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2014年11月のアーカイブ
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2014年11月30日
賽銭箱
福井は信仰のまちである。どんな小さな村落に行ってもお寺とお宮が必ずある。鎮守の森がある。村はずれにお地蔵さんが立っている。そしてお賽銭箱が置かれていることが多い。先日ブータンミュージアムを訪れた方がここはお寺のような気がする。お賽銭を上げたいが賽銭箱はどこだといわれる。思わず募金箱の方へ案内させていただいたが、「お寺のようだ」といわれた一言に気付かされた。「ブータンは国全体がお寺なのだ」「人々が信仰深いのも、物質への執着心が薄いのも、そのためなのだ」私はその老夫婦の後ろ姿に、深々と心からのおじぎをしていた。
2014年11月29日
人種偏見
11月29日
人種偏見
アメリカにおける人種差別はいまだにひどい。人種差別はヨーロッパ諸国がアフリカ大陸を蹂躙し、オーストラリア大陸を、そして南北アメリカ大陸をわがものとしアジアの諸国を植民地化していった数世紀の間に顕著になった。最近マララ ユスフザイさん（１７歳のパキスタンの少女）がノーベル平和賞を受賞し、世界中が興奮に沸いた。私は早くから彼女の国連での演説を聞き、彼女を世界中の人々に紹介する努力をしようと考えていた。それがノーベル賞の受賞であっという間に目的が果せてしまった。彼女も差別に苦しむ人間の一人である。人種差別をする側の人々は「自分達は一段上の人間である」と信じている。人種の差はＤＮＡ上では全くないに等しい。人間と他の生物との差もＤＮＡ上ではあまりないという。釈迦の「生けとし生けるものすべて平等」という言葉の通り、科学的にもそれが証明されつつある。ブータンの人々は輪廻転生を信じており、殺生を極端に嫌う。人種差別はしない。仏教でも殺生を厳しく禁じている。即ち差別をせず、自然界にあるすべてのものの調和を求めている。私達は日々の生活の中で、倫理道徳という人倫の道を子々孫々に伝えていかなければならない。
2014年11月28日
黒田発言で株価急騰
11月28日
黒田発言で株価急騰
資金供給量を年間８０兆円にするとの発言に株価は素直に反応した。2015年末の市中の資金量は３５０兆円を超え、ＧＤＰ比では世界一の水準となる。アメリカは４５０兆円をピークに今後引き締め気味に推移すると思われるので、当分の間、日本の資金量はＧＤＰ比でトップを維持し続けるであろう。更に年金基金の株式運用比率を１２％から２５％に引き上げるとのことで、約１８兆円が株式市場に流入する。更にＥＴＦ及びリートの購入を３倍に増すというので、これまた２兆円余りが流入する。株価を大きく下支えすることになるのは間違いあるまい。年末に向けて株価は堅調に推移することであろう。株価の上昇は企業の増資を招き、配当の増加、年末のボーナスに期待を持たせることと思われる。
2014年11月26日
農業の尊さ
11月26日
農業の尊さ
西岡京治展が１１月９日で終了した。終盤は、団体の申し込みが増えてきた。婦人会、老人会、中学生、小学生、公民館のメンバー等いろんな方々が団体で来られる。企業の方々、社長会のメンバーも多い。西岡京治展は農業振興のためブータン王国へ渡り、２８年間ブータン農業指導を成し遂げ、目的を達成（収量３倍）して後、不幸にも急病で客死された西岡京治の偉業を伝えるためのものである。農は国の基なりと古人はいう。独立国とは食料を自給できる国のことであるとフランスのドゴールはいった。今日のブータンはどうか、また日本の現状はどうか、そして福井などの地方はどうかをもう一度考えてみたい。農は国の根本というのは歴代の天皇家のミッションである。日本では農業は尊いものなのだ。
2014年11月25日
女性大臣辞任
11月25日
女性大臣辞任
小渕・松島と二人の女性の大臣が辞任すると聞き、誠に残念至極である。女性の活躍する時代の到来を喜んでいた矢先のことで、その辞任理由はさて置き、5人のうちの一角が崩れたことが悲しい。かわりに上川陽子さんが法相に就任されたのがせめてもの慰めである。上川さんの夫君は以前に日銀福井事務所長をお勤めで、親しくさせていただいたので、なお更にうれしく思う。最近の男性諸君の勢いが脆弱な中で、今後の日本の未来のためには女性の活躍が不可欠である。女性大臣方のご活躍に大いに期待を致している。
2014年11月22日
福井国際フェスタ2014
11月22日
福井国際フェスタ2014
秋の一日福井の国際交流会館で国際フェスタが開催された。ブータンミュージアムも参加し、1Ｆホールの展示と2Ｆでのブータン商品の販売コーナーを出店した。メンバーが交代で、前日の搬入から飾り付けそして終了後の搬出までやってくれた。盛況であった。ブータンの仏具を使って、裏千家国際クラブの皆さんがお点前の奉仕をされていた。国際食のレストランではブータンの有名なエマダッツィが提供されており人気をあつめていた。ブータングッズの売上はなかなか期待どおりにいかず、それ丈が残念。国際交流には大いに役立ったとメンバーは自画自賛のイベントとなり、心地よい疲れがせめてもの慰め。
2014年11月19日
遠来の客
11月19日
遠来の客
「友あり遠方より来る。また楽しからずや」の言葉通り、時々遠来の友を迎える。楽しいの一語に尽きる。一献差し上げたいと思うが昼間から飲むわけにいかない。おみやげに福井の地酒を送らせていただいている。ブータンミュージアムをはじめて、予期せぬ愉しみがある。それは「ブータンの幸福」について真剣に話し合うチャンスが生まれたことだ。「足るを知ること」であったり「家族」であったり「仕事」という人もいる。私はそれぞれの考え方すべてに賛成である。自然の豊かさ、生物多様性、信仰心を忘れるわけにはいかない。福井県とブータン王国との相似性に驚かされる日々である。
2014年11月18日
秋の花
11月18日
秋の花
ブータンミュージアムの前の舗道はケヤキ並木がつづいている。道のまん中は電車通りである。舗道を少し歩くと文字学の白川静博士の生家跡の石碑が建っている。漢字の源流の研究に生涯を捧げた世界的な学究である。文化勲章もいただかれた。石碑には「遊」の一字が書かれている。その次の文章が続く。「遊ぶものは神である。神のみが遊ぶことが出来た。遊は絶対の自由とゆたかな創造の世界である。それは神の世界に外ならない。この神の世界にかかわるとき、人もともに遊ぶことが出来た」文字逍遥
いつもこの碑の前を通り、「遊」について考えさせられる。目の前は高橋楽器店のビルが建っている。この通りには花の植木鉢が置かれている。今はベゴニアの赤や白が美しい。
2014年11月16日
お布施
11月16日
お布施
ブータンから帰って早２カ月が過ぎた。行くたびに、帰るたびにブータンの人々の表情の豊かさが気になる。私達の年収の１割にも満たない収入しかなく日々の食事も質素で、娯楽も少なく、自然環境も厳しいにもかかわらず、人々の表情は明るい。笑顔が美しい。目が輝いている。なぜだろう。誰もいない丘の上や村はずれにダルシンが林立し、風にパタパタとなびいている。よく見るとお経が書かれている。橋の欄干や仏舎利塔の周辺の木々にルンタの旗（五色の旗のオンパレード）が万国旗のように長く長く張り巡らされている。こちらも風に吹かれて揺れている。１枚１枚に経文が印刷されている。風がお経を読んでいると人々はいう。お坊さんへの布施、お寺への布施、お寺へお参りしている老人への布施が普通に、自然に行われている。「布施」をすることにより、自分は損をしたように思うけれど、相手が喜ぶ。相手が喜ぶことがうれしい。私は幸せになれる。だから布施をするのだという。そんな理屈をいうより布施をしてお坊様や老人たちの笑顔をご覧なさいといわれる。これは「財を失う」という自分本位の考えから、相手の側から「財をもらって喜ぶ」その喜びを感ずるという、根本的な見方の変化を意味する。これが布施の本来の心である。「貧しい」ということ、「豊か」ということを自分の側から見るのではなく、相手の側から見ることが大切である。物や財の豊かさでなく、心の豊かさを求めることが大切である。それをしみじみと感じさせてくれる国それがブータン。そんな人々が住む国それがブータンなのだ。
2014年11月15日
くり返しの力
11月15日
くり返しの力
「くり返しの力」をあなどってはならない。反復練習である。何事においても「くり返す」ことにより成功の確率が高まっていく。スポーツ選手がよいお手本になる。イチローにしてもかつての長嶋、王選手にしても人に見えないところで反復練習をくり返していた。学者でもその通り。例えば白川静博士は甲骨文をすべて手書きで書写されてその意味がおのずから判るようになったという。経済についても同じことがいえる。トヨタは「なぜを5回くり返せ」と社員に習慣づけた。青色ＬＥＤの発明も何百回何千回の失敗の後に成功している。しかし途中であきらめてはせっかくのチャンスを逃してしまうことになりかねない。くり返し努力をつづけるとまた新しいパワーが生まれ、それを支援する環境が生まれてくる。
2014年11月14日
おもてなし
11月14日
おもてなし
私達のブータンミュージアムは民間のＮＰＯ法人組織で資本金はゼロ、すべて会員の年会費と皆さんのご厚意の寄付でまかなっている。展示品の充実を必死で心がけているが、これは望む方が無理だ。私は展示品の充実よりも、来館者との対話に重点を置いている。いわゆる「おもてなし」である。ゆっくり会話し、知識を交換し、共に幸福について考える機会にしたいとの思いからだ。時には思いもかけず最新の情報をいただくことがある。また私達以上の専門知識を持った方から、逆に教えてもらうこともある。来館者との会話は、気付きを与えてくれる。またツイッターやブログ、ユーチューブなどで宣伝してやろうという方もいる。「役に立ちたい」は万人の願いであることを知り、うれしくなってしまう。
2014年11月12日
私の机
11月12日
私の机
整理整頓の才能に乏しい私の机の上は、いつも乱雑である。時により私の目の前に、銀（セット）の彫刻を置いたり、木彫り龍の根付けを置いたり、竹細工を置いたりして日々楽しんでいる。今は福井のガラス作家のステンドグラスの教会を置いている。中の光をつけると本物の教会をしのぐ雰囲気がでる。数多くの会社を作ってきたおかげで、机の上には数種類の報告書や資料に囲まれている。良い点はアイデアの種類が豊かになることと、他への流用の可能性が膨らむことだ。悪い点は、アイデアが浅すぎたり、突拍子すぎたりすることだ。資料が不足すると若い社員はすぐパソコンに向かうが、私は本の資料をいくつか読み比べて自分なりの考えを引き出していく。資料を探すために家の中を歩きまわることも運動になる。私はこれを「家の中の散歩」と呼んで大いに楽しんでいる。考えがまとまらない時には歩きまわったり、机や椅子の腕かけの木の感触を味わって気分転換している。
2014年11月11日
遠来の客
11月11日
遠来の客
朝電話が入りブータンの教育について話を聞きたいとのこと。ティンプーにある私立のペルキルスクール訪問から帰ったばかりなので喜んでお会いした。図画の先生を養成する大学の教授であり、ブータンの伝統工芸の十三科目についても十分に理解されており、ブータン小学校を訪問され研究されており、教えることは何もなかった。ただ私は数日前にブータンから帰国したばかりで、熱気が冷めておらず、つい長い時間語り合った。ブータンの教育の歴史は日本の戦後教育と比較しても短く、まだこれからである。特に小学校での図画、音楽は始まったばかりだ。底に仏教の情操教育が流れているが、独創性をのばすための教育はこれからである。画材を送ったり、楽器を贈ったりと草の根運動を始めたばかりである。先日王立ブータン大学総長におあいしてきたが、そこの大学の研究員とも面談されており、私の方が逆に刺激を受けた一日となった。クズザンポー。
2014年11月09日
同志社大谷総長をお迎えして
11月9日
同志社大谷総長をお迎えして
先般総長をお迎えしてグローバル時代の到来と良心教育そして幸福論について対談をお願いした。福井は同志社と縁が深い。新島襄が福井を訪問されている。また帰京された後に書簡を送られている。
2014年11月08日
五百万石大名会
11月8日
五百万石大名会
ホテルフジタで、先日第１４回地酒と季節の料理を楽しむ会を開いた。今回の酒蔵は大野市の真名鶴酒造の代表泉恵介さんである。大野市は「乾杯条令」を出した県内初の市である。そして泉さんは地酒を世界に広めたいと次々と新たな挑戦を続けている。その１はトキノシズク2000という名の純米吟醸酒。中竜鉱山跡の地下坑内で１１℃で１４年間熟成させた銘酒。まことにまろやか。その２はシェリー樽熟成大吟醸樽出原酒。スペインで１５年以上使用した古いシェリー酒の樽を使い、大吟醸を貯蔵熟成させたもの。色は山吹色、やわらかな酸味がありエキゾチックな味と香り。その３は大吟醸福一、香りのバランスが最高で、さすが東京農大出身の秀才の作ったもの。一口ずつがとても貴重な雰囲気、品評会の最高賞も納得がいく。その他数種類を和食と共に楽しみ久しぶりに酩酊した。大野盆地に４蔵あるが、大野は銘酒の産地。その人情の純朴さと共においしい地酒の生まれるところだ。
2014年11月07日
ハッピーコンサート
11月7日
ハッピーコンサート
毎月第一土曜日の午後、ブータンミュージアムでは音楽愛好家が集まり、ハッピーコンサートを開いている。アマチュア、プロ、セミプロが混然一体となったコンサートだ。300�屬曚匹�2Ｆホールで、お客様は出演者たちとその友人だけということが多い。しかしみな楽しそうである。よさこいイッチョライの踊り手たちに「何が一番面白い」と愚問を出したが答えは「踊ることが楽しい」であった。音楽も踊りと同じ。まず歌う人は歌うことが楽しい。楽器を弾く人は楽器を弾くことが楽しい。音楽は瞬時に感動を与えてくれる。理屈はいらない。でも楽しい。僅か1〜2時間だがみんな満足して帰っていく。ハッピーコンサートの「ハッピー」の意味がそこにある。
2014年11月05日
天災大国日本
11月５日
天災大国日本
地理的に日本列島は、災害が起きやすい。火山列島であり、モンスーン地帯の東端に位置しており、地震、津波、台風、土砂崩れ、火山による災害と自然の脅威にいつもさらされる運命にある。それにしても２０１１年３月１１日の大地震以来、次々と災害が続いている。先人達は自然崇拝により災害を避けようとしてきた。災害の予知の研究が進んでいるが、やはり手遅れになる。ブータン王国を訪問して帰国してみると御嶽山の噴火による多数の登山者受難の報に接した。亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。死の無常さに言葉がない。すべての人間に必ず死は訪れるけれど、天災で亡くなられた人々の無念さに思いをいたす。事故は宿命なのか。それとも必然なのであろうか。
2014年11月02日
福井の古地図
11月2日
福井の古地図
２０年程前であろうか、福井県の古地図を入手した。松原信一著、福井大学の大久保道舟、吉川文次校閲、古今書院発行のものである。福井市長熊谷太三郎の推薦文がある。もっとも古いのが、第一図松平２代忠直公１６１４年（慶長１９年）であり、以来１６５９年４代光通公、１６８５年６代綱昌公、１７１３年８代吉邦公、１７２５年１０代宗矩公、１８０６年１３代治好公、１８５３年１６代慶永公と続く。最も詳しい第６図１８０６年（文化３年）の１３代治好公の地図と戦前昭和時代の主要建物を比較できるものもある。この地図をずっと見比べてみると、余り変わっていないことに驚く。初代結城秀康が松平家（徳川一統）筆頭として福井に城を構えて以来３００年近く、変化はなく明治に入り城が壊され外濠が埋められた。そして戦後はビル（３〜４階建が多い）が建てられて、北陸３県の県庁所在地としては最もスマートな街づくりがなされた。その後長い空白期間が続いてしまった。大きく金沢市、富山市に水をあけられているのが現状だ。古地図を見ながら、まちづくりの必要性を痛感する日々が続く。
2014年11月01日
インターシティミーティング
11月1日
インターシティミーティング
今年の第2650地区第5組のIMは鯖江RCの担当で行われた。福井県内19クラブとEクラブが参加して盛大に行われた。「世界の中の日本」というテーマで京大名誉教授の中西輝政さんの講演のあと「職業奉仕」についてのパネルディスカッションが行われた。栗田幸雄PGの指導の下、4人のパネラーとコーディネーターとで職業奉仕について議論された。職業奉仕はロータリークラブの金看板といわれているが、RCの100年の歴史をひもといてみると約40年間に亘ってその金看板が消失した時があった。「He profits most, who service best」という職業奉仕の文言にイギリスから「profits」に対して厳しいクレームがつき、それが数年に亘ったので発案者シェルドンが退会してしまった。今はこの文言は復活しているが現在では「I servc」と「We serve」のバランス問題に注目が集まっている。そして日本流の「倫理観に基づく精神性」とアメリカ流の「ボランティア精神」との微妙な違いに議論があつまるようである。私はある程度の社会的な地位にある者が、エリを正して、利他の心で、自らの仕事を通して、社会に貢献することが職業奉仕であり、ロータリー活動そのものであると考えている。五奉仕を区々に分けてその本質を云々する必要はない。私は「I serve」を主とし、「We serve」にも充分配慮しあらゆるステークホルダーのために十方よしの精神で毎日の生活を、あふれんばかりの感謝の心をもちながら送らせていただいている。