みを感じない、9%がほぼ痛みを感じない、4%が軽くなったとの結果である。効かないというのは0%である。
モルヒネを使用すると中毒になるという。ガン患者は激しい痛みと戦っているので頭の中にダイノルフィンが常に放出されていて、ドーパミンの放出を抑制する。だから決して中毒にはならないという。2008年日本医師会の調査によると、約半数の医師が、中毒症状を引き起こし薬物中毒になると誤解していたという。
疼痛緩和医療を普及させる為に、医師と患者とその家族に対して、国や製薬メーカー、マスメディアが、もっと責任をもって強力に啓蒙活動をしていくことが必要である。高齢社会がどんどん進んでいる中で、寝たきりやぼけに苦しむ家族が増えている。ガンの場合は痛みさえとれれば、死ぬまで頭脳明晰である。どちらが幸せか考えてみてほしい。「死ぬならガンで」という人が増えてきているのだそうである。

夢・希望を語る

平成21年9月14日
夢・希望を語る

夢や希望を語り合う友を持っているか。語り合う友がいる人といない人とでは、近い将来に、大差がついてしまう。
夢や希望を語ろうとすれば、夢や希望について考えなければならない。考えることにより前向きの姿勢が生まれ、それが喜びにつながっていく。
夢や希望について考え、友と語り合って、それぞれの夢や希望を追っていくと人生はバラ色になる。喜びが生まれ、幸せにつながっていく。子供達や若者達が、夢や希望を持てないという。豊かな社会、閉塞感の強い時代がそうさせるのであろうか。
私は「夢追い人」である。どんな困難に直面しても、夢や希望を失わず、常に前へ出る事だけを考えて生きている。過去を振り返らず、明日のこと、未来のことを話すクセをつけてきた。
私のクセは「ゴミを拾うこと」私の口グセは「出来る、出来る、出来る」私のモットーは「明るく、元気よく、前向き」である。
自分の夢や希望を語れる相手を見つけよう。それが友であればすばらしい。家族でもよい。未来の人生の伴侶であれば最高だ。ヘミングウェーの老人の海ではないが、若者に語るのもよい。現代は孤独社会であり、語り合うというコミュニケーションの場があまりにも不足している。青春時代は二度とこないといわれている。今を青春と思えば、70歳を既に超えた私ではあるが、全身に勇気が沸き上ってくる。夢や希望が胸一杯にふくれ上ってくる。夢や希望は人を幸せにする。夢や希望は、誰でも、何時でも、どこでも持つことが出来る。
夢や希望を持つことは、人間の特権である。万人に与えられた特権である。すべての人々が、この特権を生かして是非共すばらしい夢や希望を持ってほしい。願わくば、その夢や希望があまりに自分本位にならないように、我利我利亡者にならないように祈りたい。

地方にとってのインフラ整備

平成21年9月11日
地方にとってのインフラ整備

福井県の奥越地方といわれるところがある。福井県選出の偉大な政治家故福田一の生まれ育ったところである。かつてはそこは大野郡といわれた。県境に近いというよりも、県にまたがった広大な山域が大野郡であった。かつての大野藩の領域である。豪雪地帯であるので、道路は正しく「命の道」である。豪雪や水害、山崩れがおきると完全な孤立状態になるので、インフラ整備が最大の関心事となる。石徹白川の流域の石徹白町は、昭和に入ってから福井県を離脱し、岐阜県に移っていった。その理由は、緊急時に、岐阜県白鳥町からの救援の方が、本来は来るべきはずの福井県大野市よりの支援よりも、遥かに早くきてくれるからであった。
 福田一は生まれ故郷にダムを作り、鉄道をひいた。そのJR越美北線と、岐阜県側の越美南線は未だに結ばれていない。生前に北陸新幹線の完成について種々と意見を聞いたことがある。「十年経っても新幹線は開通せん」と明言されて、落胆したのを思い出す。あれから既に20年が経過した。故田中角栄は、「鉄道が越前福井を通ったのは明治時代、私の故郷、越後の長岡は大正に入ってからだった。しかし新幹線だけは負けなかった」と福田一に話したという。東京から新幹線で新潟まで僅か2時間である。福井までは3時間半、小浜までは敦賀まわりで4時間を超える。
大野市長は、中部縦貫道の早期完成を求めて、「この道は、命の道である」と発言した。広大な市域を有する大野市にとって、この道こそ、中心部を東から西へ貫通する大動脈のはずである。大野市長の言葉を聞いて、私はあらためて日本地図を開いてみた。福井市から大野市を経て、信州松本市へ、日本列島を縦貫する新しい道路である。地方に住む人々にとって、父祖千年の願いが、鉄道であり、道路である。「命の道」である。
公共工事の削減を主張する民主党が政権をとった。しかし「公共工事はムダではない」「公共工事こそ政治そのものである」ことを忘れないでほしい。更に「ムダな公共工事はないか」「公共工事の中身にムダがないか」を見極める見識を失わないでほしい。「命の道」の一日も早い完成を願っている。

新しいマーケットの誕生

平成21年9月10日
新しいマーケットの誕生

少子高齢化社会が議論されて久しい。人口減を心配する声、少子化を憂う声、老人が増えることによる年金を心配する声などみな一理ある。私は逆に心配はしていない。なぜなら物事には表裏が一体となって存在していることを信じているからである。国民生活白書の推定によるとかつての標準世帯の「夫婦と子供の世帯」と「単独世帯」が2010年頃に等しくなり、2030年には標準世帯は一人者の単独世帯になるとの見通しである。単独世帯は2010年の29%から2020年には30%、2030年には37%に急上昇していくとのこと。この理由は、晩婚化・未婚化・高齢化が原因である。夫婦と子供の現在の標準世帯は2010年の29%から2020年27%、2030年22%と激減するというのである。この家族構成の激変ぶりに気付かなければならない。世帯数の変化にも注意が必要である。敗戦以来増え続けてきた世帯数は、2010年頃の4970万世帯をピークとして、天井を打ち、徐々に減少に転じていく傾向にある。これは人口減を伴いつつ、家族構成の単独化への反省機運が出てくるとも考えられる。
新しいマーケットの誕生に対応しなければならない。単独世帯が最も多くなるのである。そこに膨大な新しいマーケットが生まれつつある。新しい商品、新しいサービスが求められている。かつての大家族主義から、最近の夫婦と子供二人の家族、そしてこれから「おひとり様」の社会へと移るなかで、どんな商品やサービスが求められるのであろうか。
単独世帯は「少量」の商品を求めざるを得ない。小パックの食品や飲料が売れている。家族間の会話による「生活の知恵」が手に入れにくくなっているので、通販やネットによる購入が増えてくる。テレビショッピングも年々成長を続けている。健康への不安から「健康食品」が売れている。「おひとり様」の相手は「ペット」となり、ペットフードの売場面積がどんどん広がっている。
中食市場はこれから最大のビジネスチャンスを生む分野である。それだけ競争は激しくなることと思われるが、可能性は最大である。「中食」とは、外食でなく、調理した弁当、おにぎり、サンドイッチなどを購入して職場や自宅で食べることをいう。コンビニの売上の7割がこの中食食品である。
日本酒の市場は、業界の努力にもかかわらず縮小傾向にある。もう一工夫が必要であるが、1升瓶(1.8ℓ入)から4合ビン(720入)への転換が進みつつある。更に1合ビン(180ml入)への転換が起こり、缶ビールと同じように6本入カートンや2ダース入カートン等が出現するであろう。アルコール度数の低減や香りと刺激を押え気味の日本酒が求められるようになるであろう。
「おひとりさま市場」は「ワガママ市場」である。しかしマーケットの大きさは抜群である。ニーズをしっかり汲み取って最適な商品、最適なサービスを提供していけば、新市場開拓の覇者となれるのである。若者たちの挑戦する絶好のチャンスである。

女性と政治

平成21年9月9日
女性と政治

今回の衆議院議員の選挙で、私が注目していたのは、女性の動向である。選挙はかつて血縁で始まった。それが地縁につながり、企業選挙や組合選挙になり、最近になってやっと「マニフェスト選挙」になってきた。平塚らいちょう、宮本百合子、奥村むめおの時代から、女性の政治運動は輝かしい歴史を繰り広げてきた。世界的に見ると日本での普通選挙は決して遅くない。まして全く同権の女性選挙権、被選挙権を獲得した日本の女性達は、世界でも最も早く正確な男女同権を獲得した国に属する。
日本の総人口に占める女性の比率は、少しずつ高まりつつある。これは高齢化社会のもたらす現象である。女性の寿命が男性よりも遥かに長いからである。ということは女性票の方が、男性票よりも多いということになる。「選挙運動は女性から」とは、私の経験から言える真実である。「男の一票は当てにならないが、女の一票は五票になる」とは福田一直伝の言葉である。
アメリカに、大統領夫人を讃える言葉がある。「偉大なる男の背後に、必ず偉大なる女性がいる」。アメリカは人種差別の国である。同時に女性差別もごく最近まで続いている。日本は反対に、有史以来女性が天下に号令したケースが多々あった。そして戦後、女性の政治参加はどんどん進んできた。女性が、日本の政治を変える鍵をにぎっていると私は信じている。
日本の会合に出席すると、大抵の会議の出席者は殆ど男性である。ロータリークラブもそうである。女性会員の比率が極端に低い。ところがレストランへ行ってみると、逆に殆どが女性である。観光地でも女性比率はどんどん上昇中である。私達の気付かないところで、女性の社会的地位が向上しているのである。
政治についても同様である。今回の選挙で当選した女性議員の比率は11%と微増であるが、世界の平均は約19%である。まだ世界のレベルには達していないのが残念であるが、現実主義の女性達が、これからの日本を変える一大勢力を築いていく予感をおぼえる。福井県選出議員7名中1名が女性である。
世界中の富の7割は女性が握っているといわれている。近い将来、政治の7割を女性が握るのを、私は予言したい。彼女達にはその能力も、識見も、十分備わっている。それを私は知っているからである。

夢への十カ条

平成21年9月8日
夢への十カ条

夢を夢見て生涯を送る人を「夢追い人」という。私はその「夢追い人」である。そしてこんなPRを地元の福井新聞の広告欄に掲載したことがある。毎月掲載し、3年に及んだと記憶している。それは

「大きな夢を持とう、その夢が大きければ大きい程、人生が大きくなる。高い志を持とう。その志が高ければ高いほど、人生が崇高になる」というものである。

このフレーズが私の夢のエッセンスである。そして「夢への十カ条」
を作った。以下その十ヵ条である。
「大きな夢、高い志を持つ」
「喜びの種、幸せの種を蒔く」
「一人三役に徹す」
「利他の心を持つ」
「十方よしが基本理念」
「生き生きと共に生きる」
「実行こそすべてに優る」
「生涯現役を貫く」
「温顔愛語で笑顔で暮らす」
「一日一生、悔いない人生」

「十方よしが基本理念」いかなる時も夢を失わず、常に夢に向って歩き続ける人生こそ最高と思う。夢を失っている子供達や大人達が多いと聞いて暗澹たる気持になった。「夢追い人」を自認する私は、この「夢への十カ条」を引き下げて「夢の伝道士」として、若者達をはじめ人々に夢を語る旅に出ることにした。  今年はあと何回この夢を語る機会が与えられるのであろうか。それを思うとまた明日が楽しみである。

日本を信じる

平成21年9月7日
日本を信じる

政権交代が実現し、日本が大きく変る可能性が出てきた。保守王国福井県は三人の小選挙区で、自民党の三人が当選した。自民党が小選挙区を独占したところは、福井県の他、高知県、島根県、鳥取県の僅か4県を数えただけである。新しい潮流が発生した。「変化」を選んだ国民の声である。福井県も小選挙区では三人が三人共自民党であったが、対立候補の三人の民主党は三人共比例代表制で当選を果した。そして比例北信越単独で民主党一人が当選、小選挙区で破れた筈の民主党が、4人当選をしたのである。福井県は、過去最大の7人の代議士を、今回は獲得したのである。
今、日本は世界の注目を集めている。二大政党政治への傾向は、最近の選挙で徐々に明瞭になりつつあった。今回の選挙でそれが劇的な大逆転となり、野党の民主党が3分の2近くを占める結果となり、敗戦後初の政権奪取が実現した。しかも対照的に政権与党の自民党は惨敗したのである。新しい風が吹き出している。
敗戦後の政治の確立時に、鳩山一郎氏が吉田茂氏に禅譲した政権が、今回その孫同志の対決となった。吉田茂の孫麻生太郎氏から、鳩山一郎の孫鳩山由紀夫氏が、政権を選挙で奪取したのである。あまりこの事実は報道されないが、私は因縁めいたものに気づき、感無量である。鳩山新首相の強固なリーダーシップの下に、新しい日本が誕生したことを祝い、変化への期待を望んでいる。
マスコミの論調も、世界の首脳等の反応も、新政権誕生を一様に歓迎している。世界を覆う暗雲の下、日本の果すべき役割の大きさを自覚し、近隣諸国とも協調融和をはかりながら、新しい国づくりに邁進していってほしいと念じている。
最近のマスコミも、国民も、政治家でさえ、未来についての希望を失いつつある。今回の選挙はアメリカ大統領選と同様に、国民が「変化」を選んだのである。民主党は自信を持って、国民に夢と希望を与えるような政治を行ってもらいたい。私は日本を信じている。日本人を信じている。21世紀は日本の時代、アジアの時代だと信じている。それは日本人が世界一の豊かな国になるという事ではない。世界全体のことを考えつつ行動していく大きな責任を持たされているという事である。世界の平和と繁栄のため、日本と日本人が、勇気を持って外交を行い、内政を充実していく民主党を選んだことを忘れないでほしいものである。

原子力発電

平成21年9月3日
原子力発電
福井県産品のナンバーワンは「電気」である。これは県下全域の山間部に明治以来設置されてきた水力発電所のせいでもあるが、最大の要因は敗戦後に、敦賀、美浜、大飯、高浜に作られてきた「原子力発電所」のせいである。関西電力と日本原電の13基が稼働中であり、2基が着工準備中である。その他に(独)原子力機構の「ふげん」と「もんじゅ」があり、高速増殖炉の研究開発をはじめとし、原子炉廃止措置や国際的な原子力発電に関する情報の収集、操作管理運営、保守安全等の研修を行っている。
原子力発電はウラン235を燃焼させて、そのエネルギーで発電するシステムである。ウランに含まれる235は全体の0.7%に過ぎず、残りの99.3%は燃えないウラン238である。現在世界の原発は殆どが僅か0.7%のウラン235を使って発電を行っている。(但し実験炉・実証炉は除く)この残された、使っていないウラン238をプルトニウムに変えて、有効に使うことが出来れば、ウラン資源の寿命100年が、1万年にも伸びる可能性がある。
その分野に世界中が注目し、研究開発を行っている。福井県でも約500人の職員(独立行政法人原子力機構)がこれに携わっている。国内では、4,000人以上の職員が知恵を集めて、全国11ヶ所で研究開発に注力中である。このような最先端研究が日本で行われていることを私は常に誇りに思っていた。そしてこれ等の研究開発に賛成する民意の喚起に力を注いできた。直接私のビジネスには関係がないが、深刻化する地球温暖化防止の、当面のチャンピオンはこれだとの確信があるからである。そしてそれは私だけでなく「原子力白書」にもはっきりとうたわれている。CO2削減目標を達成する為には、原子力の増強が不可欠なのである。
放射性廃棄物の発生とその処分の問題が残っている。低レベルのものは、青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターへ集められ、焼却、圧縮されて処分されている。高レベル廃棄物は、ガラスと一体化したガラス固化体として、地下数百メートルの最終処分場に保管されている。しかしこの処分場の次の場所の選定がその後、すすんでおらず未解決である。
安全の問題も残っている。2007年7月の中越沖地震で東電の柏崎刈羽発電所が、炉心部分は被害ゼロであり乍ら、周辺部分で被害を受け、影響があった。その為再稼動が遅れて、設備利用率の低下をもたらしている。地震への対応、特に付属施設を含めた安全対策が求められている。人口地盤の形成や、配管ジョイント部分のフレキシブル化など既知の、確立されている技術の利用によって即座に解決可能な問題が多い。素早い対応を望みたいものだ。

自動車の軽量化

平成21年9月2日
自動車の軽量化

自動車部品のリサイクルが進みつつある。私の事務所の椅子はカーシートをとりはずし、回転できるように改良して使っている。違和感は全くない。長時間座っていても疲れない。快適シートである。
「車両総重量」とカタログに表示されているのを、各車それぞれ比較してみると、車がいかに重いかを発見し、驚く。小型車の平均重量は約1tである。重量を30%軽くすると、燃費は20%向上するという。重量を30%軽くする研究が今進みつつある。
エンジンが重い。サスペンション(足回り部品)も重い。ボンネットは見た目より遥かに重い。かつてのエンジンと最近のエンジンと比較すると、アルミが多く使われている。かつて車は殆どが鋼製であった。最近はFRPなどの樹脂の多用がどんどん進んでいる。鋼製から特殊鋼への進化も顕著である。日本の自動車産業を支える技術革新の裾野は広い。アメリカのビッグスリーを窮地に追い込んだ遠因は、この総合的な技術開発の差なのかもしれない。
小さく見えることを積み上げていくと、大きな差が出てくる。部品点数それぞれを30%を軽くする方法を考えていくと、目標が達成されてしまう。私は車の電装品の軽量化も進むと考えている。不必要なもの、大きすぎるものの検討もされることであろう。例えばタバコ用の灰皿、ライターなどは要らない。運転中の喫煙は危険であり、同乗者の健康にも悪影響を与えるからだ。
車は剛構造であった。それが徐々に柔構造に変りつつある。この傾向は「軽量化」の要請が大きくなると共に、更に進んでいくであろう。軽い素材への置き換え、強度の増強による原材料のカット、新材料の誕生など車をとりまく開発の波は大きなうねりを見せだしている。インドや中国の自動車メーカーとの競争が始まるのは避けられない。そこで競われるのはまず「燃費競争」である。「軽量化競争」である。新電池開発と電池重量の軽減、電池の耐久性向上などハイブリッドカーや電気自動車の普及と共に、新たな研究開発が求められてきている。モーターの小型高性能化は既に完成の域にある。問題は電池である。

富山商工会議所の講演会

平成21年9月1日
富山商工会議所の講演会

富山商工会議所からコインパーキングシステムの研修会の講師の依頼があり、車で出かけた。北陸高速道は料金割引制度がスタートして以来、サービスエリアでの車の駐車量が大幅にアップしている。また高速道の通行量も増えている。景気が底を打ったのか、車の稼動は増えているが、地方経済の動向は相変わらず予断を許さない。
富山へは会社設立以来、福井から近いこともあって、コインパーキング事業進出の勧誘に度々訪れたことが思い起こされる。その甲斐もあり富山支店を開設し数年が経過した。富山の特徴は家や土地が広い。持ち家の面積の広さは日本一である。ビルや住宅の敷地面積もゆったりとられている。その為駐車スペースに余裕があり、コインパーキングシステムの普及が、金沢や福井と比較して大分遅れてしまった。未だに富山市全体で50ヶ所程度である。
しかし、この50ヶ所もここ1〜2年で急に増えてきたので、今回の研修会となったのである。コインパーキングシステムの「魅力の十ヶ条」を時間をかけて丁寧に説明した。そして一番大切なこと、それは「喜びの種、幸せの種を蒔こう」というビジネスモデルの説明である。「十方よし」の心の説明である。その理想を追求する唯一の会社が私達であると力説をした。
自動車の販売台数はこの3年余りずっと前年割れが続いており、保有台数ですらピークアウトしてきた。しかし駐車場不足の解消はまだ達成できていない。みんなが安心して、安全に駐車できるシステムの実現に向けて、更に懸命の努力を続けていきたい。
衆議院議員選挙の応援の応援演説に麻生総理が富山へ来られていた。福井への帰路、同じ時刻に、麻生総理も移動されて、金沢、福井での演説会が予定をされているのと重なることになった。選挙結果が楽しみである。