2011年08月のアーカイブ

フラット35S

23年8月31日(水)
フラット35S

住宅マンション市場は厳しい情況が続いていたが、最近になって、最低ラインから少し動き出したようである。というのは長期間固定金利の住宅ローンの枠が一杯になりそうだとのことで、今年一杯の期限だったのが9月末日で申込受付が完了となる。通常金利より1%も安く借入できるので希望者が多かったという。私達のように、営業の第一線でお客様と対話していると、景気がよくなったとか、購買意欲が出てきたとか、ローンの申込が増加したとかのような明るい兆は全く感じられない。恐らく東京をはじめ大都会での動きが出始めたのであろう。その動きが地方へ来るにはまだ2、3年はかかることと思われる。それ迄に辛抱だ。
フラット35Sの「フラット」は借入時から一定期間(例最初の10年間など)は固定金利であり、その後も少し利率は上るが固定金利なので人生設計がしやすいという利点がある。「35」は最長35年間の長期ローンが可能であるということ。「S」は耐震、免震などの優良住宅マンションの場合優遇措置があるという意味。現在の金利水準は、一般借入の場合と比較すると「フラット35S」の場合約1%は安く借りられる。申込期限の9月末日が迫ってきて、お客様よりも、私達の方がヤキモキしている。9月末日契約の場合と、10月に入ってからの契約では、例えば3,000万円のマンションの場合、約220万円もの差が出てしまう。いかに金利が大きい影響を与えてしまうかを痛感している昨今である。

経験談

23年8月30日(火)
経験談

人生は失敗の積み重ねである。小さな失敗は毎日ある。大失敗も時に起きる。失敗の後に何が残るか、それが最も重要なポイントである。私はいつも自問自答してみる。自分に言い訳をしたり、失敗の原因を他人になすりつけたりもする。しかし大抵の場合、失敗の原因は自分にある。因果応報の言葉の通りである。そしてしぶしぶ自らをかえりみて深く反省し、次の対策を練る。そしてまた前へ出て、また失敗する。この繰り返しが人生だと思う。そう思うと失敗もこれまた楽しみに変る。同じ人生なら、失敗も楽しみたいものである。
私は経験談を聞くのが好きである。失敗談、成功談何でも好きだ。そこから学ぶことが多い。人の行動を「自分ならこうしただろうな」と考えながら謹聴する。偉人伝を読むのも好きだ。偉人伝も経験談を聞くことと大差はない。他人の人生の軌跡の上を、自分流の解釈をしながら自由自在に飛び回るのである。特に興味があるのは失敗談である。偉人といわれる人ほど多くの大失敗をしているケースが多い。そして苦心惨憺としてその苦境を乗り切っている。誠に痛快。その大失敗から私が学びとることは多い。測り知れない程多い。だから経験談特に失敗談を聞いて自戒とする。前へ出る為の勇気をいただくのである。

蜂屋良彦博士

23年8月26日(金)
蜂屋良彦博士

15周年を迎えた7月、社外取締役を長らく勤めていただいた文学博士の蜂屋良彦氏が退任された。小生とは竹馬の友の一人である。私達の会社は5人の同級生の社外取締役がいた。小、中、高校を一緒に過した親友達である。いつもトップテンに入っていて、京都大学を受験した仲間である。蜂屋良彦君と高野盛久君(前三菱化学の財務担当副社長)の二人が現役で合格、私を含め後の3人は他の大学へ進んだ。蜂屋君は大学に残りその後神戸大学の教授を長く勤めたのである。私が会社を興した時、みんなを口説いて役員を勤めていただいた。取引先の銀行の頭取から「頭のいい人が集まっているんだね」とほめていただいたことが忘れられない。
蜂屋博士の離任の言葉は、「私は幼少の頃から儲けてはいかんといわれ続けて育ってきた。その私に会長が会社の役員になれという。文学部のない大学は一流ではないといわれる。なぜなら文学部は批判勢力の巣である。常に鋭い批判の目にさらされているから一流になれる。そんな私に、それがいいんだ。そこがいいんだと言って口説かれた。役にたったかどうかわからないが、批判の目に対する配慮を失わないよう自戒してほしい」「産業心理学者として学生達に教えたのは、伸びる会社とは3つの特徴がある。その1は明確な目標を持っている。その2はその目標への道筋がはっきりしている。その3は会社全体がそれを共有している。この3つの特徴を備えた会社として生き続けてほしい」感謝の言葉と共に、今後も社会から数々の助言をいただきたいとお願いした。私達も次々と後期高齢者になっていく。お互いに健康に留意して暮したいものである。

ブルとベア

23年8月25日(木)
ブルとベア

旅先の骨董屋で思いがけない拾いものをすることがある。国道297号線をドライブしている時、大滝城の近くで銀色の「ブルとベア」のセットの飾りものを見つけた。ひっくり返すと酒の盃になる。株式の投資家の中でいつもブル(bull 雄牛)とベア(bear 熊)を対比して、強気の買い手、買い手筋を「ブル」といい、弱気の売り手筋を「ベア」という。この銀色のカップのブルとベアの面構えは誠によく出来ている。両方ともにしっかりと前を見つめている。鼻を上にあげて口は閉じられている。首から上だけの頭部の彫刻が下のカップにつけうれている。見れば見るほどあきのこない彫刻である。この不思議な二個のカップはおそらく株式関係の記念品だろうと思われるが、その来歴はよくわからない。ただ常に強気路線を走りそうになる私にとっては、このブルとベアは、しばし思案の一時を持つ効果を果たしてくれている。見比べているだけで楽しくなる不思議な彫刻である。円が市場最高値を更新した。日本円を買う動きが世界的に広がりつつある。この動きはいずれ日本の株式市場へも流入してくるであろう。久しぶりのブル相場となるかも知れない。そんな予感を覚える円高である。ハイパーインフレを予測する経済評論家も出だしている。

隣人まつり

23年8月24日(水)
隣人まつり

マンションの住民が自主的に開いている隣人祭が先日開催された。参加者60名余りとなり大盛況であった。今回が第3回だが、いつも参加者の評判はよい。マンションへの入居は、近所付き合いが面倒くさいのでとの理由が多いけれど、まさかの時にはとても頼り甲斐のある仲間である。出来るだけお互いに「声掛け」をするようお願いをしている。朝晩の挨拶だけでも心を豊にしてくれる。
参加者からの差入れ、それも手作りの心のこもった差入れが多く、毎回満腹して帰ることができる。子供達もリーダーの下、自主的にソーメン流しやキンギョすくい(擬似金魚)や射的などをやってくれた。
またボランティアの手品師二名に来ていただき、見事なお手並を拝見した。バーベキューはお父さん達が火を起こすことからはじめて、カルビ、スペアリブ、ロースや野菜類をなれた手つきで焼き上げて給仕してくれた。
飲み物は日本酒、ワイン、ビール、ジュース、お茶、水など差入れの名品が多く、越乃、寒梅や白岳仙などを十分楽しませてもらった。管理組合の主催なので、入居者もその友人、家族も無料で大いに盛り上がった。60名を超える人々の大パーティでありながら、予算は1ケタと信じられない程にお安いけれど、中身の濃い素晴らしい会であった。お互いの友情を再確認した一夕となった。

創立記念日

23年8月23日(火)
創立記念日

1996年7月10日に日本システムバンク株式会社を設立。資本金1,000万円でスタートした。初年度社員(役員共)4名すべて身内だった。年商3,700万円。赤字は出さずにスタートできた。15周年を迎えた今年、年商は約60億円、純資産約16億円、15年間でほぼ160倍になった。後15年経つと私は90歳となり、このまま伸長を同じように続けると「年商8,000億円、純資産2,500億円の優良企業になるはずである。今後の経営陣の活躍に期待したい。
今月19日の福井新聞経済面のトップを飾って、2000年度から2009年度までの過去10年間の増収企業ランキング(帝国データ福井調査)が発表された。そのトップが私達の会社である。10年間の伸長は11.3倍と、唯一2ケタ成長と発表された。第2位小林化工7.1倍、第3位ゲンキー5.9倍と優良企業が並んでいる。私達の会社は創業以来ずっと2ケタ成長を続けてきた。この2年間は停滞しているが、成長率では以前から自信を持ってきた。しかし年商50億円以上の県内企業が多い。トップの三谷商事は年商3,500億円、純資産600億円である。セーレンが1,000億円、450億円と続いている。
私達の吹けば飛ぶような零細企業が、15年間にここまで成長できたのは役員社員の頑張りだけではない。数多くお客様をはじめ、陰に陽に支援して下さった方々のお蔭である。感謝、感謝、感謝の気持を忘れず三谷商事やセーレンのような立派な会社を目指して精進を続けたいものである。とりあえず10年後に迫った25周年に向けて、感謝を力に、新たな夢に向かって挑戦したいと考えている。
ただ心配なのは全県下の企業の10年間の伸長率はマイナス13.5倍である。2000年度の売上より2009年度の売上が大きく落込んでいる。海外への工場移転が進む製造業や建設業のマイナスが大きい。内需拡大の努力が不足しているのは明白である。

アメリカ国債格下げ

23年8月22日(月)
アメリカ国債格下げ

予想通りアメリカ政府がデフォルトになることは避けられたが、スタンダードアンドプアーズ(S&P)は、アメリカ国債を格下げすると発表した。史上初の格下げである。これは米ドルの実態を如実に表すもので、ドル神話の崩壊の前兆なのかもしれない。アメリカ経済の先行き不安を、最近のドル安は象徴していたのである。
S&P国債の格付けは、これによってトリプルAがドイツ、スイス、シンガポール、英国、フランスの5ヶ国となり、AA+がベルギーとアメリカ、AAがスペイン、そして日本と中国がAA−となった。国債の質量という点では、日本や中国はトリプルAの5ヶ国にそんなに遜色は感じられない。S&Pの評価項目によって差がついているように思われる。
アメリカドルの低迷は当分続くものと思われる。そしてAA−の日本国債がアメリカ国債に代わって買われる可能性は依然として高い。当分は円高、ドル安、それも日本政府の介入が続くとしても、この基調は急には元に戻らないであろう。輸出産業にとっては困難な場面が予測されるが、備蓄等の積み増しや内需の更なる拡大によって国内への投資意欲を喚起するチャンスでもある。日本株式や日本の不動産への投資を、日本人に呼びかけるチャンスでもある。

新しい医学

23年8月19日(金)
新しい医学

古来より「病は気から」といわれてきた。「気」の力、「気功」の効用をいう人は多い。西洋医学でも副交感神経の働きを高めることによって、健康を維持することが可能だという説がある。医療とは病気を治療することを目的としていた。最近では病気になるのを防ぐことに力点が移りつつある。それは日本が国民皆、保険という恩恵を受けている為、医療費の増大が重大な国家財政の基盤を揺るがしかねない事になってきたのである。病気を薬で治すのでなく、薬以外のもの、例えば食品、サプリメント、運動、習慣、心の持ちようなどの効果が期待されるようになってきた。世界一の長寿社会となった日本は、新しい医学の時代を迎えている。特に脳医学の分野での発達は大きい。例えば笑いの効用である。笑えば脳内麻薬といわれる(βエンドルフィンが分泌され、不快感を吹き飛ばしてくれる。その力はモルヒネの約6倍もある。ストレスを感じると自律神経の交感神経を介して、副腎髄質から分泌されるアドレナリン等のホルモンの作用で心臓があおち、血圧が上昇し、口はカラカラ、胃は固くなり、顔面蒼白、血糖値も上がる。逆にストレスが解消すると、副交感神経が働いて皮膚や内臓に血液を戻し、唾液や消化液の分泌を促す。笑いの中でも特に大笑いは酸素摂取を急増し、副腎皮質よりのコルチゾールが減り、ストレスは解消する。笑いの効用は素晴らしい。大笑いでガンは治るという説も一部にあるほどである。

ポックリ信仰

23年8月18日(木)
ポックリ信仰

毎月24日は私達のビルの一階にある「いきいき地蔵」のお祭りが開かれる。福井駅前商店街の商売繁昌と参拝者家族一同の健康長寿を願って、3人のお坊さんの読経と辻説法とが行われる。長寿社会を迎えて、男性も80才の方々が珍しくなくなってきた。女性は90才台の方が参ってこられる。みんなそれぞれ悩みを抱えているが、毎月24日の午後1時からの読経には、もう常連の参拝者がおられる。私もスケジュールを調整して参拝させていただいている。
健康長寿とはポックリ信仰と似ているところがある。寝たきりになって意識がないのに機械で生かされている人が多い。これは看護する人がたまらない。看護する人は経済的にも身体的にも大変な負担になっている。最も大きいのは精神的な負担であろう。それを思うと真剣に過剰医療は拒否したいものである。末期がんに対する過剰医療は本人や周りのすべての人々に大きな苦痛を与えてしまう。
私の祖父母も父母も自室で最期を迎えた。出来れば私もそのように安楽な最期を迎えたいと思っているが、果たしてその結果は?ポックリ信仰の意味が最近よくわかるようになってきた。その為にも福井駅前の「いきいき地蔵」にお参りして手を合わせる毎日である。

想定外

23年8月17日(水)
想定外
今回の3.11大震災や大津波が語られる時、よく想定外という言葉が使われてきた。私達は地震や津波を過去に何百回となく経験している。その対策は当然過去の経験の上に立って行われているはずである。それが1000年に一度という大きさと発生予測が殆どなかった地域で発生した。神戸地震が、割合限られた狭い範囲で発生したのに対し、今回は広大な地域で大きな被害が発生した。特に福島原発の被災は誰一人想定した者がいない状況下で突然発生し、深刻な後遺症を残しつつある。海の万里の長城かといわれた防波堤も根こそぎ押し倒される程の強烈な力が働いたのである。私は今回の自然災害を責任のなすりつけ合いのような低レベルでの議論はやめて、一日も早く復興に全員が取り組むことを求めたい。東京電力が保安院、経産省、自民党などの責任を問う暇があったら、被災者の立場に立った温かくスピーディな対処をすべきである。東京電力も日本国民も最大の被害者ではある。しかし最も惨めな生活を強いられている方々をまず救うことに全力を上げようではないか。この世は想定外だらけである。しかしそれに憶していては何も出来ない。今、東北は戦場である。兵は拙速を尊ぶという。想定外だからこそ、想定外の救助、支援策が求められているのだ。一日も早く手を打ってほしい。

世界一の長寿

23年8月12日(金)
世界一の長寿

厚生労働省の発表によれば、2010年の日本人の平均寿命は、女性が26年連続の世界一となったとのこと。86.39才は男性の79.64才(世界4位)と6.75才の差がある。日本の女性の長寿はどこに原因があるのだろうか。また日本の男性はなぜ6.75才も早く死ぬのだろうか。この理由を考えてみた。参考までに香港の男女差は5.9才、スイスの男女差は4.6才と日本より大分縮まっている。正確な原因は今後の生命医学の進歩を待たなければならないが、経験則やデータによる事実からわかっていることは「女性は病気にかかり難い」「特に最大死因であるガンの罹患率は男性が高い」「男性だけしかかからない病気が多い」などがある。生物学の分野では、女性が男性よりずっと強いというのは通説のようである。健康の秘訣を聞くと、女性は当然のようにこの秘訣を日常生活の中で実行していることに気付かされる。秘訣を列記してみると、
1.おしゃべりをよくする
2.笑顔で明るく元気に暮らす
3.好奇心が旺盛
4.体をまめに動かす(手、指、足)
5.友人と知人との付き合いが上手
これらはすべて女性が有利である。男性もこの5項目を実行していると長寿世界一の座にすわれるかもしれない。ナンバーワンの香港男性との差は僅かに0.36才である。

恐竜王国ふくい

23年8月11日(木)
恐竜王国ふくい

福井県立恐竜博物館は面白い。世界のクリーンシティトップテンに入っている勝山市に位置している。恐竜の学術的な研究はまだまだ未知の部分が多く、学者にとっても、私達にとっても魅力的なテーマである。恐竜好きの子供達は10回通ってもまだ面白く魅力があるという。親同伴で通いつめる小中学生は多い。性別では男子生徒が多い。ところが不思議なことに、大人は女性の恐竜ファンが多いとのことである。
来年の干支は辰年である。「恐竜王国ふくい」をアピールするために、福井県では年内に「プロジェクトチーム」を発足する。観光の目玉としての存在感があり、他県では真似の出来ないものに育ちつつある。アメリカのモンタナ州立大学付属のロッキー博物館と情報交換や研究者の交流が行われており、その研究の成果が表われてきている。恐竜の成長を学問的に証明することが可能となりつつある。研究者にとっては、この恐竜博物館ほど有難い施設は他にないと、大張り切りで研究に没頭されているのは誠に頼もしい。
博物館の恐竜は鳴いたり、動いたり、食べたりする動くロボットが沢山ある。また映像も臨場感あふれるもので、子供達や大人の女性達の驚きの声が絶えない。
私はこの恐竜博物館をはじめ、日本一の和紙の里、越前陶芸村などを観光ルート化し、福井県の地酒の酒蔵めぐりを結合した企画を考えている。出来れば年内よりスタートし、来年以降の本番に備えたいとはりきっている。

酒カスの人気

23年8月10日(水)
酒カスの人気

NHKテレビの人気番組「ためしてガッテン」が有名だ。昨年の暮れに放送されたのは「酒カスの魅力」についてだった。伝統の発酵食品の酒カスには、驚きの健康効果があることを証明する番組である。その結果は三つのパワーが確認された。一つ目は悪玉のLDLコレステロール値を下げたり、便通をよくする「レジスタントプロテイン」の存在である。これは消化されにくい性質なので、小腸まで達し、そこで余分な脂質や油分を捕まえて体外へ運んでくれる、お掃除屋さんの役目である。二つ目はビタミンB群で、貴重なビタミンB2は米の26倍もあり、B6は47倍も含まれている。更に三つ目はうまみ成分のアミノ酸である。これは米の583倍に激増してしまう。これらはすべて米とこうじと酵母の力が結合して作られてくる。健康長寿の源は、酒だけでなく酒カスにも力があるのである。NHKの番組と同時に、店頭にあった酒カスは瞬く間に売り切れとなった。今あるのは圧縮して空気を抜いて、夏まで熟成された練りカスと呼ばれるもので、カス漬けなどによく使用される。冬の新酒の時の酒カスは板カスと吟醸カスとがある。板カスはポピュラーでよく焼いて食べたものだが、吟醸カスはやわらかでしっとりとしており、これで漬けた奈良漬は酒の成分を含んでとても美味である。また今年の秋口から年末にかけて、酒カスのブームが来るのは間違いあるまい。今からその時に備えておきたい。今夜はしっとりとした奈良漬で夕食を楽しみたいものだ。

夏の便り

23年8月9日(火)
夏の便り

盛夏となり、あちこちから夏の便りが到着する。今年は3.11大災害に関するものが多い。死者への鎮魂と被災者への慰問の言葉は、今更ながら政治や行政の矛盾を感じさせてくれる。それらの便りに混じって故小野高治先生の奥さん(小野鈴子)からのものがあった。生前先生は、ゼミの教え子に、各年代毎の交流会を作ることをすすめられ、それがすべての年代を網羅する大きな組織に発展した。それが「おのが会」である。先生のお忘れ会の席上、「おのが会は永遠に不滅です」と誓い合った言葉を思い出す。先輩の善田正雄さんは古董商の老舗の出身であったが、松下幸之助に可愛がられて自宅へ足繁く出入されていた。その後日本洋画商の理事長を務められ、私にも数々の教えをいただいた。私以外に善田先輩に教えられた者は、その後同志社大学経済学部卒業生の会「同経会」の会長、そして全同志社のOBOG会の校友会の会長を勤めた巽悟朗(私の一級先輩だったがおのが会員ではない)がいる。彼はその後大阪証券取引所の理事長を務めたが、惜しくも死去してしまった。同志社大学や恩師小野高治先生にまつわる思い出は尽きない。青春時代のほろ苦い思い出や若気のいたりの失敗、夢への挑戦、そして挫折など次々と昨日のことのように脳裏に浮かんでくる。気が付いたら恩師の奥さんからの便りを手に持ったままであった。恩師にいただいた数々の言葉を今更のように思い出しながら、今日一日をまた有意義なものとするべく、決意を新たにした。

女性解放

23年8月8日(月)
女性解放

100年前に平塚らいてうの作った「青鞜」が発刊された。「元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。」で始まる女性解放宣言である。この言葉は、日本の女性にいかに大きな勇気を与えたことか。想像をはるかに超える影響を与え、今日の女性の地位が築き上げられてきたのである。今では女性達の地位も権利も実力も、世界トップクラスになってきている。
逆に最近では男性の中性化に対して、女性が強くなりすぎて草食系男性を肉食系女性が圧倒するケースが増えている。「青鞜」発刊100年を記念して、今年は各地で、元気な女性達が気炎を上げる企画が多いことと思われる。「女(め)どき」は平和の時代を象徴する言葉であるが、日本のこの平和がいつまでも続いてほしいものである。その為には諸外国の例のように、日本の政治リーダーに女性がならなければならない。首相としての人格と見識を備えた女性が現れることを待ち望んでいる。福井県の自民党県連会長の稲田朋美さんは、2回生ではあるが、私は彼女の将来を嘱望している一人である。

新幹線

23年8月5日(金)
新幹線
JR福井駅の東口に複合ビルの「アオッサ」が完成し、よく利用するが、その4階に福井市立桜木図書館がある。そこで医学関係の書物を3冊借りて出たところ、同じフロアで「北陸新幹線」に関するパネル展が開催されていたので、のぞいて見た。北陸新幹線が金沢止まりから福井そして敦賀まで開通した時の利便性がパネル上で説明されていた。
一番早くなるのが福井・長野で3時間短縮する。そして福井・軽井沢もそれに近い。福井・高崎と福井・大宮が2時間近く短縮され、福井・上越は1時間半早くなる。福井・東京は約1時間短縮されて、2時間半で到着できる。福井・富山間が45分早くなり、金沢までも25分、敦賀まで20分早くなる。新幹線が及ぼす経済効果は、今回完成した九州新幹線や東北新幹線を上回ることが予想され、一日も早い着工、完成を期待したい。北陸新幹線計画は、1970年全国規模での整備計画決定の後、1973年に決まり、1997年に長野まで開通、1998年上越まで着工、2001年富山まで着工、2005年金沢までと福井駅舎着工、2009年福井駅舎完成している。その間1973年決定以来38年が経過しているが、未だに完全開通していない。これを政治の怠慢といわずして何と言おうか。誠に嘆かわしい政治の現状である。人口減少時代を迎えて、交流人口を増やすことが地域の発展を促し、繁栄の源となる。
 私は秘かにJRに頼らず、高速バス等を活用した交流人口の増加策を練っている。しかし新幹線の完成が最もエコロジーな策であることに変わりはない。一日も早い着工を待ち望んでいる。

新しい国土軸

23年8月4日(木)
新しい国土軸

政治の迷走が続く中、国民のフラストレーションは益々高まっている。「何とかならないのか。」「復旧、復興を急げ。」という国民の声を聞いていないのかという苛立ちが政治に届いていないように思われる。そんな中で西川一誠知事の声を聞いて意を強くした。テーマは「ふるさとに夢と希望をそしてもっと活力を」ということであったが、時節柄少し変えて、「ポスト大震災の国土政策」から入り、「希望ふくいの創造」についての話となった。新しい国土軸を日本海側にという知事の考えには大賛成である。私は「日本海ベルトライン」を構築し、日本の内需を拡大し、世界経済の牽引車になろうという考えを以前から持っている。その一つのテーマが北陸新幹線である。お隣の中国の新幹線が事故を起こし、あっという間に再開通し、その処理のあまりの早さに驚かされた。これは悪い意味で驚いたのであるが、その前に、この新幹線建設のスピードの早さにもっと注目する必要がある。新幹線や高速道路は完成しなければその効果は大きく低下する。完成してこそ価値がある。日本の新幹線や高速道路は完成までに何十年もかかっている。これ程の無駄使いはない。明治維新後の鉄道網構築のスピード、敗戦後の新幹線、高速道路工事の進捗のスピードと現状を比較してみると、現在の日本の政治の貧困さに愕然とする。資金は殆どなかった頃の過去のスピードと、世界トップクラスの豊かさの中でのスピードが、なぜ逆転してしまったのか。答えは簡単に出る。バラマキ行政の弊害と政治家の使命感、情熱の欠如のせいである。政治家の猛省を促したい。そして新しい国土軸の完成が、一日も早くなることを切望する。

Hope

23年8月3日(水)
Hope
 「希望」についての考察があちこちで行われているようだ。福井県では「希望ふくいの創造」というテーマが掲げられ、県政の柱となっている。私の人生訓の一つに「夢が大きければ大きいほど、あなたの人生は大きくなり、志が高ければ高いほど、あなたの人生は崇高になる。」がある。「希望」という言葉の中には、実現の可能性が高いという意味があり、夢は少しそれより遠く、志はそれより少し高い感じがする。
 日本語は便利で、「希望」も「夢」や「志」と深く結びつけて考えることが出来る。あるいは置きかえて使うことも可能である。私は自分の人生訓を変えるつもりはないが、この「希望」という言葉が気になり、いろいろ調べてみた。そして東京大学の玄田教授が外国人を集めて「希望」「Hope」について議論して到達した一つの結論を教えられた。それは次の文章である。
Hope is a wish for something to come true by action.
「希望とは」との問いの中に4つのキーワードが含まれている。それはAction行動であり、Come true実現であり、Something何かであり、Wish意志である。私達は希望の青い鳥を捕まえる為には、この4つのものを明確にして一つずつクリアしていかねばならない。そうすれば希望は光り輝くのである。希望を持った新しい人生が始まるのである。

地域の活性化

23年8月2日(火)
地域の活性化

中心市街地の活性化というテーマで、ここ10年程真剣に取り組んできた。福井県という小さな県、そしてその県都福井市の中心市街地の活性化をはかる為に何をどうしたらいいのか、それを日本の知性といわれる方その意見を聞き、ディスカッションをし、福井の政治家、地元商店街の方々との交流を深めながらすすめてきた。活性化の第一の処方箋は「人を増やす」ことである。第二は「人を活性化させる」ことである。
「人を増やす」ためには、働く場を提供する、住む所を増やす、観光客を呼び込む必要がある。郊外型の住宅政策や商業施設の集積を再構築し、省エネ型のコンパクトシティを創造するのである。そして観光客を呼び込むのである。観光客をどこからどうやって呼び込むのか、これが大問題である。私はこのテーマを十年考えてきた。そして発見したのは福井の観光資源の多さ、豊かさである。素晴らしいものが数多くある。そしてそれらは非常にレベルが高いのである。まさに隠れた宝の山である。問題が一つある。難問題である。福井の人々は宣伝が下手である。宣伝しようとしないのである。この難問を解決すれば、人は集まってくる。そこで首都圏からオピニオンリーダー達を呼ぶことにした。初年度500人。いろんな方々のご協力を得て、この実現に努力したい。キーワードは「地図」と「カニ」と「そば」そして「隠れた観光地」と「酒蔵めぐり」である。これらのキーワードを結びつけて新しい観光の姿を創り出していきたい。福井の地酒は世界一であり、殆どの酒蔵が数百年の歴史と伝統の中に生きているのである。日本の宝、世界の宝を天下にしらしめていきたいと考えている。

青豆とうふ

23年8月1日(月)
青豆とうふ

福井県の嶺北、大野盆地の専業農家、帰山安夫さん、幸子さん夫妻が第60回全国農業コンクールでグランプリの毎日農業大賞に輝いた。夫婦で生産、加工、販売に取り組み、そのユニークなアイディア、そしてブランド力が評価されたのであろうか。私は「青豆とうふ」「青豆あげ」のファンで、売り場で見かけるとつい買ってしまう。大野には平成大野屋という第三センターの地産地消ショップがあるが、そこの人気商品がこのブランドである。平成大野屋の全国展開を大野市の岡田市長や店長にすすめているが、まだ実現していない。幕末に既に全国展開して多大な功績を残した「大野屋」を継いでいる以上、ぜひ実現の日を待っている。帰山さんに「なぜ黒豆でなくて、青豆なのか」を尋ねてみたところ、「青豆」という独特の名前をつけたかったとのこと。このあたりに成功の鍵があるのかもしれない。私のマンションには「オレボ」という店がある。オレボは地産地消の商品に力を入れているが、ここでも時々「青豆ブランド」を買うことが出来る。すぐ売れ切れになるので注意が必要だ。福井県民は「とうふ」「あげ」類が大好きで、私も同じで、健康長寿の秘訣だと信じている。
帰山さんご夫妻の努力には頭が下がる。努力している人の姿は誠に尊い。専業農家の本来の指針として、先達として若い人達に夢を与えてあげてほしいと切に願っている。大野から白鳥への街道沿いに帰山さんの専売所がある。