2013年01月のアーカイブ

感動を下さい

1月31日
感動を下さい
ブータンミュージアムを訪れる方は、憩いを求めたり、癒しを求める方が多い。長い方は1時間も2時間も見てまわっている。私は「語り部」の役目をひきうけて、説明をさせてもらっている。私以上にブータン王国をよく知っている方もいる。説明をしていて恥かしい事があったり、逆に大きな感動をいただくことがある。「ぜひブータンへ行きたい」「もう一度ブータンへ行きたい」「連れていって下さい」といわれる方々が多い。5月の連休明けに、8日間の「ブータンへの旅」を企画している。もう一度「感動を下さい」という方々のために、ない知恵を絞って「ブータンへの旅」のベストプランを練っている。

なぜなぜなぜ

1月29日
なぜなぜなぜ
「なぜだ」という追求を何回もくり返して行うのがトヨタ流である。これを5回くり返せといわれた。1980年のことだ。今から33年前。私の頭の中で、近江商人流の思考方法とトヨタ流のそれとが激しく化学反応をしていた頃のことである。問題の解決方法を見つけるには、その原因を追究するのが手っとり早い。トヨタ流はそれを5回くり返せば、問題の本質が見え、正しい解決方法が見つかるという。当然すぎることで何も新しいことと気がつかない人が多い。ところが実行する段になるとこの「5回」が効いてくる。4回目位いから、トヨタのこわさに気がつき出す。「5回目」のなぜにいく前に、問題が殆ど解決してしまっているのに気づかされる。それ以来私はトヨタ流の「なぜ、なぜ、なぜ」を5回くり返す問題解決方法を忠実に実施している。ありがたいことだ。

福井経済クラブ

1月27日
福井経済クラブ
上部団体のない社団法人「福井経済クラブ」がある。創立以来40数年が経過し、活動をつづけている。私で8代目の理事長である。今年の新年会は久しぶりに明るかった。メンバーの各氏の祝事が重なった。まず山崎正昭氏の参議院副議長就任が決まり、稲田朋美さんの行革担当大臣就任、そして畑孝幸氏の県議会議員の補選トップ当選の朗報がつづいた。クラブの会員から一挙にこれ程の慶事が次々と続くことはめったにない。更にアベノミクスによる円高、株高、金融緩和の実現である。今迄は何も決断しない政治、何も決定できない政治が続いていた。これを安倍総理の就任により、明るい未来が期待できそうである。
私は今年は「一年遅れで来た昇龍の年」と位置づけている。次回の参議院議員選挙までのお祭り騒ぎだという皮肉な意見もあるが、現実に株が動き、円が動き出している。低滞の長かったことを思えば、今年に期待する人々が多いのは当然である。福井経済クラブも号外の便りが出せる程新メンバーの加入をすすめていきたい。

ブータン王国からの便り

1月26日
ブータン王国からの便り
ブータンミュージアムをオープンして以来、全国各地から福井のブータンミュージアムを訪れるお客様がふえている。しかも目的地として訪れてくれている。休館日は毎週月曜日と表示しているが、目的地として遠方から来訪してくれるお客様を休館日だといって帰すわけにはいかぬ。中で仕事をしているとついつい扉を開けてしまう。聞いてみると遠方より来られたとのこと。先週も京都から僧形のお客様を迎えた。ブータン王国は仏教を国の宗教とする世界唯一の国である。その為、仏教関係者の来館が多い。幸福と信仰心の強い関連性を認識し、心が安らぐのを覚える。イスラム教やユダヤ教の信者が、自分達の宗教を信じるあまり、他の宗教の信者を排除するのを、毎日ニュースで見ていると、仏教の教えの深さ、愛情の広さを感じずにはいられない。今週もまたブータン王国の友人、向井純子さんから、世界仏教大会(インドAG県にて開催予定)に関する便りがあった。

ブータン王国への旅

1月26日
ブータン王国への旅
昨年4月から5月にかけて、生まれて初めてブータン王国を訪れた。行く前から予備知識を十二分に仕込んでいった。なにしろ訪問先がすべて標高2000m以上の高地なのだ。峠といわれる所でも3000mをこえる。白山や立山、富士山の日本三名山の項のあたりを毎日走りまわる旅だった。訪問した先はパロ博物館へ2回、ブータン研究所長ダショーカルマウラ宅、内務文化大臣ミンジュ・ドルジ宅、プナカゾン、ティプーゾン、パロゾン、そして伝統工芸学校、音楽学校、JICA事務所、和紙工房などを訪問した。ブータンミュージアムの展示品の収集についてはアマンコラホテル、ティンプーの骨とう店、洋装店をまわった。民族楽器(4種類)については音楽学校の校長に依頼。ダショーカルマウラにも協力依頼。
半年経ってから今一度ブータン王国への旅を反省してみると、ブータンは何と美しい国か、何とすがすがしい国かがよくわかる。快晴の日の空は青く澄みわたり、森林の緑の色が美しい。風は爽やかでどこへ行っても柔和な人々とあえる。子供も老人もニコヤカで、こちらもつい引きこまれて笑ってしまう。ブータンミュージアムをオープンして以来、来場の方々から是非行きたいと要望があり、今年の5月にツアーを組むことにした。今、JTBやブータン観光局と打合せをはじめている。
問合せはブータンミュージアム(tel、0776―22―0011)へどうぞ。 

新年会

1月25日
新年会
福井県の特徴なのか、それとも全国的なものかわからないが、かって各町内に町内会という地域の組織があった。今は自治会という。その自治会が新年会を行う。地域の人々が顔を揃え、年頭の挨拶をする。そして事業報告と会計報告を行う。私の会社は各自治会にコインパーキングがあるので福井市内の中心部の自治会にはすべて加入している。現在は加入が自由意思となっているので、参加してみると出席者は予想よりも少い。しかし地域の絆を強くすることで、「幸福」を実感できると信じている私は、この新年会に出来る丈顔を出す。先週は大名町の自治会と足羽山の愛宕自治会、今週は大手町の自治会に出席。久しぶりに顔をあわせる知人と楽しい一時を持てた。確かに絆を強めることで幸福を実感できる。ありがたい。

新しい時代

1月24日
新しい時代
グーグルは無料で商品を配付して、莫大な利益を稼いでいる。商品を特別割引してお客をひきつけさせる企業がある。また商品をサンプルとして無料で提供し、お客をファンとして囲いこむ企業もある。今迄の商品の常識では考えられない方法が、実行され、成功している。よく調べてみるとコンピュターのネットワークを活用した新ビジネスであるケースが多い。サービス業が第1次産業や第2次産業を大きく引きはなし、今ではサービス業の比率はどんどん上昇中だ。しかもコンピュター化がすすんでいる。昨年末には世界一のニューヨーク証券取引所(NYSE)が、創業12年の新興のネット企業、アメリカのインターコンチネンタル取引所へ身売りした。世界一の企業でも200年近い歴史と伝統を持った企業でも、時代の変革の大波には勝てないのだ。新しい時代をしっかり認識し、変化に、速やかに対応していく必要がある。どんな優良企業でも油断は出来ない。

世界の潮流

1月22日
世界の潮流
円高から一気に円安の方向に進み出した。しかしポルトガル、アイスランド、イタリア、ギリシャ、スペインの財政危機はつづいている。そしてアメリカの金融コングロマリットに対する放任主義、財政拡大路線も同様につづいている。かってイギリスポンドが世界の主軸通貨の座をドルにゆづったように、アメリカドルは約30〜50年かけて、主役の座を明けわたすのであろう。その時期が来ている。しかしあと10〜30年が残されている。ドルの次の主軸通貨として期待されてきたEUのユーロは、世界の金融危機の震源地として、その不安定さを露呈して期待に答られそうにない。日本円はここ20年間に逆に低迷期に入り、信頼がゆらいでいる。そして中国元は、共産党の一党独裁の幣が残り、共産主義とは似ても似つかぬ格差社会が出来上っていて、世界の不安の源となっている。元の交換比率がフロートしていないところにも大きな問題が残る。金はもはや巨大化がとどまらない世界経済の基軸通貨としての役割はムリだ。いくら考えても、かってのイギリスポンドやアメリカドルのような強力な通貨が見えてこない。現今の不透明さや、不安の元がそこにあるように思えてならない。現物経済の数十倍、数百倍にも巨大化させてしまった金融世界への反省がまず必要である。アベノミクスにより、円高が是正され、株価は久しぶりに1万円の大台にのった。自民党復活への期待は高まっている。

オバマ大統領が掲げた「変化」

1月20日
オバマ大統領が掲げた「変化」
挑戦を私達の会社は創業以来掲げている。「変化はチャンスだ。チャンスに挑戦しよう」とその言葉の頭の部分である「CHA」をとって、この「CHA」を社是、社訓としている。昨年福井県の西川一誠知事が連日のようにテレビニュースにとり上げられ、大飯町の時岡忍町長ともども注目されていた。迷走をつづける民主党政権の下、立地県の行政の責任者として、ぶれない発言とその主張は、今となっても信頼に足るものであった。
昨年7月末の知事の発言をもう一度思い起した私は、二度ビックリした。その時は6月29日に新幹線県内着工が決定し、大飯3号機は7月9日、大飯4号機は7月25日にフル稼働した直後である。原発の発電能力は118万KW時2基で236万KW時であるがその電力を活用して揚水し、水力発電を行うので実力は446万KW時となる。この能力を動かすことにより、日本経済の壌滅を避けることが出来たのを知っている日本人は少い。その直後の7月末日に西川知事は「転換期を飛躍の好機に」というテーマで「チャレンジ」の必要性とその中身に言及された。正に「CHA」そのものであり、深く感銘をした。その時の発言の重さ、正確さに二度ビックリしている今日この頃である。

過剰債務

1月19日
過剰債務
バブル時代の金融機関による過剰融資により、日本経済には大きく過剰債務が広がった。
国や県・市・町や第3センターの過剰債務の大きさは国際的に見ても異状に大きい。企業や個人の過剰債務はこの失われた20年の間にほぼ健全なラインまで戻ったようである。
特に個人の住宅ローンはアメリカのサブプライムローンのような緩い審査でなく、誠に厳しいもので、過剰感はなくなった。逆に毎年個人の金融資産はますます増えつづけている。デフレ時代といわれる中で、リスクをとる企業が求められる。資金を積極的に使う企業が必要なのである。デフレ脱出を安倍政権がすすめているが、リスクテーク出来る環境をつくらなければ、実現は危い。

あなた幸せですか

1月17日
あなた幸せですか
ブータン王国の人々は、貧しそうに見えるけれど、自給自足に近い生活をおくっている。だから精神の安定度が高く、悪いストレスがない。大らかな自然の中で生活しているので、皆さんが明るい。「こんな生活があったのか」と胸が熱くなった。
ないものは物々交換で手に入れる生活だ。面白いと思ったのは、標高3000mの所に住んでいる家族がいる。ヤクの放牧で生計を立てている。2000m以下の下界で農業を営んでいる農家がある。そのヤクの放牧の畜産家と米の栽培に力を入れている農家は何世代にも亘って、親戚以上のおつきあいをしているという。ヤクの油脂やほし肉を他の野菜や米と交換するのだ。正に生活の知恵である。家族以上のおつきあいだという。
ヒマラヤから吹く風が人間の心を清めてくれるのであろうか。
風の国という言葉がピッタリの国である。

社長になりたい人

1月12日
社長になりたい人
金もないが、就職もしたくない若者がふえている。聞いてみると社長になりたいという。福井市はそんな若者に独立開業のチャンスを与えている。そんな夢を持っている人の相談に乗っている。JR福井駅前の私達のエコライフプラザで私達は独立開業のスペースを提供している。市の補助もあり、独立のチャンスをつかむにはよい機会だと思っている。自営業は本人の努力次第で経営も安定し、立派な企業に育てると子孫への事業継承も可能だ。チャレンジする人に応援したいと思っている。

女性の活躍

女性の活躍
日本女性の活躍が目立ってきた。緒方貞子さんの国際的な活躍につづいて、世界銀行の副総裁を勤められた西山美恵子さんの活躍がきわだっている。先日国交省の観光庁を訪問した際に、元JALのCAをされていて現在ワインや日本酒のソムリエやコーディネーターをつとめている平出淑見さんの「SAKEから観光立国を夢見て」という小論文を渡された。日本酒を世界の檜舞台に押し上げようという趣旨。私の日頃考えていることとあまりにウリ二つで驚くと同時に、一緒に何かやれないかなと愚考を重ねている。最近特にそんな女性の活躍が目につき、喜んでいる。ブータンミュージアムを訪れてくる方々の中に高学歴の優秀な女性が多い。これからの日本をひっぱっていく最前線に立ってほしいものだ。
今回の衆院選で福井一区当選した稲田朋美さんが大臣に就任した。将来初の女性首相候補として県民の期待をあつめている。

ブータン政府観光局

1月10日
ブータン政府観光局
ブータン王国への興味がふくらんでいる。昨年ブータン国王ご夫妻が国賓として日本を訪問し、東日本大震災の被災地を慰問された。その爽やかな笑顔と暖かい優しい心にふれた私達日本人は、ブータンへの親愛の情を益々深めることとなった。その為か今年に入ってブータンへの日本人観光客が増加し、今年はアメリカからの観光客を追いこした。
ブータンの産業の第一は水力発電の電気をインドへ売っている。その次の産業が観光業である。世界でも珍しいほど自然環境に恵まれている。更に景観は独特であり、仏教を国教としているので、国民生活に宗教が深くかかわっている事に気付く。観光資源には事欠かない。
今迄ブータン王国にしかなかった「ブータン政府観光局」を本年早々より東京へ出すとの連絡をブータン政府から受けたのは1ケ月程前のことである。早速、ツジ・ドルジ・ナディツさん(日本の責任者)に逢い情報交換を密にすることとした。ブータンには前JTBの菅茜(すがあかね)さんがおり、いろいろ連絡をいただいていたが、ブータン人が東京に常駐するとのこと、心強い限りである。
ブータン王国が観光立国をめざして国づくりに精を出すのは当然のことではあるが、ブータンファンの私にとってはあまり急激な変化は、環境を破壊したり、文化遺産の維持に困難をきたさないかと心配している。賢明なリーダー達を思えば私の心配などは、取越苦労であろうと自らなぐさめている。

朝倉三代

1月8日
朝倉三代
日本の中世のまちがそのまま残っているのが朝倉家の本拠地一乗谷である。まん中を清流が流れ、その両側に山が狭っている。川上に土塁を築き上城戸、川下を下城戸と呼び、一見頑固な要塞に見える。この一乗谷が脚光を浴びている。加賀百万石の前田家がめざした文化国家は朝倉三代が築き上げた一乗谷、この小京都と呼ばれる朝倉遺跡である。一乗谷へは戦火で焼け出された遊芸の人々、公卿、僧侶など、数多くの文化人が、京都をはじめ全国から集ってきた。地中深く眠っていた数々の物証が、今掘りおこされつつある。文化国家をめざしていると、武力により征服されるというのは、歴史が証明する事実である。しかし武力は必ずまた他の武力によって滅亡させられるのも歴史が教えている。
私が興味を持っているのは、一乗谷で行われた茶の湯。後の茶道の原型である。千利休の佗び茶の隆盛の前の時代の「大名茶」、「書院での茶文化」である。朝倉三代(私は五代と呼び換えてもよいと考えている)がつくった一乗谷文化をひもとくことによって、新しい福井のめざす文化都市、文化県が見えてくる。人々が集う所、人を魅きつける所、それは文化である。

珍客万来

1月6日
珍客万来
ブータンミュージアムを11月17日オープン以来、殆ど毎日思いがけない珍客をお迎えすることが多い。
先日は、前インドブータン大使の堂道JICA副理事長をお迎えした。何の前ぶれもなく突然のご訪問であったが、オープン時に来賓として参列していただいて以来、約1ケ月ぶりにおあい出来た。
この他に、金沢大学の学生が卒論にブータンを選びたいと研究に来館した。栗原事務局長を交えて、種々な質問に応えた。
その日はインドのデリー大学の大学院を出た女性が、北インドの僧院で世界仏教会議が来年開催されるので日本からも招待したいとの伝言を持ってきた。永平寺と薬師寺の知人に問合せてまた連絡すると返事した。
渋沢栄一記念会からもブータンの紹介文を書いてほしいとのお申出をいただいた。
地元の新聞テレビ雑誌よりの問合せも多い。東京出張を除くと、私は毎日ブータンミュージアムにいることにしている。
刺激的な出会いが多く、楽しい時間を過すことが出来て有難い。

人間国宝

1月5日
人間国宝
国の宝は人間だ。しかも光り輝く人間よりも、この道一筋に研鑚を積み、一芸を極めた人を国の宝と呼びたい。この人間国宝が福井県は少ない。伝統工芸の永い伝統を持つ福井県としては誠に歯がゆいところである。
業界一名とかいうルールがあるとしても、業界の線引きの仕方でどうにでも変る。私は人間国宝の数を倍増することにより伝統産業は活気づき、若手作家は明るい未来を信じることが出来ると考えている。
そして近隣の石川、滋賀、岐阜の伝統工芸をめざしている人々を吸引する力にも成りうるであろう。
人間国宝を倍増すると同時に、伝統工芸士も大幅に増してほしい。福井県を日本トップクラスの文化県にするにはそれが早道である。
自民党代議士4名、参議院議員3名(山谷えり子さん)の方々が力を合わせれば事は成ると信じたい。

美意識

1月4日
美意識
江戸時代までに日本人の美意識が完成されていたという説がある。仏教は鎌倉時代に日本化がすすみ、芸能は安土桃山時代に独自の発展をした。源氏物語や枕草子は遥かに古く、日本家屋も平安時代に日本の風土にしっかりとなじんでいった。そして現代でも続いている「床の間」という一帖ほどのスペースの中に凝縮しているのが日本の美意識である。日本人の持つ繊細で、清潔で、質素な中に気品を感じるこの小宇宙には、掛軸がかかり、花が生けられ、時に香がたかれたり、置物が飾られている。それが最近では日本家屋からタタミや障子が消えていくと同時に、床の間や違い棚がなくなり、日本の美意識の象徴であり伝統文化の精華である掛軸や床飾りがない。明治に日本を訪れたフェノロサやブルーノタウトが絶賛した日本人の美意識を、もう一度思い起し、子々孫々とまで伝えることを、私達は忘れてはなるまい。