2014年01月のアーカイブ

隣国中国の問題点

1月29日
隣国中国の問題点
西側の資本を導入し、「社会主義市場経済」を推進してきた中国は20年間の発展を経て今危機を迎えつつある。等身大の中国「中国最新事情」が各方面で特集になったり、講演会が開かれている。私の中国観とは多少差があるが、問題点として参考になることが多い。問題点をまとめてみると…。
1.法の未整備。民法、商法、会社法、証券取引法、破産法、金融制度の詳細な取決め等が乏しく、トラブルの原因となっている。報道規制が強化されている。
2.五大商業銀行は国有大企業中心にしか貸出しをしない。民間企業は資金を豊富に持つ大企業から借りている。陰の銀行と言われているもの。元本・利子の返済などを義務付けられているかどうか疑問。利率は30%/年と高い。
3.商道徳、企業間信用などは乏しい。知的財産権はないに等しい。サイバー攻撃等を平気で行う意識が強く残っている。弱者救済制度なし。
4.光と陰の明暗がはっきりしている。大格差社会が出来上がっている。生存競争に参加できる人はごく僅かである。少数民族チベット、ウイグル、モンゴル、朝鮮系、山岳民族等は、弱者として省みられることが少ない。殆どの農民もそれに近い差別に悩んでいる。大都会は高層ビルが林立し、郊外のマンションも立派であるが、共に空室が目立つ。
5.環境汚染問題が深刻。北京、上海、重慶、大都市、工場地帯など汚染が広がっている。目が痛い。PM2.5の影響だ。日本列島、韓半島にも影響が出ている。水質汚染も深刻で、飲料水が危機にひんしている。食の安全が云々されており、鳥インフルエンザには今後注意必要。ゴミ処理については制度が未整備である。
6.統計の不備。毎年軍事費が15%前後ふえつづけている。外貨準備高3.8兆ドルと発表されたが実際はずっと少ない。日本の1.2兆ドルより少ない?GDPの半分は外国資本が稼いでいる。国営放送や統計等の信ぴょう性が疑われるケースあり。要注意。
以上の通り、問題点を数多く抱えているが、平和的な友好の民間交流が長く続いており、更に交流を深めることにより両国間のわだかまりを解消したいものである。

人間

1月28日
人間
ETT創業支援機構の電子ニュースレター第62号の青木初夫氏(元日本製薬工業協会会長)のレポートを読んだ。
私達は60兆個の細胞から出来ているという。1個の細胞は23対の染色体を持っている。染色体は2万個以上の遺伝子情報を持つデオキシリボ核酸(200mの鎖状)である。1人の人間の血管の長さは80km、生体膜は200エーカーにも及ぶという。脳は140億個の神経細胞を持っている。頭の良い悪いで悩む人が多いが、個体差はあまりない。いやそれ以上に地上のすべての生命は「遺伝子」によって、設計情報が保全され、核酸、蛋白質等の生命プロセスを支え、生命の表現である体勢、身体の物質的構成が維持されている。この基本的なオペレーティングシステムが同じであるということは、地球上のすべての生物は親戚だといえよう。輪廻転生の仏教の教えが身近に感じられてくる。広大な宇宙の状況を思うと同時に、ミクロの世界もまだまだ謎が多いことに気付かされる。

幸福度日本一

1月26日
幸福度日本一
いろんな指標がある。ブータン王国のGNHの指数、福井県の希望学の指数、坂本光司教授の日本で一番幸せな県民の指数などが有名である。今回発表されたのは、シンクタンクの日本総研(寺島実郎理事長)の2014年版である。60の指標によって全国47都道府県の幸福度をランク付けした。その結果、福井県が前年の3位から1位に躍進した。区分は基本、健康、文化、仕事、生活、教育と追加にわかれており、福井は文化分野(38位)が下位になっているのと、基本(14位)健康分野(17位)が中位にいる以外は、昨年に引続いて仕事と教育で1位を獲得している。福井の人々が更に幸福を実感し、地域の絆を強くし、しっかりと家族を守っていってもらうことを期待したい。人類はみな家族であることを知らねばならない。私達のブータンミュージアムは世界一幸福を自覚するブータンの人々の生活や文化、宗教を紹介するとともに、交流をはかる事業を行っている。3月20日はブータンが提唱し、国連が制定した「世界ハッピーデー」である。3月21日に「幸福に関するシンポジウム」を計画している。ブータンファンや幸福に興味のある方々の参加を希望する。入場無料。

エネルギーのムダ

1月25日
エネルギーのムダ
「もったいない」思想を掲げて、17年前に会社を設立した。遊休資産の有効活用のためのハードとソフトの融合を目指すシステム開発をする会社である。土地やビル、マンションの資産効率を高める為の回転率アップを行って、優良資産にかえ、世の中へ送り出す仕事である。幸福を世間に播き広める仕事、即ち「喜びの種、幸せの種を蒔こう」を使命としている。私達にとって、20世紀以来の人類の動きは正に不遜の一言に尽きる。人類は生きとし生けるものの頂点に立つべき生物である。その最高の生物が、他の生物の模範となることなく、自分ひとりが地球上のエネルギーをむさぼっている。現在私達が浪費しているエネルギーは果たして人類のものなのか、いやそうではあるまい。それは地上のすべての生命の為に何億年もかけて少しずつ使われるべきものである。それを私達は、誰の許しも得ず、僅か百年、2百年で使い切ろうとしている。今やるべきことはエネルギーのムダの排除である。根本的な見直しを行うべき時だと思う。かけ声だけでなく、省エネを実行に移すことだ。それは人類の使命である。

医療の進歩

1月24日
医療の進歩
ブータン王国との交流が深まり、先般ブータン王国のティンプー中央病院の医師(福井大学医学部卒)から救援依頼が来た。2000年にブータンの医療の大改革と、医療機器の調達と医薬品購入の資金カンパの為、ブータン全土から医療関係者が集まり、その先頭に政府高官達が立って、ワンデュポダンから首都ティンプーに向かって大行進が行われた。その資金が枯渇しようとしているので、再度第2回目の大行進が行われたのである。前回は世界中から支援の手が差しのべられた。今年の結果はまだ聞いていない。ロータリークラブの交流を通して、支援のお手伝いをしたいと考えている。ただ自分の微力を考えると、やりたい事の万分の一も出来ないことが誠に情けない。反省しきりである。

繊維産業

1月22日
繊維産業
かつて繊維王国といわれた湖国近江、そして福井県、石川県は今なお繊維産業に携わる者が多い。特に福井県は人口割で見ると日本一の産地である。私の友人も繊維業が多い。世界を見ると、最大の生産国は中国になってしまった。バングラデシュのジュート以外、綿花、綿糸、綿織物、化繊、再生、合繊等は中国が1位を独占している。最近「チャイナプラス」の言葉が取りざたされるようになり、インド等のアジア諸国への工場新設が始まっている。海外リスクには常に最新の注意が必要なことは当然である。繊維産業における貿易の世界シェアを見てみると、EUが約3割。中国・アメリカが約1割3分、日本、韓国、台湾、インド、パキスタンがそれに続いている。先進国は輸入が輸出を大きく上回って入超となっている。最近、頭打ちになっている韓国や台湾の産業にかわり、インドの成長が著しく、インドは中国のライバルになってきた。日本の産地の生き残り策はEUに学びたい。高級品やブランド化、オリジナル品の輸出にもっと力を入れなければならない。

ブータンの魅力

1月21日
ブータンの魅力
来館した方々の質問は二つある。ブータンの魅力は何ですか。なぜ福井に造ったのですか、である。簡単なようでこれ程答えにくい質問はない。アフリカ、アジア、南北アメリカ、太洋州の殆どの国々が植民地化された中で数百年もの間独立を守ってきたヒマラヤの小国、そこには幾多の困難を乗り越えてきた歴史がある。一言でいえば信仰心。それを固く守り育てた地域と家族の結束があった。一部の放牧民と多数の農耕民との堅固な関係も見えてくる。それ故に自然との濃密な関係が生まれ、育てられ、継承されてきた。外界との断絶も一つの条件だったかもしれない。訪れてみると自然界の生物多様性に驚く。未知の鳥、草花、昆虫等の発見が相次いでいる。北のヒマラヤ連峰の7,000m以上の山々から、南の標高200m以下の亜熱帯ジャングルまで、国土はタテジマをなす河川が、何億年もかけて作り出した山岳国家である。この魅力は自分で探すのが一番だ。自然の美しさも最高、私は人々の暮らしぶりに何ともいえないノスタルジィを感じる。癒されるのである。日本への帰国の日が近づくに従ってなお帰りたくない思いが膨らんでくる。不思議な国である。福井との関係は次の機会に譲ろう。これまたご縁があるのである。

東京の講演会

1月19日
東京の講演会
日本ブータン友好協会の年末講演会に参加した。先般の私達ブータンミュージアムの1周年記念イベントやJICAプロジェクトへの協力のお礼も兼ねて、妻と2人で出席した。地球の広場で朝10時から夜8時までの長丁場である。年に数回東京で行われるが、毎回必ず出席することにしている。ブータンというヒマラヤの小国と東京という世界最大の都市との相性の良し悪しは別として、日本とブータンの友好に果された多くの会員の諸先輩のご努力に心からの賛辞を送りたい。福井県では3年前の国王ご夫妻の来日に合わせて知事が親書を奉呈し、その返礼としてダショーカルマ・ウラ氏が来福、知事と友好交流の覚書を交わし、ブータンミュージアム設立を私からお願いして折返しブータン訪問、大臣以下のご了解をいただいてブータンミュージアムを福井でスタートした。以来1年有余、展示品も諸先輩からの預託が相次ぎ、みるみる充実してきた。来館者からは驚きの声が上がるようになってきた。交流も盛んで私達が2回の訪ブを行うと共に、カルマ・ウラ氏が2回来福、ブータンの少年グループ、ブータンのGAO11名の研修、またJICAのJOCV、SVのOBの皆さんが入れ代わり立ち代わりおいでになっている。ブータン研究家やブータンへ行きたいという観光客の来館も多い。今年は更に趣向を凝らして、ブータンの魅力、福井の魅力そして幸福や希望の追求を通して、世界平和を確かなものにしたいという私達の夢の実現に取り組んでいくことを誓いたい。福井県の西川一誠知事が昨年末にブータン王国を訪問したとの新聞記事が発表になった。ブータンと福井県の交流がますます深まることを強く望みたい。

家族の絆

1月18日
家族の絆
核家族化がすすみ、現在の日本は「お一人様」が最も多い世帯となった。私はマンション経営を行っている賃貸住宅経営者協会の役員を長年勤めさせていただいた。最近の入居者の方々とのトラブルが増えているのは、孤独による精神的不安の増大である。親類縁者がいないわけではない。しかし面倒を見たがらない。家族の絆は一体どこへ行ってしまったのだろう。地域で面倒を見たかつての良風はどこへ行ってしまったのだろう。今はまわりの人々も何とかしろと他人や国へ文句を言うだけで手を貸そうとしてくれない。私はブータン王国との交流を通じて、家族の絆の強さ、地域の絆の強さがいかに「幸福の実現」に大きな影響を与えるかを身をもって実感させられた。日本の現状は危うい。家族の絆をもう一度しっかり見つめなおす努力をしていきたい。

先行き不安

1月17日
先行き不安
社会をリードするはずのマスコミの論調がいつも気にかかる。社会の恥部にふれたり、悪いニュースの取り上げが多すぎる。私が特に問題視しているのは、「先行きに対する不安感」をあおる報道が多いことである。先のことは誰もわからない。神のみぞ知るというのが未来である。その先のことに、明るい希望を抱きつつ、日々を送るのと、反対に悪い結果を予測しつつ生きるのとでは、人々の心に大きな差を生む。不安社会を演出するのは、決していいことではない。政治にも問題がある。所得の再配分政策の失敗、雇用の不安定化をもたらした失敗の数々、困窮者への支援不足、セーフティネット不備等、先進国の多くの国で行われている政策が日本ではまだ実現していない。宗教家にも問題がある。戦後日本のインテリの間で無宗教が流行した。それを放置した宗教家に重大な責任がある。宗教心をなくした民族が繁栄した歴史はない。教育の根幹には道徳心や神仏・自然への信仰心や畏敬の心が必要である。医療関係者にも新しい病気や精神疾患への対応をしっかりやって頂きたい。健康維持への貢献がまだ不足しているように思う。不安を取り除くことへ最も近い位置にいる人々の発奮をうながしたい。

山崎参議院議長祝賀会

1月15日
山崎参議院議長祝賀会
福井から初の参議院議長が出た。私達の友人山崎正昭君である。彼は大野市議、福井県議から故熊谷太三郎先生の推薦で参議院に初当選以来20年余にわたり国政にたずさわり、今日の栄誉を受けられた。三権の長である。福井県下の三権の長は、杉田定一、岡田啓介、福田一諸先輩に続く4人目の快挙である。3000人の参会者の下、盛大に祝賀パーティが開催された。その日山谷えり子参議員が東京から来る途中、私の事務所を訪れてくれた。現在ODA委員長をしているので、先般ブータン王国を訪問したときの結果をお知らせいただいた。国王にも会えたとのことで写真を持参された。館内をつぶさに視察してもらい、ODAからの支援をお願いしたが、ブータンは他の国と全く違って、余分な支援は必要ないといわれたとのこと。ブータンは2020年には世界からの支援を卒業し、自立したいと五ヵ年計画に盛り込んでいる。先日の東京での講演会の話とぴったり一致し驚いた。農業機械の支援や農業技術の移転を希望しているとのこと。今後の交流に生かしていきたい。パーティ会場でもまた再会し、更なる指導をお願いした。森元総理を始め多数の要人が出席されての大祝賀パーティであった。

まちづくり

1月12日
まちづくり
県都デザイン戦略に関する動きが活発になってきた。まちづくりが駅西再開発ビルの着工により、背中を押される形で、いくつかの案件が具体化している。福井にはすばらしい宝が一杯である。福井城跡とその周辺、西武百貨店周辺、足羽山足羽川界隈は魅力的な景観を形成しているが、建築物はほとんど50年程度経過しており、老朽化が進んでいる。知恵を絞るとよい発想が生まれるといわれているが、大規模開発が考えられないかと思案が続いている。福井城の山里口御門の復元整備が始まっているが、金沢城跡の大規模開発とは比較にならない。更に本腰を入れた開発を望みたい。衆知を集めた、イニシアチブをとる為の新企業の創設に取組んでいる。2015年にはスタートしたい。

精神疾患

1月11日
精神疾患
DNA解析が進み、精神疾患に関する知識が新しい段階を迎えるとのことである。経済的に世界のトップクラスにまで駆け上ったけれど、精神面で問題を抱えている人が増えてきた。不安をあおる不安定な世相の中で、若者や老人など弱者に対する風当たりがきつい。ストレス社会の中で、明るく伸び伸びと生きることが大切である。毎日の生活の中で、難病患者や精神疾患の方をよく見かけるようになった。そういった方々への温かい支援の手を差し出せないかと思い、ブータンミュージアムの中に「難病支援の募金箱」を置いている。設置して早や1年近くが経過するが、まだ募金箱は一杯にならない。

貪るな

1月10日
貪るな
欲望に火がつくことがある。そうなると、その火を消すのは大変だ。
欲に目が眩んでしまう。ほどほどに自制することが大切だ。企業にとって、目標を立て、それに向かって全社一丸となって突き進むのは当然である。ただ、その途中で立ち止まって、進むべき方向が間違っていないかどうかを検討せねばならない。目標が時代の要請からずれていないか、社会正義に反していないか、周囲に大きな迷惑をかけていないか、資源の無駄遣いをしていないか、等々、チェックすべき項目はいくつもあろう。大切なことは、「貪るな」である。自分が強い立場に立ったとき、自分が成功したとき、自分が目標を達成したとき、自分が賞賛されたとき、そんなときこそ、心して己を戒める必要が出てくる。貪るな。ほどほどにせよ。

長浜のまち

1月9日
長浜のまち
師走に入り、長浜のまちを度々訪れることとなった。長浜の「まちづくり会社」が私の旧宅を借り上げて、若い家族に貸したいと言う。国の助成があるとのことで、まちのために多少でも役に立てれば御先祖様も怒るまいと思い、同意した。妹や弟も呼び、欲しい物を持ち帰るように言ったが、山のような家財の中から選ぶのは大変だ。何回も何回も選んで、僅かばかりの思い出の品々を持ち帰った。私は、若いころ描きためた油絵の数々を福井へ運んだ。仏壇の位牌と仏像仏具を移させていただいた。そして最後に、かつて、正月の15日間、玄関を入った表の間に立てかけていた六曲屏風春秋を、御先祖からの思い出の品として福井へ運んだ。荷積みを終えて、家の鍵を「まちづくり会社」に渡し、「残品は古物商に見せ、価値のあるものがあれば寄贈する」と伝言した。
そのまちづくり会社は、長浜、旧安藤家にある。そのすぐそばに、古物商の西川さんの店があり、ご厄介をかけると挨拶した。心も多少晴れて、まちを歩いた。駐車場は、県外ナンバーの車でほぼ一杯。まちも大勢のひとで賑わっている。旧宅の表の倉庫を撤去して、井戸を直し、車が駐められるようにコンクリート舗装をした。どんな家族が入ってくれるのか楽しみだ。振り返ると、亡父が吹き替えた青瓦が、きれいに光っているのが見えた。