2014年12月のアーカイブ

解体業

12月24日
解体業
空家が増えていることで、伸びているのが解体業である。毎月50〜100ヶ所のコインパーキングをオープンしているが、更地の比率が多いが解体を必要とするケースもある。そこで解体業の可能性が高まっている。建設業は頭打ちになってきたが、これからは解体業の可能性が高い。新規オープンを50〜100ヶ所から倍増したいと考えているので、解体する建物の数も倍増する。専門チームを早急に立ち上げたいと思っている。

円安

12月23日
円安
円の価値が下がっている。円安を歓迎する声が多いが円安というのは日本の国力の低下を意味する。決してよいことではない。まして最近の円安は、輸出よりも輸入の方が多い状態で起きており、日本全体としてはマイナスである。また反対に日本は世界一の資産国であり、海外に大きな投資をしている。その配当は毎年大きな金額であるが、円安により手取りが何割も高くなっている。円安で良くなっている輸出企業は多いが、残念乍らその声の割に輸出総額が増えない。海外への工場移転のせいであろう。外国からの観光客が円安で増えているのは朗報である。円安はドルやユーロ、中国元などの外国通貨の上昇を引き起こしており、アジアの富裕層を含む世界各国からの観光客が日本を訪れだしている。前年比130%以上の大きな成果となっている。円安のメリットは観光客の急増につながった。この傾向はまだまだ続くものと思われる。これに対応するまちの整備やソフト・ハード面での投資が求められている。

CSR活動

12月21日
CSR活動
創業19年目に入っている。創業時に私は59才を過ぎていたので、「仕事がCSR活動」のように、社会への恩返しの気持ちが強かった。しかし世間はそんなに甘はくない。前職で得た退職金や多少の貯えはあっという間に雲散霧消してしまった。3年間は必死の日々であった。4年目からは努力の甲斐があり「CSR活動」らしい仕事ぶりが定着してきた。仕事にあわせて若者や中高年、女性達を対象とする「創業塾」をはじめた。フェニックス研究会のスタートである。そして年1回大ホールを2日間借り切って大々的なフェニックス祭を3年間続けた。フェニックス研究会は毎月開催し、のちには「まちづくり塾」に衣替えし、全国から有名な講師を招いて50回までつづけた。更に福井県の伝統工芸作家の皆様を応援しようとふくい工芸舎を作った。これは長野の善光寺表参道に作った信州の工芸作家支援の工芸舎につづくものである。更に日本酒業界の苦境を見るにしのびず、九頭龍地酒百蔵を福井駅前に開設。酒蔵めぐりツアーや愛酒会「五百万石大名会」を支援している。JR福井駅構内と小松空港構内にPR看板を設置している。そして2年余り前から「ブータンミュージアム」を開設し福井中心市街地活性化に取り組むと同時にブータン王国との友好促進に努力をつづけている。企業もNPOも社会の公器である。全ての物事に利他の心、十方よしの考えで取り組んでいる日々である。感謝の毎日である。

税金

12月20日
税金
私達の会社の社是は、近江商人の家訓「三方よし」を敷衍してあらゆるステークホルダーにとってよい会社をという意味で「十方よし」とした。特長は「雇用の受け皿づくり」ともう一つ「納税義務」を含めたことだ。最近の傾向として、雇用の合理化との名目で「アルバイト」や「パート」に正規社員並みの義務や素行を求めたり、派遣社員による職場作り労働コストカットを行う経営者がもてはやされるが、それは間違いではなかろうかと私は思う。税金も同じこと。節税にあくせくする経営者が多いが、税金を支払うのは権利であり、義務のはずである。いや納税は社会に対する恩がえしであり、喜びでなければならない。税金を払える身分になれたかと喜びあえるそんな日本であってほしい。多額納税者を顕彰する制度を復活させるとよいと真剣に思う。

院展

12月19日
院展
日本美術院が岡倉天心の主宰で1898年に橋本雅邦、横山大観、菱田春草、下村観山等26名を正会員として創立された。機関紙「日本美術」の発行や地方での巡回展、絵画指導等に注力したが経営不振から1906年(明治39年)茨城県五浦に研究所を移し、休止状態となった。天心はフェノロサと共にアメリカに渡り、ボストン美術館の東洋美術部内のチーフとして東洋美術収集の仕事についた。天心の死後1914年(大正3年)大観、観山らを中心に日本美術院を再興し、翌年再興第1回展を開催し、その後民間美術団体として100年の歴史をつづってきた。この再興第99回院展の福井展が福井県立美術館で11月14日から24日まで開催される。福井での開催は3年に一度とのことである。岡倉天心ゆかりの地である福井県にとって、3年に一度とは残念だ。毎年やってほしいと院展の理事長に直訴したのは前々回の開会式の時だった。その後変化はない。主催者の一人である中日新聞にも強く要請したい。何事もやろうとする意志がなければ実現しない。目的が崇高でなければ実現しない。文化の興隆が目的だ。福井で、院展が毎年開かれるとなれば、院展への出品者も増えると思われる。また日本画に対する興味を持つ若者達も増えるであろう。県立美術館への入館者も増えてくる。変化が変化を呼ぶのは奇跡ではない。必然である。ただ今回の院展で福井県在住・出身の作家がいないのは誠に寂しい限りである。 

宇沢弘文博士

12月17日
宇沢弘文博士
NHKテレビで故宇沢弘文経済学博士の紹介があった。寡聞にして先生のことを全く知らずに過ごしてしまった。経済学者でありながら、現場重視の理論を貫かれて、到達されたのが「世界を救う医者」である。「社会的共通資本主義」という名の新しい経済学理論を展開されている。資本主義が「市場」を優先しすべての機能をまかせているのに対して、それでは格差社会が出来てしまい、格差がとてつもなく広がってしまうと断定し、新理論を展開された。人間が人間らしく生きるための理論、利益をターゲットにしない経済社会のための理論、弱者によりそう理論、もう一度今は亡き宇沢弘文博士の弟子となって、その理論と生きざまを学びたい。東日本大震災の直後に亡くなられた先生の言葉は「絆をとり戻してあげたい」だったと未亡人のお話であった。

12月16日

マンションの窓からの景色は毎日変わる。昨日は霧で、テラスにまで入り込んでくるかと思うほど濃かった。今朝は遠くまで眺望がきく。でも白山連峰は雲の中。晴れると白山はその名の通り白く輝く。三霊山の第一といわれる所縁である。北方に目をやると東方の山並みが徐々に低くなり北方湖に到る。壮大なパノラマを楽しむことが出来る。マンションに住む楽しみである。今年の冬に備えて床暖房に加えて夜間電力を活用する蓄熱暖房を設置した。どの程度の効果があるのか、体感してみたい。今のところまだ試運転段階である。省エネ生活とどうバランスしていくか、暖房方法にも気を使いたい。膝かけ毛布も冬には必需品となるのが我が家の常である。

持たざる経営

12月14日
持たざる経営
59歳で創業した私は「持たざる経営」に徹底するつもりでスタートした。この経営戦略はダイエーの中内さんとイトーヨーカ堂の伊藤さんの二人の先輩経営者の戦略の違いを参考にさせていただいた。自社で土地建物を所有して拡大を続けるダイエーとすべてを借入れていこうというイトーヨーカ堂の戦略の差が、変動を繰り返す時の流れの中でどちらに軍配が上がるかを見極めてのことである。そう自制していても金融緩和の波に押し流されるとついつい投資してしまう。ピーク時には70億円を上回る投資を行った。そしてリーマンショック。現在では30億円以下に縮小し、更に自己資本比率向上に努力している。そして「持たざる経営」の根本精神はモノへの投資でなく、ヒトへの投資に終始することである。ここへしっかりと投資していきたいと更に戦略を練ってもらっている。

わが志を語る

12月13日
わが志を語る
PHP研究所編の本が送られてきた。「トップが語る仕事の原点・未来の夢」の副題がついている。163人の経営トップの志が収録されている。読んでいくと目が離せなくなる。すばらしい内容だ。実は数か月前に私にもこの本への執筆依頼があった。松下幸之助さんを尊敬していたので、そのご縁を思い、喜んで小文を送った。それが送られてきたのだ。トップの「志」は至言であり、読みごたえのするものだ。執筆者の中には友人、知人の名前も数人おり。懐かしく読ませてもらった。すべてが「志を立てよ」との内容。そして各人それぞれやり方、見方が違うが、失敗をのりこえて成功された方々ばかり。その言葉にはズシリとした重みがある。

ふれあい

12月12日
ふれあい
東京へ若者たちは流れていく。東京には何でもある。地方には何もない。だから東京へ東京へと流れていく。本当に地方には何もないのだろうか。人のぬくもりがある。自然の恵みがある。家族の絆、地域の優しさがある。そしておすそわけの精神が残っている。地方には実は何でもあるのだ。それを教えようと思い、ブータンミュージアムを作った。そして逆に来館者の皆様から教えられている。毎日のふれあいの中から、それを教えられている。ありがたいことだ。

才能に光を、ベンチャーに資金を

12月10日
才能に光を、ベンチャーに資金を
自動運転の車が走り出した。水素で走る車が売り出される。GPSの精度が上がり、宇宙から人間の観察が可能になりつつある。青色LEDの発明は世界を変えつつある。これは日本人が発明した20世紀最大のものになった。日本にも素晴らしい才能が数多く存在する。日本の資金の蓄積量も世界トップクラスである。大企業は海外へのシフトを強めており、国内での投資が少ない。しかしベンチャーは育ちつつある。ベンチャーへの投資がどんどん行われる環境づくりが必要だ。先日ブータンミュージアムへ来た女性が「軽井沢へビルゲイツが来る」という情報をくれた。ビルゲイツやソフトバンクあるいはネット関連企業のオーナー達は、ベンチャーへの投資に熱心だ。しかし反面、公共も金融機関もベンチャーを見る目はさえない。いや冷たいといった方がよい。これでは日本のベンチャーは育たない。若者への温かい視線、そして支援が行われることに期待している。

福井を歩く

12月9日
福井を歩く
福井のまちはコンパクトシティの典型。それを売りにしたらと考えた。まちづくりにかかわって早や15年がすぎ、いろんな会合に顔を出しているうちに、試行錯誤をくりかえし、私自身の考え方も少しずつ変化してきた。まちは「暮らすところ、客を迎えるところ」である。「暮らす」とは「住む、働く、学ぶ、遊ぶ」である。そして市民は幼青壮老のあらゆる人達であり、すべての人々に優しくなければならない。また美しいまちが理想であろう。そして私はおいしいまちになってほしいと思う。そんな福井のまちを毎日あちこち歩きまわっている。私の理想の散歩コースを近く発表しようと思う。その構想の最後のパートを練っている。

プラス思考

12月7日
プラス思考
空家が増えている。今迄は古い空家は壊すことが前提で対応すればよかった。少子高齢化で、老人のひとり暮らしが老人ホームに入居されると立派な家が無人になる。この使い道が難しい。殆どそのまま放置されてしまう。或いは1人っ子同士が結婚し、都市に2人で住むケースが多い。2人の親はそれぞれの家を引き継ぐものがおらず思案投げ首となる。この増え続ける空家の有効活用を行うのを私は使命と考えている。空家はリフォームすることが多い。本当に古い家で古材がすばらしいものは古材を保存する。そして空地はコインパーキングとして活用する。コインパーキングにすると不思議に売ってほしいといわれるケースが多い。画家がイーゼルの上に真っ白いキャンパスを置くように、古家を撤去し空地になると、新しいイメージが次々と浮かんでくる。人はそこに新しいビルを建てる夢を見たり、素敵なお店をイメージしたり、アパートを経営することを考えたり、種々なストーリーを考えることが出来る。プラス思考が誕生するのだ。変化はチャンス。チャンスに挑戦するのがプラス思考である。

マインドフルネス

12月6日
マインドフルネス
日本でも呼吸法をコントロールすることによる精神安定法マインドフルネスが流行しそうだとの報道を聞いた。ブータンではメディテーションといって福井県の永平寺の坐禅のように、結跏趺坐をして瞑想に入ることが行われている。また福井は呼吸と坐禅を簡略化した健康法「真向法」の発祥の地である。生命の維持を司っているポンプは心臓と肺であり、これは誕生の時から死の時まで眠っていても常に動きつづけている。その肺の機能を十二分に活用するための運動が呼吸法の研究である。とても重要なことといわねばならない。マインドフルネスが外国から入ってきたように思われるところが心配だ。古来日本では呼吸法の研究や、精神安定の研究が広く深くなされてきたことを忘れないでほしい。

スイス

12月5日
スイス
私の好きな国はスイス。それを世界中をまわって実感した。特にルツェルンの町が好きだ。集客力で世界第6位にランクされているが、古い小さな町である。スイスの歴史よりも古い歴史があり、ヨーロッパ中の王侯貴族が憧れた町。ブータン王国とほぼ同じ面積に約700万人が豊かな生活をしているスイス。古い観光地としての威厳と誇りを失わない町。人々は素朴でシャイ。それは驚くほどブータンの人々によく似ている。私は商社勤務をしていた40年前に、このルツェルンでヨーロッパ現地法人を作った。日本チバガイギーのゼネラルマネージャーを社長に、スイスサッカーチームの名選手を専務にスタートしたことは昨日のようだ。スイス人は英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語を話すことが出来る。周辺諸国もスイス人に敵対する人はいない。だからチューリッヒ空港から車で1時間のルツェルンを選んだ。チューリッヒはニューヨーク、ロンドン、東京等と並ぶ金融の町である。あれから40年。友人たちは逝去し、或いはリタイヤした。ブータンに続いて、スイスにも現地法人を作りたい。日本と幸福の国ブータン、そして永世中立国スイス、更にはスウェーデンに進出するつもりだ。人生100歳と考えれば、まだ道は遥かである。夢を追い続け、喜びの種・幸せの種を蒔いていこうと念じている。

仏教伝来

日本へ仏教が伝わってきたのは約1500年前継体天皇の御代の前後のことと思われる。そして日本の仏教の特徴は、仏像を崇拝することからはじまった。そして作られた仏像を大切に子孫に伝えてきたのである。世界的な視野で見ても、日本の仏像程精緻なものはない。よくよく見ると補修の跡も多い。木彫りの仏像の特徴だ。鋳金の仏像も多い。ただいずれの仏像も火災には弱い。それを1000年以上の永い間守りつづけてくれた祖先の努力を忘れてはなるまい。自然崇拝の神道と仏教の教えが私達日本人の精神の根幹を作ったのは間違いない。仏教を信じるブータンの人々と交流を深めるにつれてそのことに気づかされる。

データの信憑性

12月2日
データの信憑性
2010年中国がGDPで日本を抜いて2になった。1967年に日本はドイツを抜いてほぼ50年間2を維持してきた。日本は民主主義の国である。そのデータは正確で、誤りがない。中国のデータを疑う人は多い。特にドル資産の額がおかしいという。私達にその中身はよく分からないが、中国の発表は常に自国に都合のよいようになされる事が多い。言論の自由も、政治の自由も、思想の自由もない国のデータを疑う人が多いのも不思議ではない。中国の夜の高速道路を走ってみると両側に立つマンション群に明りが全くついていないのに気がつくはずだ。無人のマンションが延々と続いている。そんな国が世界第2位なのだろうか。国際法は存在しないかのようにふるまう国が世界第2位なのだろうか。私は中国経済のバブル崩壊の可能性が高まっていることを心配している。それは世界経済にとっても大きなリスク要因であるからだ。