2013年10月のアーカイブ

リーダー

10月31日
リーダー
チームの成果を決定する要因は、チームリーダーの資質だといわれる。企業のリーダーは社長。県や市の場合は、知事や市長。燃える集団を作りあげられるかどうかが成果につながる。
福井県について考えてみたい。人口は43番目と少なく、都市へ若年層の人口流出が続いている。県内総生産は41番目とこれも低い。面積は34番目と人口の割に広い。自然が身近に感じられる快適な環境にある。1人当たりの所得は22番目と中位にあり、特殊要因を持たない県としてはかなり上位にあると考えられる。小・中学生の学力・体力はともに全国トップクラス。長寿の国でもある。古くから、越のくにの中心として繁栄し、伝統文化が県内各地に残っている。このすばらしい素材を生かして明日の福井県をどう作り上げていくのか。西川一誠知事の手腕にかかっている。現在の福井県の最大の特徴は「電力生産県」である。半世紀以上に亘って原子力発電のリーダーをつとめてきた。今、原子力発電は極めて難しい局面を迎えている。次世代型の自然エネルギーを求めるあまり、現状を無視した議論が横行している。国の方針が右往左往する中で、福井県は常に国の姿勢を問いただしてきた。電力消費地の知事が賛否の間を揺れ動いている中で、確固とした信念を持ち日々のエネルギー政策への批判をまげずに行ってきた西川知事のリーダーとしての資質を高く評価したい。東京オリンピックまであと7年、福井国体まであと5年、北陸新幹線は1年後に金沢駅まで開通する。そこから先が議論中だという。九州新幹線は鹿児島まで開通している。東北新幹線は青森まで開通。北陸だけなぜ金沢で区切るのか。私達の理解できない国の無策ぶりである。交通インフラは開通してはじめて、その効果を発揮する。西川知事の更なる活躍を期待したい。

よさこい祭

10月29日
よさこい祭
福井まつりが戦後の復興の中から生まれてきた。長い歴史の中で、福井の中心街を練り歩く戦国武将やその姫君(柴田勝家、お市の方、淀君、お江の方、お初の方の三姉妹)の行列から、最近では「よさこいイッチョライ」が祭りの中心を占めるようになった。市内を走る電車を停めての大イベントである。
先日ブータン王国から11名の若手、中堅の役人達が福井県を訪れて2週間の研修に参加した。そのウェルカムパーティーに「よさこいイッチョライ」のメンバー約25名の歌と踊りを披露した。大好評であった。僅か30分の短いショーであったが、ブータンの若者全員が最後の踊りに参加した。東京オリンピックの開会式のイベントに、この「よさこい祭」を再現したらいかがであろうか。現在福井県下で40チームがいる。全国では2,000チームはいるであろう。1チーム50人とすると、「よさこい」は10万人が歌い踊る一大イベントになる。北京オリンピックは多民族国家を象徴するマスゲームで幕をあけた。東京オリンピックは全国よさこい祭で開幕することを提案したい。

オリンピック

10月27日
オリンピック
東京オリンピック決定の報は、アベノミクスの第4の矢となった。思えば、前回の東京オリンピックは、戦後の復活をなし遂げた日本が世界に向けてその雄姿を見せる絶好の機会となった。1964年その時私は岐阜にいた。長男の誕生した年である。あの時、日本中が沸きに沸いた。それから半世紀経過した。今度の東京オリンピックまであと7年。私達は次のオリンピックに何を期待するのか、何を世界に向けて発信するのか。よく考えなければならない。世界のトップクラスの経済力、文化力、平和力、安定性を持つ日本である。世界のトップクラスの国民力(知力、体力、感性)を持ち、世界一の老人大国の日本である。トップクラスの緑化率、四季の美しさと共に、成熟した社会の安全、安心をぜひ伝えたいと思う。一風変わった異質な国と見られている日本が、人類の理想郷なのだと悟らせたい。
そんなオリンピックにしてほしい。平和を希求し、謙譲の美徳を失わず、いかなる困難に遭遇しても沈着冷静に、互いに助け合う日本の真の姿を世界に見せる絶好の機会である。前回は世界への発信という点ではマスメディアもネットワークも不備だった。今回は報道陣も選手達も観光客もすべての人々がリアルタイムに全世界に発信できる力を持っている。「世界一の観光大国日本」を築き上げる絶好の機会である。「世界一の平和大国日本」を世界の人々に見せる絶好の機会が、今到来しようとしている。世界中の優秀な人々が日本に来たくなるものを見せる必要がある。それは何か、カミオカンデか、小型ロケットのはやぶさやイプシロンか、それともIPS細胞か、地震研究か、私は水月湖の年縞研究所、世界唯一の縄文土器研究所、原発の廃炉研究所などいくらでも可能性があると考えている。これからの7年間を有効に使って日本から世界へ発信できるものを築き上げていきたいものだ。

キラリ会

10月26日
キラリ会
福井でキラリ会をスタートして早や7年が経過しようとしている。毎回スピーカーをお願いして、「福井の魅力」についてお話をいただく。思いのたけを開陳してもらうのである。福井県の勝山生まれ、東京からヨーロッパへ遊学され、そしてアメリカで10年のキャリアを積まれたケイテー株式会社の社長、勝山商工会議所会頭の荒井由泰さんにスピーカーをお願いした。羽二重から人絹そして合繊へ、繊維王国福井の変遷を聞いた。未だに繊維産出高日本一(人口割)の福井県のことはよく知っていたが、現代美術と福井県の関わりを知っている人は少ない。土岡秀太郎(北荘画会、北美文化協会)が前衛美術活動を旗揚げして、福井、勝山、大野等を舞台に活躍していた。全国からも、多くの芸術家が集い、福井に芸術の花が開いた時があったのである。岡本太郎、難波田龍起、橿尾正次(和紙)、北川民次、瑛九、池田満寿夫、靉嘔(アイオー)、元永定正など一流の人々であった。今から考えると信じられない程の有名作家達である。しかもその当時は、有名作家でも売れない時代だった。それを支援したのが、福井県のコレクター達だった。
版画をはじめ、数多くの名品が福井に残っているのは、間違いないところであろう。

役員会

10月25日
役員会
創業以来16年余りが経過した。初めて現役の取締役がガンで死亡した。名誉の戦死である。退職金の支給について取締役会で協議した。株式公開を果たす前の死亡であったがストックオプションの規定で相続できることになっており、上場が出来た時点で、使用可能となる。また古い社員は株式を持っており、これまた株式公開時にはひと財産となろう。霊前に株式公開への夢をひそかに誓いあった。その後の役員研修会で「創業の夢」を再度語りあい、決意を新たにした。幸い業績は上昇中であり、私達の夢への始動がいよいよ始まるのである。

人口爆発

10月24日
人口爆発
1972年の世界の人口は、35億人(ユネスコ発表)であった。2010年には倍の70億人になるとユネスコは予想した。実際は2012年に70億人を突破した。僅か40年で地球上に2倍の人間が住むことになった。人口問題が最も重要である。その事を正面から論じることがあまり少ない。2050年過には140億人に増える可能性がある。気候変動、資源枯渇、食料、水など多くの悩ましい問題の根本はこの人口問題である。ローマクラブ(1968年設立)の推計によると、世界人口のピークは2030年としていたが、少し怪しくなってきた。人口を抑制するものは、まず水と食料、そして環境である。人間は工夫をしたり、移動をするのでピークは少し遅れるであろう。いずれにしても2030年前後には、各国の人口問題を原因とする紛争が多発する。これを防ぐのは人間の英知である。人間の英知は「教育」を生み、教育は人口増に歯止めをかける。豊かさへの欲望が性欲への自制を生む。紛争を制止できるのは平和への希求の強さである。紛争の多発は同時に平和への希求を本能的に求めていく。人口減少社会の到来をなげく傾向が強いが、日本のあるべき姿は、先進国のあるべき姿は、人口減少社会をいかにキッチリと確立していくかである。人口爆発という人類滅亡の流れを止めるのは、それしかない。

幕末から明治へ

10月22日
幕末から明治へ
幕末の名君といわれた島津斉彬、山内容堂などと並んで福井藩主松平春嶽は大きな功績を残した。明治維新の最大の功労者である。ところが薩長の陰謀によって、明治2年以降徹底的に明治維新の再評価が行われ、明治中期以降は長州のみがかつての「平家」のように「長州」でなければ顕官なれないことになってしまった。もう一度幕末から明治への歴史の検証をしなければならない。福井市の郷土歴史博物館には、その資料がある。特に松平春嶽公やその周辺の人々の正式記録、日記等膨大な記録が残されている。この研究をすすめることで、明治維新の真の姿を明るみにすることができる。これは福井に住む私達の責務である。歴史は書き換えられなければならない。「地球日本史」の西尾幹二氏の意見とその行動に、絶賛を送っている私としては、正しい明治維新史の誕生を待ち望んでいる。そしてもう一つ、福井県には大野盆地がある。大野藩である。幕末に日本中に大野屋という藩直営の商店を展開した。今のチェーン店の元祖である。大型の帆を持った汽船を藩で購入し、樺太まで遠征し、幕府から樺太の海岸線を準領地として拝領している。更に大阪の適塾から校長を招き、蘭学塾を大野で開いた。幕末の蘭学の中心は福井県にあった。緒方洪庵の子も大野へ留学した。横井小楠、橋本佐内、由利公正など日本を変えた志士が福井にも数多く存在するのを忘れるわけにはいかない。

世界の救世主

10月20日
世界の救世主
1997年日本は世界各国への支援総額でNO.1となった。世界中の国々から支援要請が相次いだ。ピークとなった1997年までに、韓国や中国への支援は莫大な額に達していた。今でも世界第2位の名目GDPだと豪語する中国へは、最貧国を上回る支援が続いている。ロシア、中国、ヨーロッパ諸国が途上国に対して行っている支援とは比較にならないほどの巨額な支援を日本は実行してきた。これからも、1997年ほどではないにしても、アメリカに次ぐ経済支援、金融支援、人道支援が続くことは間違いない。
2012年の実質GNPは、未だにアメリカに次いで、日本が第2位である。今迄一度も中国に抜かれたことはない。そして今後10年先でも中国が実質GDPで日本に追いつくのは不可能である。何故ならこの20年間日本はデフレ下にあった。それに対して中国はこの10年間2ケタのインフレ下にあった。名目では追いこしたが、実質では遠く及ばない。安倍首相は国連の演説で、日本は今後「積極的な平和主義」を掲げて世界に貢献すると胸をはった。私はこの言葉が好きだ。積極的平和主義を掲げて、戦争のない平和な世界のためにブレない政策、強気の外交を続けていこうではないか。日本は世界第2位の強国としての義務と責任がある。軍事力のおどしにビクビクする必要はない。正々堂々と世界の模範になるような歩みを続けていこう。世界の人々の為に貢献する国になろう。

あと1店舗

10月19日
あと1店舗
福井市中心部の活性化と取組んで早や10年余りが経過した。フェニックス研究会に始まり、片町界隈の再開発の勉強会。そして3棟の分譲マンションの建設に着手した。3棟あわせて約70億円の投資である。その分譲住宅、店舗の戸数は住宅183戸、店舗7店他分譲車庫を含んでいるが、福井駅西口再開発の着工に合わせるようにここにきて、ほぼ全戸完売となった。逆風の中完売に努力した社員のおかげである。同時に、「時代の風」の影響がいかにビジネスに大きな影響を与えるかを改めて再認識した。構想時には完成迄に完売していたケースが多かったのである。今は残戸に対して見込客が何倍もおられる。正に日本の不動産市場が底を打ったのを実感せざるを得ない。金沢や富山の物件への引き合いが急に増えてきている。総資産100億円を超えていた私達の会社も、今月末で総資産が3分の2以下になった。資産リストラが進んで、あと2年余り先には実質無借金経営になりそうだ。

アントレプレナー表彰式

10月18日
アントレプレナー表彰式
名古屋でアントレプレナーの表彰式が行われた。福井県で2社が選ばれて出席した。アルペンの水野泰三社長を筆頭に、アクセレーティング部門6社、チャレンジング部門に6社、他1社の表彰が行われた。日本システムバンクはアクセレーティング部門で表彰された。表彰を受けたアントレプレナー諸氏の事業内容については、数多くの示唆に富んだところがあった。ユニークな発想が多かった。起業家としての特徴が随所に見られて参考になった。しかしそれ以上に感心したことがある。それは私が専売特許としている「利他の心」や「十方よし」を殆どの人が持っていたことだ。急激な成長を遂げるためには、「我田引水」では無理だ。「喜びの種、幸せの種を蒔こう」というように、「世の為、人の為に尽す」起業家が受け入れられる。起業家を受け入れる土壌は日本にないといわれていたが、困難を乗り越えて成功している人々を見て意を強くした。「利他の心」が起業家の基本姿勢でなくてはならない。起業家を待ち望んでいる人々も、多くはないがいることはいるのを知って安心した。またアクセルを踏む季節が来たようだ。

そよ風の中の私

10月17日
そよ風の中の私
若い頃ゴルフ場の脱衣所の窓際で、湯上りの身体のほてりを冷ますため立っていると、そよ風が吹いてきた。何と気持ちのよい風だろうとそれから何度も同じ場所に立ったことを思い出す。今年の夏は猛暑ということだが、風の弱い日が多い。いつもは少し窓を開けただけで勢いよく入ってくる風が、今年は無風状態に近い。そして蒸し暑い。お盆を過ぎても37℃と暑い。窓を開けてソファに横になってみた。肌着だけで寝てみたところ、そよ風が吹き出した。ゴルフ場の風を思い出した。そよ風の中の私は、気持ちのよい眠りに誘い込まれそうだ。無上の幸せを与えてくれる。こんな小さなことに、これ程の喜びや幸せを感じる。幸福は私の心の中にあるとしみじみ思う。感謝。

地球温暖化

10月15日
地球温暖化
1000年に一度の大震災、大津波に日本は揺れ動いたが、今年の暑い夏はまた異常としかいいようがない。アメリカ南部のサイクロンが年々大きくなっているといわれているが、日本の台風や竜巻も強くなっている。集中豪雨に至っては、度々各地で頻発している。福井県は初の特別警報(すぐ避難せよ、命の危険あり)が発令された。テレビはつけっぱなしで、情報が刻々発表された。丁度ブータン王国からの研修生11名を預かっていたので特に心配をし、全員ホテルで待機させた。幸い無事に終わったが異常事態が日常化しているのを感ずる。温暖化の原因はメタンガスや二酸化炭素を人間が地球上にまき散らしているからだ。原発全面停止という、思考停止を敢えてした民主党にも責任がある。福井県は原発と仲良く付き合って40年以上にもなる。原発反対運動とのお付き合いも古くからだ。新エネルギーの研究開発も早かった。私は19年前に福井県ではじめて「太陽光発電研究会」を立ち上げた。その後ハイブリッド発電機を全国各地に設置して「太陽光発電と風力発電」をPRして歩いた。今やっと世間がその重要性、必要性に気付いてくれたようだ。

日本はなお世界のトップレベル

10月13日
日本はなお世界のトップレベル
エズラ・ボーゲル教授(ハーバード大学)が著したのが、1979年の「ジャパンアズNO.1」で大ヒットした。当時は世界NO.1のアメリカを1人当りで抜き、総GNIでも6割そこそこに肉薄していた。今は少しトーンダウンしているが、他国と比較しても大きく落ち込んだわけではない。犯罪も、汚職も少なく、平均寿命が長く、義務教育の水準は高い。製造業の品質管理のレベルは他の追随を許さない。米・ロ・中が競っている軍事面はさて置き、国力の点では、ヨーロッパの四強英仏独伊を全く寄せ付けない高みにいる。勿論ロシアはそれ以下である。中国がGNIの総額で日本を抜いたが気にする必要は全くない。1人当たりでは10分の1の低レベルである。
私達が注意しなければならないのは、まず正しい現状認識をすることだ。世界の三等国になり下ったようなマスコミ報道をうのみにしてはならない。世界トップクラスに未だにとどまっているのだ。注意すべき点はスピードの欠如である。意志決定の遅さ、インフラ整備の工程の遅さは一等国としては誠に恥かしい。若者の意欲の欠如も心配だ。JICAの海外青年研修者の応募が少ないとのこと。グローバル時代を迎えて世界をリードする若者を育てたい。優秀な若者をブータンミュージアムに集まってもらい研修をする場を作りたい。

老人天国

10月12日
老人天国
高齢化が進んでいる。2010年には65歳以上の老人の比率が23%となった。世界で最も多い。2060年には40%になりそうだという。老人という概念を変える必要がある。65歳以上でなく、80歳以上を老人と呼ぶことにしよう。私の同級生は、全員76、77歳となり、まだまだ元気で頑張っている。引退した友人も多いが、現役の友も多い。医師、弁護士、会計士などは生涯現役だ。個人事業者、企業の役員もオーナー系は働いている。また、大企業を引退後に、コンサル会社を興したり、ボランティア活動の中心として活躍している友がいる。生き生きと生きている。日本は世界一の老人天国なのである。生涯現役が、私達人間に課せられた使命であることを、忘れてはならない。それを世界の人々に知らせることが日本人の21世紀の義務かもしれない。

どこへ行くニッポン

10月11日
どこへ行くニッポン
約40年前から、合計特殊出産率が2.1人以下で推移している。少子化が急速に進んでいるのだ。2010年の平均初婚年齢は、男性31歳、女性29歳と晩婚化が進んでいる。婚姻率は減少し、離婚率が上昇している。単独世帯が増加し、2006年以降トップになり、更に増加している。子なし夫婦の世帯も、確実に増え続けており、これ等はすべて少子化の原因である。
生涯未婚率は、ここ20年来増加しだした。特に男性がひどい。男性の2割以上、女性の1割以上が結婚しないのだ。
私達は「一人扶持は喰えなくても、二人扶持は喰える」といわれて、結婚すれば何とか生活できると教えられた。結婚すれば、助け合う心が芽生える。すぐ子供が生まれる。そして子育てに夢中になる。すべてがうまく回転していく。一人でいると孤独になる。社会への適合がうまく出来なくなる。不安が増す。ろくなことにならない。婚活がいわれ出しているが、結婚ビジネスも先行き厳しいようだ。しかし、今ここで婚活に真剣に取り組まなければ、日本の未来は誠に暗い。私は分譲マンションに住んでいるが、おひとり様が多い。お互いに声を掛け合って、挨拶をするよう心掛けている。まごころからの挨拶である。心のこもった挨拶である。

日本の存在感のピークは1990年

10月10日
日本の存在感のピークは1990年
1970〜1980年代は先進国の成長率が圧倒的に高かった。特に日本のGDPは1970年ドイツと肩を並べていたが、1990年には1.8倍と大きな差をつけた。対アメリカも1970年の5分の1から、1990年には半分以上に接近し、1人当りGDPではアメリカに並んだ。日本が「アズNO.1」といわれた黄金時代だった。その後日本はバブル崩壊という政策ミスによる低迷を強いられた。しかし、悲観する必要はさらさらない。現在でも実質GDPは先進国中、絶対の第2位を堅持している。中国が名目GDPでアメリカに次いで第2位になったが、日本が1970年から1990年にかけてバブルを経験したように、中国ではそれと同じことがおきている。今後の対応が注目されるところである。台湾、香港、韓国、シンガポールはかつて4タイガーズといわれ、日本と同じように急成長をした。そして今なお先進国を上回る成長が続いている。この努力には敬服せざるを得ない。アジアの明日をリードしていくのは、日本と中国、そして4タイガーズと、今後大きな成長が期待できるインドである。私はインドに注目している。

大きな計算

10月8日
大きな計算
ディズニーランドの近くに住んでいた。千葉県の企業局が三井不動産と取組んだ東京湾岸開発が進み、海浜幕張の駅前に第3セクターのビルが建った。分譲ビルの17Fの1室に陣取っていた頃だ。その過大とも思える土地投資を見ていて、ディズニーランドの成功を調べたくなった。何故これ程の大きな投資(1,000億円程度)が成功したのか。そこには大きな計算が隠されていたのである。千葉県も三井不動産も京成電鉄も誰も土地を所有していた訳ではない。勿論漁民もである。埋立地という海上の土地約260万坪の所有権を売買したのである。売ったのは千葉県と漁業組合、買ったのは三井不動産と京成電鉄の合弁オリエンタルランド。そして1975年にディズニーランドが完成した。その時私は社命によりアナーバーのミシガン大学に留学中であった。まだ京葉線が開通する前で、ディズニーランドへは浦安駅から直通のピストンバスが出ていた。大きな計算が行われたのである。ディズニーランドが成功した最大の理由は、購入した埋立地が260万坪。ディズニーランドの敷地が115万坪。漁業組合への補償18万坪(1,800人の漁業権/人100坪)。残った土地が127万坪。坪50万円としても6,350億円の評価の土地を手に入れたことになる。オリエンタルランドは、この土地へ少しずつホテル業者の進出を促して、仲間を増やしていったのである。
もう一つの成功要因は、ハードネゴシエーションだった。本場のディズニーランドとの交渉を最後まで粘り、条件面で一歩もひかなかった。そして大型駐車場を用意したり、第一生命等の協賛企業を取り込んだりと、優れた経営戦略に裏打ちされていた。毎週の花火も今では珍しくはないが、開園当時は夢のようなイベントであった。人々に夢を売る仕事を間近で見ていた私はそこから多くのことを学んでいたのである。

あきらめるな

10月6日
あきらめるな
スーパーヒット商品となった数々の有名商品の誕生秘話を調べてみると面白いことに気が付く。例えば、任天堂のファミコンである。最初は全然売れなかったそうだ。そこでソフトメーカーにファミコンを無料で配り、ゲームソフトを作ってもらう努力をしたとのことである。一つ間違えばヒット商品にはならなかったのである。あきらめずに種々と工夫し、努力をしたのでスーパーヒット商品となった。あきらめないことが、いかに大切かを思い知らされる。ソフトバンクや大塚製薬が、無料でサンプル商品を大量に配布したのも、販売戦略である。売れない商品を何としても売りたいとの執念が大ヒットにつながった。「あきらめない」ことが「スーパーヒット」につながる可能性が大きいことに気付かなければならない。私は途中であきらめてしまったことがあまりに多く誠に恥かしい。

自助努力

10月5日
自助努力
日本人はお上意識が強く、あらゆる事を国を始め地方公共団体に依存する傾向がある。物事がうまくいかないとつい不満が出る。愚痴が出る。責任の転嫁である。自分がやるべき事まで官や公に依存する体質は誠に困ったことといわねばならない。「神は自ら助ける者を助ける」との言葉があるが、自助努力が成功への近道である。自分の足で立ち、自分の足で歩く。これ程当たり前の話はない。自信を持って一歩前へ。失敗を恐れず一歩前へ。自分で一歩を踏み出さなければ、何の変化も生まれない。

1人当たりGDPの比較(人口500万人以上)

10月4日
1人当たりGDPの比較(人口500万人以上)
スイスが断トツの1位で1人当たり8.8万$/年(800万人)である。2位オーストラリア6.5万$/年(2,300万人)、3位デンマーク6.2万$/年(560万人)、スウエーデン6.2万$/年(950万人)、カナダ5万$/年(3,500万人)、オランダ5万$/年(1,700万人)、フィンランド4.9万$/年(540万人)、シンガポール4.9万$/年(530万人)、アメリカ4.9万$/年(3.2億人)、ベルギー4.8万$/年(1,100万人)、日本4.8万$/年(1.3億人)、ノルウェー4.5万$/年(500万人)、ドイツ4.5万$/年(8,300万人)、フランス4.4万$/年(6,400万人)、イギリス3.9万$/年(6,300万人)、イタリア3.6万$/年(6,100万人)と続く。日本は11位である。このランキングで特徴的なことが2つある。1つは世界中の資金(富)を集めている国のGDPが高いこと。それはスイス、オーストラリア、カナダ、アメリカ、シンガポール等富裕層が移民として入国したり、預貯金をプールして投資を受入れしているからである。2つ目の特徴は、北欧4ヶ国が共通して高いレベルを維持している。この理由は高税率により貧富の差をなくし、高負担高福祉社会を築き上げているからである。勿論少ない人口(平均640万人)によるところも影響しているのは事実である。

ジョーク

10月3日
ジョーク
日本人はシャイだとよくいわれる。私もシャイで、幼い頃から人見知りをし、人の後にかくれて、眺めていることが多かった。人前で話が出来るようになったのは中学生になった頃であろうか。大学に入り、親元を離れて、一人で暮らすことになり、やっと自主自立に目覚めた。新島襄先生のおかげである。国禁をおかして夜の海へ小舟で漕ぎ出した先生の勇気に励まされた。アメリカ人とつきあうようになってジョークをいわれてよく戸惑った。日本人同士では考えられないようなジョークを、アメリカ人は多用する。私はいまだにこのジョークを使うのが苦手である。よく観察していると、アメリカ人は事前にいくつかのジョークを準備している。場所とタイミングを見ながらジョークを上手に使う。何度も使うことで使い方もうまくなる。何事も経験を積まなければ上手くなれないということだ。

エネルギー効率

10月1日
エネルギー効率
エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本は、1973年の第一次オイルショック以来、懸命のエネルギー効率の向上運動に邁進した。そのおかげで現在日本のエネルギー効率は世界の首位に立っている。しかし総発電量の25%の能力をもつ原発が稼働を休止している状態では、エネルギー効率の向上はもはや難しいといわねばならない。まして各地でシェールガスの開発が進み廉価なエネルギーが各地で使用されるようになるとなお更である。そこで、かつての電電公社や郵便局が市場を独占していた頃を思い出してみよう。遠距離通話料や郵便料金が当時は非常に高くついた。現在ではソフトバンクや宅急便のおかげで、競争原理が導入された。今は世界的に見ても高くはない。電力業界への競争原理の導入をはかる必要がある。同時に蓄電技術の開発が重要である。夜間電力を活用すればエネルギー効率は大幅に良くなる。リチウムイオン電池などの開発と同時に蓄電方法の開発を国家プロジェクトとして進めていく必要がある。