2014年09月のアーカイブ

世界の秘宝

9月30日
世界の秘宝
百済の聖明王から仏像、仏具、経典と共に仏教が渡来したのは西暦538年。おそらく九州や日本海側へは、継体天皇即位(506年)以前から伝えられていたであろう。日本仏教の特長は偶像崇拝からスタートしている。それだけに仏像に対するこだわりは、中国や朝鮮とは大差がある。そして飛鳥・天平・奈良時代を通して、世界の秘宝と目される仏像が次々と作られていった。史上に残るだけでなく現在に伝えられている世界の宝である。まず一人目の止利仏師の作品は飛鳥寺の丈六の釈迦如来606年作1196年焼失、高麗の大興王より黄金320両がこの鍍金のため届けられた。葛井寺千手観音像、聖林寺十一面観音像、法隆寺金堂薬師如来像、この光背に銘文あり。夢殿の救世観音像が優品である。法輪寺の薬師如来像、虚空菩薩像の二体の木像も寺伝で止利作という。止利(鞍作鳥)の祖父司馬達等は522年に南朝の梁より渡来し、天皇に舎利を献上、蘇我家につながる。父は百済仏工鞍部の多須奈と記され、用命天皇の為に出家した。伯母の嶋女は善信尼として女性初の出家をし、尼たちの指導者となった。
二人目の漢の山口大口費の作品は法隆寺金堂に集まっている。木造の四天王の内広目天を作ったと光背にある。多聞天は薬師徳保作とあり、四体を助手二人との、四人で作ったと記されている。百済観音像は日本特産の樟で作られた最高の傑作。
三人目の仏師は当摩寺四天王の作者(白鳳期)、法隆寺五重塔の塑像群(709年)涅槃の仏師と同一人物?
四人目は仏師将軍万福。興福寺の十大弟子と八部衆を作った。画師は秦牛養734年作とある。これまた最高レベル。
五人目は相李の田次万呂。東大寺三月堂の梵天、帝釈天、金剛力士吽形、四天王像も同一人物作であろう。但し吉祥天像は別人の作?
六人目は天才国中連公麻呂(公万呂のサイン残る)で、東大寺三月堂の日光月光菩薩像が傑作。不空羂索観音像も優品。東大寺戒壇院の四天王像、新薬師寺の十二神将像、唐招提寺の鑑真和上、法隆寺の行信僧都等の作品もみな世界の宝である。
これ程の文化遺産が奈良という小さな古都に残されているのは正に奇跡である。広く世界の人々にこの存在を知らせて、人類の文化遺産として大切に伝承すると共に、震災やテロから守護していく重大な義務が私達にはある。
この文章は田中英道著天平のミケランジェロよりの抜粋によるところが多い。

西岡京治展

9月28日
西岡京治展
7月23日から始めた企画展「ブータン王国に命を捧げた日本人、西岡京治展」は早や半ばを過ぎ、辻卓史ブータン王国名誉領事をはじめ数多くの遠来の方々を迎えて、開設以来、感激の日々を送っている。また先日は西岡京治氏の夫人里子さんをお迎えし、館員一同感激一しおであった。里子夫人の来館は二度目であり、私との面会は四度目であるが、益々元気の様子何よりである。先日は翻訳本の出版についての打合せも併せて行った。日本の海外支援事業の中で、西岡京治ご夫妻が完遂されたものを、私達は高く評価している。これ以上の支援はこの世に存在しないと思っている。「支援」とは「相手の中に入り込んで、同じ目線で実行し、その成果が永続的に受け継がれていく」ものでなければならない。その意味で最高の海外支援であり、他の規範とするに値する。賞賛の輪をどんどん広めていきたいものである。里子夫人の二度目の来館を記念して、西岡京治コーナーをミュージアムの中に作らせていただくことをお願いしている。

算盤

9月27日
算盤
小学生の頃はみな貧しかった。ところがソロバン塾があった。布袋に入れたソロバンを肩からかけて、週何回かソロバン塾へ通った。日本人は手が器用だという。ソロバンを学び、習字を習い、漢字、ひらがな、カタカナを使うことで手も器用になり、脳みそも活性化したのであろう。インドの九九は2ケタだという。驚いていたら現在の日本のソロバン塾では、3ケタ4ケタの暗算が行われている。今でも福井県ではソロバン塾、習字塾が盛んである。小学生、中学生の学力体力日本一の理由はこのあたりにも答えがありそうに思う。そこで今日は昔懐かしいソロバン塾を訪問し、ソロバン談義に花を咲かせたいと思う。

GNH

9月26日
GNH
ブータンのGNHとは、ブータンが国是としているものではあるが、5ヶ年10ヶ年計画に入っているものではない。4本の柱、9ヶの分野、72の変数からこれを測定しようとする試みである。4本の柱とは、「公正な経済社会の発展」「環境保全」「伝統文化保全」「良い統治」という日本流にいうと政治・経済・文化・環境をバランスよく発展させていくことである。9ヶの分野とは「生活水準」「健康」「心理的・主観的幸福」「教育」「生態系と環境」「地域社会の活力」「バランスのよい時間配分」「文化の多様性」「良い統治」である。日本流に要約する9ヶの分野とは、政治・経済・文化・環境の他に教育・健康・幸福の実感・時間配分・地域活性化が追加されている。ブータン流の時間配分の考え方からすると働きバチ、ウァーカホリックといわれた日本の幸福度はかなり低くなる。ブータンの人々は家族と過ごす時間配分をとても大切にする。日本の大企業で常態化しつつある中高年の単身赴任などは嫌われることと思う。また地域活性化は日本の方もやっと地方再生の担当相が特命で北海道・沖縄担当についで任命された。しかし45府県にたった1人の特命相でカバーしきれる筈がない。これまたブータンの方が一歩先をいっているようだ。

国の財政

9月24日
国の財政
企業の財務は貸借対照表、損益計算書で毎期公表しているが、国の財政が国民に公開されないのは何故だろう。毎年の予算決算も一般会計という一部だけが詳細に説明され、特別会計(こちらのほうが大きい)は説明不足である。誠に不思議な現象である。10年程前に一度公開されたことがある。それだけである。誰も何もいわない。年金についても、国の借金についても云々されてはいるが、その実態は不明である。企業と同様に国家財政の正確な情報を毎年国民に正々堂々と公表すべきだと思うがいかがであろうか。

あじさいトーク

9月23日
あじさいトーク
福井市長と市民の懇談会を福井市の花「あじさい」にちなんで、「あじさいトーク」と呼ぶ。久しぶりに先日開催された。来年3月の新幹線金沢駅開通まであと半年に迫った現在、コンパクトシティの典型的な県都福井市の首長として、この大切な時期に何をどうするのかその抱負を聞いた。
県都デザイン会議が発足し、福井駅前の中心市街地の開発がいよいよスタートしている。着工中の駅西再開発ビルがその雄姿を見せるのもそう遠くない。
福井城址のあり方の検討が進むと、福井県庁、県警本部、県議会、福井市庁をどうデザインするかが大問題となってくる。今後20年30年先を見据えた開発計画を市民すべてが見守っている。一乗谷朝倉氏遺跡、養浩館、中央公園は勿論、足羽三山を含む三秀園などの再建も期待できよう。福井の魅力を首都圏、関西圏、中京圏などでPRすることも必要となろう。市長との懇談は時間をオーバーしてもなお続いたのである。

西岡京治展

9月21日
西岡京治展
「ブータン王国に命を捧げた日本人」というサブタイトルで7月23日からはじめた企画展に遠来の来館者が多い。開始以来はや1ヶ月余りが経過したが、地元の学校や公民館等からの団体客を迎えて、準備したスタッフも感激一入である。一番見てほしいと心から願っていた西岡京治の夫人里子さんから9月下旬に見にいきたいとメールをいただいた。共に亡き京治さんの偉業をしのぶ集いを開きたいと考えている。

なぜ

9月20日
なぜ
問題に直面した時、「なぜ」を5回繰り返せがトヨタ流。現場の力を意味している。「なぜ」は小さな子供の常套語である。「なぜ」を繰り返す幼児の質問に、辟易したことを経験した人は多い。「なぜ」を繰り返し考えることで人は成長する。「なぜ」を5回も繰り返して考えるクセをつけているトヨタは強いはずである。

ブータンの50年前

9月19日
ブータンの50年前
ブータン王国へ50年前に農業指導で入国し、その地で骨を埋めた偉大なJICA専門家としての支援のパイオニア西岡京治氏の企画展をやっている。丁度今から50年前のブータンの貴重な資料が集まって、スタッフ一同殆ど徹夜に近い努力でオープンに間に合わせてくれた。50年前のブータン王国の姿が再現できたと自負している。いよいよ1週間後にブータンへ向けて、第4次訪問団として出発するが次回の企画展はブータンヒマラヤのトレッキングコースを紹介したい。その為の資料や情報の収集、そして伝統工芸に関する技術支援の可能性を調査してくる予定となっている。パロもティンプーも青く晴れ上がっていることと思う。半年ぶりに会う友人達の顔が浮かんでくる。

太陽光発電

9月17日
太陽光発電
今から20年前、福井県太陽光発電研究会を立上げた。北陸で初だった。その後NEDOを中心に太陽光発電研究が活発化し、遂に10年前には日本は世界のトップに君臨した。今は政策ミスと中国の追い上げで、業界は苦難の時を迎えている。エネルギー政策が国の最重要課題であることは、この百年の日本歴史が示している。私は太陽光熱発電の可能性を信じている。新システムを考える時間がほしいが、月日は無情にも流れていく。嗚呼。

第4次ブータン訪問団

9月16日
第4次ブータン訪問団
いよいよ出発日がせまってきて、ブータン側との打ち合わせに追われる毎日である。今回は福井県の伝統工芸の技術とブータンとのマッチングを通じて、技術移転が出来ないかを打診したいと考えている。またその分野を木工彫刻にするのか、染色織物にするのか金属加工分野にするのかの検討をして来たい。またティンプーロータリークラブから提案されている伝統医療施設の開発支援について更に詳細を詰めて来たいと考えている。しかし最近円安がすすみ旅費がかさみそうで心配だ。ワンデュポダンゾンの大火災復旧支援の募金が集まっていないのも気がかりである。案ずるより産むが易しというが、心配しているうちに出発の日を迎えそうである。

ありがとうの言葉の力

9月14日
ありがとうの言葉の力
東京で暮らしていた頃、ありがとうという感謝の言葉を使う機会が少なかった。福井で生活していると1日何回もこのありがとうを使う。不思議な言葉である。心をこめてありがとうというと必ず笑顔が返ってくる。気分が明るくなる。私はありがとうを1日100回心して使うようにしている。だから毎日が楽しい。感謝の生活は人の心を豊かにする。明るく元気な毎日のために「ありがとう」を忘れずに。

戦後69年

9月13日
戦後69年
人生50年といわれた頃に生まれ、敗戦に泣き、戦後69年が過ぎた。「不戦、非戦の旗を下すな」は私達戦後派の合言葉である。中国の侵略に世界の耳目が集まっている。平和への希求が今ほど重要な時はない。私は高齢をも顧みず、平和への祈りを捧げたいと願い、ブータンの幸福の先進性を世界にアピールすることにした。同時に日本文化の基礎をなす「和の心」を世界中に伝えたいと熱望している。マッカーサー司令官はアメリカの議会証言で「日本が太平洋戦争に巻き込まれたのは、資源確保の自衛手段であった」と証言した。この事実を知る人があまりに少ないことに驚く。

ブータンのトレッキング

9月12日
ブータンのトレッキング
ブータンの政府観光局の後援をいただき11月から2月までの約3ヶ月間ブータンヒマラヤの眺望を楽しみながら、ブータン王国の地方の方々の生活、文化を味わえるトレッキングコースを紹介する企画展を準備している。スタッフ一同また気持ちを新たに「新しい面から見たブータン王国の魅力」を日本の皆様に紹介したいと情熱をもやしている。福井県山岳会連盟の方々や京大山岳会OBの方々にも後援をお願いしたいと考えている。グッドアイデアをお持ちの方々のご協力をぜひお願い致したい。

世界一の日本

9月10日
世界一の日本
1989年末、日経平均株価は約3万9千円をつけた。その時東証の時価総額は約611兆円、世界の株式市場でトップシェア、40%に近かった。ダントツの世界一だった。現在は20年余りの低迷の末に時価総額460兆円、シェアーは7%。対してニューヨーク市場は最高値を更新中。1900兆円(日本の4倍)もある。1989年末の時価総額の7倍に急成長した。株価が上がると、国富は増加、年金は健全化し、個人消費はふえ、企業経営者マインドは向上、税収も大巾にふえる。アベノミクスの第三の矢を成功させるには株価対策が最高の薬である。

9月9日

9月9日
東京一極集中は危険
東京はゼロメートル地域が広く、軟弱地盤が多い。食糧自給率1%で、前回の大震災では水も食料も電気も止まった。交通インフラもストップ。東京直下型大震災の確率は70%という。60年後までの発生確率は90%。首都機能移転を急がねばならぬ。かつての越の国はいかがであろうか。幸福度日本一の地域であり、安全度は高く、古き良き日本がある。

月例会議

9月7日
月例会議
NPO法人の活動にいそしんでいる。毎月定例会議を開き理事、監事そして数名の社員が参加する。議題の中心は企画展とブータンミュージアム通信に関することが多い。企画展は今、西岡京治展として「ブータン王国に命を捧げた日本人」の副題をつけて開催中。遠方の客が多いが、地元の人が少ないというので、福井農林高校と福井市内の公民館へPRしようと決定。私が担当することになった。新幹線米原駅ホームに大型看板(4m×1.6m)を2枚PR中であるが、新たに東京駅構内の南口近くの京葉線へ向かう動く歩道に5枚の看板を3ヶ年契約で掲示をはじめた。来館者の倍増を狙いたい。

大先輩の英語教師

9月6日
大先輩の英語教師
上下を白の夏服で正装した紳士が来館。年齢を聞くと英語で86歳と答えられ、あなたはの問いに思わず英語で77歳と答えた。アメリカやイギリスへも留学されたやに伺い、あまりに驚いたのでつい名前を聞き洩らした。一期一会のチャンスを神が与えたもうたのにと反省しきりである。今ボランティアの翻訳者、通訳者、アナウンサー、カメラマン等を募集中なのだ。新しい舞台で活躍する人達である。

真向法

9月5日
真向法
福井発のヨガに似た健康法に「真向法」がある。広く日本中に普及していたが最近はあまり聞かない。身体能力の高くない私であるが、それだけになお興味を持ち続けている。インターネットでもう一度、真向法を世界に広めるチャンスが到来したと思うからである。

世界の国防支出

9月3日
世界の国防支出
2012年は15,830億ドルが国防支出に使われた。アメリカがトップで世界全体の41%、次が中国7%、ロシア、イギリス、日本とつづく。トップ5ヶ国で世界全体の60%の国防支出を占めるのだ。その次はサウジ、フランス、ドイツ、インド、ブラジルとつづくが、この5ヶ国で15%にとどかない。即ちトップ5ヶ国が国防支出をやめれば、地球は変わる。最貧国救済も国内諸問題の解決もずっとやり易くなろう。

失敗を肯定する社会

9月2日
失敗を肯定する社会
ベンチャービジネスが伸びるかどうかは、挑戦者に失敗を許すかどうかにかかっている。失敗を繰り返さなければ成功は難しい。即ち失敗を許す社会、いやむしろ失敗を肯定する社会にこそベンチャービジネスの花が咲く。今はインターネット時代である。ビジネスも選挙も勉強も恋愛も友情も旅行もすべてネットで行われる。18年前に起業した私はそのネット時代の先駆者をめざしたが、未だに年商百億円の壁が超えられない。新しいプラットフォームを立ち上げ、再度世界への挑戦に乗り出したい。その名はゲン。グローバルイングリッシュネットワークというポータルサイトである。3年後を楽しみにしたい。