2016年02月のアーカイブ

まちの小売店舗

2月28日
まちの小売店舗
どこの町を歩いても、昔ながらの小売店舗が元気というのは珍しい。商店街の体を保っているところでさえ、繁昌店は1、2軒。これは人々の買い物の仕方、生活スタイルが変わってしまったからである。まちの繁昌店が年々減り続けていつの間にか閉店となる。誠に寂しいかぎりだ。町の中心部の商店街の場合、小売店であるのに内実は全国チェーンの店なのに驚く。店構えも、商品もそれとは判り難いが、よく聞いてみると全国に展開しているとのこと。地方色が薄くなる傾向はこんなレベルにまで及んでいるようだ。逆転の発想で「福井のまちの特産品」を全国展開できないだろうかを考えてみたい。先日福井市の東村新一市長と対談した折に、そのことにふれておいたが、福井は繊維の町である。NYC、パリ、ミラノ、東京、京都などと並ぶファッションの町にしたいものである。ファッション関係の小売店のレベルアップと発展を祈っている。

インターネット教育

2月27日
インターネット教育
インターネットを利用した教育が世界中で行われている。アメリカのハーバード大学は、インターネットで遠隔授業を開始。博士号でさえ取得可能となっている。弁護士資格も取得が出来る。日本では文科省の規制のおかげで、残念ながら夢のような話であり、実現の可能性は低い。そこでリベラルアーツビルの中でその教育を行うこととした。国際競争力を備えた人材を輩出するための高度な教育機関になれるよう注力していきたい。福井県は全国の小中学生の成績レベルが、1位をキープしている。教育熱心だからだろうが、残念なことに高校生の学力ではあまりパッとしない。高校教育だけが問題なのではなく、小中学校での教育方法も見直す必要があるかも知れない。インターネットを活用して海外の大学や日本の各地方の大学や研究機関、教育機関とのコラボを実現していきたい。

あるがままを受け入れる

2月26日
あるがままを受け入れる
目の前の現実を受け入れることは易しいように見えるが、しかし至難の術であることが多い。人間の欲は大きい。もっともっとと望みはふくらんでいく。また成就しそうもない状態になってもそれをあきらめきれない事が多い。素直に目の前のあるがままの状態をすんなりと受け入れられたらどんなにすばらしいか。それが判っていながら、それが出来ない。そこでブータンの友人 カルマ・ウラにならって「瞑想」をすることにした。彼は毎日、朝と晩に30分から60分の瞑想を続けているという。私は悩み事があるとベッドの中であれこれ考えたり、早朝4時起床、7時までの読書の時間をさいて考えることが多い。ただ瞑想や坐禅という「型」にとらわれた熟慮の時間を持ったことはない。何も考えないことが坐禅の奥義とのことであるが、我々凡人には悩みの解決のための対策を必死に考え抜くことがどうしても必要となる。瞑想から果してどんな効果が生まれるのかわからないが、即実行したいと思う。また福井の駅前のビルの中で「坐禅」の教室を開くことを禅宗のお坊様と相談を始めている。これまた「あるがままを受け入れる」ための修行である。

リベラルアーツ

2月24日
リベラルアーツ
西洋では「リベラルアーツ」というと人格を陶冶する学問のことである。日本語でいうと「人文」であろうか。専門分野のことよりも一般教養的な道徳・倫理を示す言葉である。この「リベラルアーツビル」を、今回私塾を開きたいという若者達に貸すことにした。本当は福井県下にある五大学をはじめ短大、高専などの「大学連携(コンソーシアム)」に貸したいと考えていたが、条件の折り合いがつかず、残念ながら次善の策で新しい私塾「ボヌムエデュケーション及びエンカレッジ」に貸すことにした。3月12日に群馬県太田市から太田市長の清水聖義氏(太田国際学園 理事長)と学生達が来福し、講演会と討論会を開く予定。更に開講式は3月25日に開催する予定。目下生徒募集中で幼児向け、小中高生向き、一般高齢者向きとあり、英語、中国語、日本語での講義を予定しているという。今後道徳・倫理を共に学習し、日本での儒教や四書五経の教育に精力的に取り入れていくことになるであろう。思えば時宜を得た試みといえよう。

アジア収奪の歴史

2月23日
アジア収奪の歴史
数百年に亘り、西洋の国々がアジアで行った収奪の歴史を調べてみる必要がある。黒船が日本へ来る以前にアジアの諸国は、西洋の国々に次々と国土を奪われていった。植民地支配の名の下にヨーロッパ諸国はなだれをうって平和なアジアの国々を支配下に置いた。スペイン、ポルトガル、オランダ、イギリス、フランスそして新興国のアメリカでさえ、国土拡大をはかったのである。19世紀半ばにおいてこの世界の勢いに目覚めた日本は明治維新という無血革命に近い政体の激変を成し遂げて以降、急激な国力増進をはかり世界トップクラスに躍進した。その後日本は世界で恐れられていたロシア帝国のバルチック艦隊を一夜にして壌滅させた。日露戦争の勝利を予測した人は少ない。また1941年12月10日、世界最強を誇ったイギリスの戦艦プリンスオブウェールズとレパルスは日本海軍航空隊によって撃沈された。その2日前には真珠湾攻撃により、アメリカ太平洋艦隊も大きな打撃を受けていたのである。この報は、世界を駆け巡った。アジアで猛威を振るっていたイギリスの理不尽な統治に苦しんでいた人々に勇気を与えた。インド人、インドネシア人、マレー人、タイ人そして親日の中国の人々は驚喜した。1840年のアヘン戦争以来、アジアの民族を苦しめた西洋は無敵ではないことが明らかになったのである。その当時のアジアの国々は47ヶ国であったが、独立国は日本、中国、タイ王国を含めて僅か13ヶ国であった。日本の敗戦前後を含め、1950年代に独立を果たしたのは、インドネシア、フィリピン、インド、パキスタン、ミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアなど15ヶ国に上る。そしてその流れは留まるところを知らず民族自決の流れは続き、1980年代までに9ヶ国、2010年までに10ヶ国が独立を果たし総合計34ヶ国が独立した。アジアの力を西洋に示したのは日本が嚆矢であり、ベトナムが続いたのみである。アジア全域に親日国が多いのは歴史を調べると自らその理由が判明する。日本の武士道精神や友邦としての支援が戦時下でも生きていたおかげである。今後日本がアジアの一員として、またアジアのリーダーとして生きていくうえで十分配慮し、共存共栄の道を求めていく必要がある。

付加価値の最大化

2月21日
付加価値の最大化
59歳で創業して初めに設定した目標は、「付加価値の最大化」である。勿論企業であるから「事業の存続」が何よりではあるが、社会的に存在価値を認められるかどうかは社会に有益か否かで決まる。その為に自らが生み出す付加価値を最大化することを目標とした。苦節20年近くになるが、グループ全体を併せても、年間20億円に未だ到達せず、力不足を嘆ずるばかりである。
ボランティア活動に注力をしているが、ここでの「付加価値」としての指標をどこに求めるかが判然としない。経済活動と異なってその効果の量をどこで測定するかが問題である。ボランティア活動をGDPで測定することは難しいのである。日々の業務はお客様との明るい会話に始まり、啓蒙活動、地域や外国との交渉など経済効果が殆どない事に全精力を注ぎこんでいる。先日もブータン王国からセラビィツェ大学の学長ら3名と放送大学の河合明宣教授を迎えて、3日間に及ぶ福井県内での対応を行ったが、その効果を「付加価値」に換算することは難しい。ただ4名の友人達は心から福井での滞在を喜び、再会を約して別れた。東京での放送大学主催の講演会にも、私達の「ブータンミュージアム イン 福井」が共催者として加わることが出来た。これ等の多くの成果は私のすすめる「付加価値の最大化」をめざす経営、生き方にどのように評価すればよいのか考えさせられる今日この頃である。

人口問題

2月20日
人口問題
世界一の人口の国は中国、そしてインドがつづく。日本は国土の広さは世界60位、人口は10位と人口がとても多い国である。その日本で、今ほど人口減少について不安視する議論が沸騰していたことはない。世界の人口、69億人が今世紀末に100億人に達すればあらゆる面で物資の不足が起きると逆の心配をされている。よく考えてほしい。日本の人口は2011年にピークアウトをしたのである。この原因は東北大震災による死者行方不明者約2万人に加えて、海外へ脱出した外国人が4万人余りいたことの影響が大きい。いいかえると日本の人口は史上最高レベルを維持しているのである。少子高齢化の影響は今後でてくることは当然であるが顔色を変えて議論するのは少しどうかと思う。大正時代は5000万人、敗戦時8000万人、昭和40年代にやっと1億人を超え、そして今1億2600万人余りと最高域なのだ。現代病としかいいようのない過敏な心配性を私は危ぶむ。心配するなら人口減よりも毎年積み上がっている国の借金の方が先だ。その方がずっとずっと心配しなければならない問題なのである。

真心の奉仕

2月19日
真心の奉仕
NPO法人を立ち上げて早や5年目に入った。NPO法人を運営してみて疑問に思うことが多い。組織としての「使い難さ」である。NPO法の主旨は「奉仕の理想」の追求であり、日々の生活で「真心の奉仕」を貫くことであるはずだ。ところが他のNPO法人の理事長と話をすると、殆どすべての理事長が運営に苦労している。苦労していない者は何もしていないだけである。組織そのものに大きな欠点が潜んでいるようだ。まず原因の第一が日本の寄付文化の未熟さである。欧米の先進国では募金箱へ入れる人が後を絶たないのに対し、日本では赤い羽根や緑の羽根の募金でさえ無関心の人が多い。「寄付白書」が発行されて調べてみたが、アメリカの年間の寄付総額と日本のそれとでは数十倍、数百倍の差があるという。有名大学の年間寄付額も日本と他の国々とでは大差がある。「寄付文化」は寄付金に対する免税措置によって大きな影響を受ける。日本の場合、個人の寄付、法人の寄付ともに免税措置が不備である。国家の貴重な財源を費消して、波及効果の少ない事業に使われることは多いが、知恵を使い財源を全く使わずに国民の所有する財産を使ってもらうことを考えるべきである。それが寄付行為の奨励である。免税の特典を増やせばNPOは生き返る。全国の数多くの善意の塊であるNPOの活動を活性化し、社会を明るくするための配慮を是非お願いしたいものである。

藩校

2月17日
藩校
江戸時代をふり返り、称賛する声と鎖国状態を反省する声がある。秀吉時代を含めて300年に亘り国内の戦乱がおきなかったのはやはり珍しい。同時に寺子屋や藩校による教育が全国に広がり、日本全体の道徳心の涵養、知力の向上に貢献した。寺子屋は識字率を向上させ、藩校は儒学を中心として全国に普及し、今日までの日本人の精神構造に多大の影響を与えた。しかるに戦後日本の道徳教育の不在は社会の混乱を招く遠因を作ってしまった。正規の学校教育に求めたいのは山々であるが、かつての藩校を復活させたら手っ取り早い。そこで藩校明道館の復活を目論む若者を見つけた。孔子を中心に儒教を教えたいという。日本語でなく中国語でやりたいというのである。正に新しい福井藩の明道館の復活である。私は日本人の英語のディベート力の向上と日本語の世界への普及を目論んで、genjapanというネット放送局を開局し、福井県の観光を手はじめに世界へ発信をはじめている。それにプラスして、インターナショナルスクール(英語による教育)と、中国語による道徳教育を併せもったスーパースクールに進化させたいと考えた。幸いJR福井駅前は今後5年間で大きく変わることが考えられる。その折に、150年以上眠っていた藩校明道館を蘇らせる手助けをすることとした。Education’s firstというノーベル平和賞を受賞した少女、マララユスフザイさんの力強い声は今もなお私の心をとらえてはなさない。教育県日本一の福井から藩校復活を日本中、世界中に呼びかけていきたい。

所得と幸福感

2月16日
所得と幸福感
「幸福のかたち」という企画展を開催している。そこで興味のあるアンケート結果が出てきた。年収と幸福感の関係である。いろんな調査で年収と幸福感は比例するとの結果が多かったが、ブータンミュージアムでのアンケートではそれに疑問を呈する結果が出た。「我が意を得たり」と思う。私の経験から考察すると財産家になればなるほど、財産を守るという意識が強くなり、安らかな精神状態を維持するのに苦労しているようだ。吝嗇の気が強くなる。橘曙覧は、赤貧の生活の中での家族愛に満ち満ちた幸福感を高らかに歌い上げている。丸岡の霞城(旧国宝)の近くに一筆啓上の館がある。そこに展示されている手紙(超短文)も心にしみるものが多い。全ての手紙があたたかい思いやりの心について述べている。幸福を求める歌も数点企画展では取り上げているが、心の持ちようで幸、不幸が分かれることが理解できる。所得の多さを求めず社会の為に何をすべきかを常に考え、行動を起こす人を尊敬したいものである。求めよ、さらば与えられる。たづねよさらば逢うことが出来る。門をたたけ、さらば開かれる。何も思いわずらうことはない。ただ自分の為に求めず、他の人の為に生きることが幸福の秘訣である。

講演会での挨拶

2月14日
講演会での挨拶
ブータン国王に待望の第一子である王子様が誕生されたとのニュースが届いた。我々からもお慶びを申し上げたい。
ブータンミュージアムの玄関に福井県の奥越地方の大野市から取り寄せた「けいおう桜」を飾った。ブータンからの吉報を歓迎して花もほころびを見せている。
今年は日本ブータン国交開始30周年。
福井県とブータンとの関係は
1957年桑原武夫先生(日本ブータン友好協会 初代会長)等先の皇太后ケサン・チョデン・ワンチュクを京都にお迎えしてから59年
1985年月原敏博 マサガン初登頂から31年
2000年向井純子 JICA海外支援協力隊員から16年
2003年奥村彰二JICASVから13年
   大谷優子JICA支援協力隊員から13年
2005年愛知万博から11年
2007年松田宗一写真家ブータン全土を撮影旅行から9年
私の初訪問から約4年。ブータン訪問団昨年10月に第5次。ブータンミュージアム通信今年2月に12号。その間数多くの出会いがあり皆様のご協力により大きな成果を上げ展示品の収集に努めるとともに各方面からの支援により更に交流の輪を広げ、ブータン研究GNH研究を通して地域の発展そして世界平和のためのささやかな努力を続けている。今回迎えた学長等のシェラブツェ大学はブータン最古の大学で私達も今年5月に訪問予定。
ブータン東部の静かなロケーションにあり、ブータン王国の教育の要。ブータン王国は世界でも有数の生物多様性の国であり北方の最高度7000m以上の高さから南方は200m以下のジャングル。急峻なヒマラヤの山々と南北に流れる急流によって国土は分断され各学校への通学が大きな社会問題。農村の働き手がなくなる。そこでネットによる教育を取り入れるようだ。私達ものこのビルの4階でgenjapanネット動画放送やっている。今後は大学と相互に双方向のネット動画通信の交流が深まることを期待。福井県が幸福度日本一に何回も位置づけられた。GNHを国是とし、世界一幸福だといわれているブータン王国との交流がさらに深まり、講演会が新しい社会を切り開く一助となることを祈念している。

国王に男子第一子誕生

2月13日
国王に男子第一子誕生
永平寺へブータンのセラビィツェ大学学長達を案内した時、永平寺の副監院(奈良、三輪の平等寺住職)丸子孝法さんから第5代国王に男子誕生おめでとうございますとの歓迎の言葉。生まれる予定とは聞いていたが、東京から福井への移動や応接に忙しく、吉報は永平寺から私達に知らされた。一同大感激。通常では入れない所へも導き入れていただき、3人のブータン人は五体投地風のブータン式礼拝を行い、丁重にお参りして互いにそれぞれの信仰の深さに感動を覚えた一日となった。
そしてその夜、会員制の晩さん会に禅僧3名も参加下さった。丸子孝法さんは仏教界ではとても有名な方で、薬師寺の前管長故高田好胤さんとも親しかったとのことで、思い出話に花が咲いた。好胤さんの百万巻写経の全国行脚は有名だったが、丸子孝法さんは奈良県を中心に近畿一円を托鉢され、奉加帳だけで 堂宇の再建を果たされたと聞いた。現代稀な禅の老師である。
ブータンでの誕生祝の式典は世界を駆け廻り、早速4代国王の膝に抱かれた王子を挟んで5代国王とその王妃の仲睦ましい写真がネット上にアップされ、ブータンミュージアムにも掲示させていただいている。4代国王のお喜びはいかばかりかと拝察し、また今年五月のブータン訪問団(第6次)のことを思っている。

ブータンからのお客様

2月12日

ブータンからシェラブツェ大学の学長ら3名と、友人の放送大学河合明宣教授をお迎えしました。
私達は、2011年11月に第5代国王ご夫妻が新婚旅行に国賓として日本を訪問され、その折のご夫妻の初々しい爽やかな印象、そして東日本大震災、福島原発事故という正に国難ともいうべき時、犠牲者の鎮魂の祈りを捧げていただきました。その時期は、日本に駐在していた外国人はみな東京を脱出していた時だけに、福島県へお二人と僧たちを連れておいで下さり、日本の僧侶たちとご一緒にお祈り下さった姿に私達は心から感動しました。
かねてより幸福について、GNHについて関心を持っていた私はブータン王国に強く引き付けられた瞬間でした。翌2012年3月福井県の招きで私達の親しい友人となっているダショー カルマ・ウラ氏が「福井県とブータン王国の交流促進」の覚書を交わすため来福され、紹介を受けた私と家内はその場で福井に「ブータンミュージアム」を作りたいと申し出て、ダショー カルマ・ウラ氏の快諾をいただきました。その翌月ブータン王国を初訪問。ダショー カルマ・ウラ氏、内務文化省の大臣、そしてパロ博物館のシニアキュレーターのご賛同を得、ご協力の約束をいただきました。そして8月プレオープン。9月NPO法人申請、11月正式オープン。丁度3年余りが経過。あわせて5回のブータン訪問団を送り、ブータン政府要人の方々、ブータンで活躍中の日本人ボランティア、海外青年協力隊の皆様との晩餐会を開き、また福井でのブータン関係の講演会開催やブータンからのお客様のお世話を行い、交流を深めております。そして、公式訪問を予定通りすませて、NPO幸福の国の会員との交流パーティーを開き、翌日午後から講演会を開催。ブータンにおけるGNH教育や、辺境の学校でのネットを使った遠隔通信教育等について熱心に意見の交換を行った。

春嶽公

2月10日
春嶽公
明治維新に勲功ありとして、朝廷はこれを嘉賞して松平春嶽を議定職に任ぜられ勲一等旭日大綬章を賜わった。当初は明治政府に参与として中根雪江、毛受洪、酒井十之函、青山貞、由利公正、横井小楠を加え越前福井藩よりは他藩に抜きんでて6名が参加している。この藩祖は徳川家康次男秀康。勇猛の士とされ秀吉没後は死ぬまで家康の近くで政治に励んだ。三男秀忠はずっと江戸にいて二代将軍を継いだ。福井藩では藩祖秀康の行状を讃える「奉思録」を定日に諷唱した。儒臣吉田東篁と横井小楠は同じ程朱学であったが実学派の小楠は常に諸国を歴訪し、天下の情勢に即応していたのに対し、東篁と意見の衝突が多かった。「流動如水」を心がけた小楠は春嶽に信頼され藩校明道館の運営にも再々意見を具申した。新知識を求めて春嶽は藩士日下部太郎、佐々木、柳本をアメリカに遊学させ明治元年英人ルシイ、明治4年には米人グリフィスを招聘した。明道館は明新館と改称され多くの人々に学びの機会を与えた。若くして明道館の指導者に抜擢された橋本左内は春嶽の片腕となって江戸、京都で活躍。井伊大老により刑死。弟橋本綱常は明治政府の医官として日本の医学界の発展に大きな足跡を残した。みな明道館(明新館)にて薫陶を受けたのである。

孔子のDNA

2月9日
孔子のDNA
2500年前の孔子の教えが論語に編纂され現代に受け継がれている。本場の中国よりも、日本に根付いたように思う。その中心思想の一つは「中庸」である。「ほどほどに」という私達が現代社会で目標としているものと非常によく似ている。私は「ほどほどに」という考えを、「貪らない」と捉えているが、より深い意味が「中庸」にある。さらに最も重い言葉が「恕」である。「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」と説いている。「恕」とは「思いやり」である。自分のことより相手の心を常に考えて生きる。その心が「恕」である。孔子は人生最大の教訓とした。日本では「道」が大流行だ。茶道にはじまり華道、書道、香道、柔道、剣道等々。「朝に道を聞きては夕べに死すとも可なり」といっている。「道」を求めて歩く日々である。

まほうの水

2月7日
まほうの水
「ルルドの水」といわれる万病に効く水がある。ヨーロッパは硬水が多いが、このルルドの水の秘密は何であろうか。日本は軟水が多い。その軟水列島の北から南まで奇跡の水を訪ね歩いた。水博士といわれる先生方に5人集まってもらって、1年間ご教授をいただいた。そして天然の水素イオンが封じ込められた温泉水とめぐりあえたのは、鹿児島の端であった。「ビュート水」と命名した。この温泉水は地下700mから汲み上げてくる。すぐ近くにある有名な馬主がいる。この馬主が所有する競走馬は温泉水で入浴させている。数々の入賞を果たした競走馬たちの健康管理、特に傷の治りの早さが知られている。正にまほうの水である。私はこのビュート水を飲みだして早8年風邪をひかなくなった。体調は万全。北海道の「北の大地の水族館」のすぐそばにもそんな温泉がある。水族館の魚の傷がすぐ治るというのである。これまたまほうの水と呼ばれている。

アジアの時代

2月6日
アジアの時代
21世紀は、アジアの時代だと20世紀中からいわれ続けていた。21世紀に入りそれが正しいことが証明されつつある。例えば、先進国といわれてきたヨーロッパ諸国は、勢いを失いつつある。ECという新しい地域は内部に数々の問題を抱え、崩壊の危機にある。アメリカは20世紀の覇者であったが、今世紀に入り、輝きを失ってきた。かつての大英帝国の落日を思うと心配だ。それに対してアジアの勢いは天をつく。中国の躍進、日本の復活、韓国、台湾の健闘、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア等も好調だ。インドも確実に力をつけてきている。日本の貿易相手国は、かつてダントツの第1位だったアメリカが第2位に後退し、あと数年で1ケタの普通の国になりそうだ。それに代わって中国の比率がどんどん高くなり今やダントツの1位となっている。そして日本の貿易相手国はアメリカ、オーストラリア、ドイツ、ロシアを除くと殆どすべてアジアの国々である。そして隣接する中国、韓国、台湾がベストテンの上位にある。この三者との関係緊密化を深めていく必要があろう。その為の努力を怠ってはならない。

アジアの盟主

2月5日
アジアの盟主
1980年代ジャパンアズナンバーワンとして日本は世界一のGDP国になりそうになった。世界中がそう信じた瞬間があった。アメリカの世論は沸騰し、日本たたきが出現した。日米経済戦争の様相を呈した。その時、日本の中では、過剰流動性による過剰設備投資と同時に株式と土地への投機が行われた。その流れは日本国内にとどまらず海外の株式、土地への過剰投資となって表れた。そしてバブルは崩壊した。その後20年間日本の金融政策、土地投機の対応策のミスの連発により、世界一の実力を持っていたはずの日本経済は低迷の闇中をさまようことになった。21世紀の世界の現状を見てみると、アメリカと中国の関係が35年前のアメリカと日本の関係に酷似していることに気付く。中国の国内での不動産投資の行き過ぎからはじまり、過剰流動性による過大な設備投資、そして民衆の爆買いは世界へ広がった。中国で起きていることは、明らかに35年前の日本と軌を一にしている。バブル崩壊が起きている。願わくば中国政府の舵取りがかつての日本の失敗の轍を踏まないことである。 

不動産と株式

2月3日
不動産と株式
日本銀行のかつてないほどの金融緩和により、資金が不動産と株式に流入してきた。特にリートへの資金流入が激しい。バブル時の総量を既にオーバーしたとの報もあり、大事件によっては急激な縮小即ちバブル崩壊の危険もあろう。株式については企業の内部留保が積み上がり、安全性が増してきている。まだまだ期待できそうである。グローバル化の波は急激な変化をもたらす。繁栄のピークからドン底への転落もあっという間におきる可能性がある。用心しておかなければならぬ。MアンドAが常態化してきており、株式の移動に十分注意することが大事。コインパーキング業界もここ数年買収や提携の動きが激しくなってきている。企業価値の向上も大事だが企業防衛は更に重要事項である。

東京脱出

2月2日
東京脱出
東京脱出を目論んだのは今から10年前。そして8年前に社長辞任、代表権のない会長に退き、福井へ引き込んだ。東京周辺の土地、ビルを次々と売却し、福井本社の周辺へ資産を移していった。福井市が福井駅前105haの再開発プロジェクトを国に申請、許可と時を同じくしたのだ。幸い順調に、資産の移転が進み、関東では2、3の物件を残すのみとなった。その一つ南青山1丁目のビルも東京都から買取りの話が来ており、その対応に追われている。東京への集中は異常である。もし大災害が起きたら日本は壊滅的な大打撃を受ける。東日本大震災の教訓が全く活かされていない。優秀な政治家の不足は目を覆うばかりである。「東京から地方」は必然であり、何としても成功させねばならない。その為に地方創生が名実共に行われなければならない。本年度国家予算の内訳をみると。まだまだ地方への投資が少ない。地方創生はアイデアだけでなく、手厚い資金手当てをともなって行うべきであろう。