« 2016年06月 | メイン | 2016年08月 »
2016年07月のアーカイブ
Search
2016年07月31日
福井地域学
7月31日
福井地域学
県立大学教授、福井大学客員教授南保勝経済学博士の講演会を久しぶりに聞いた。日本一幸福な県は福井県と喝破した坂本光司法政大学院教授につづいて、全国と福井県の定住分析を行っている。特に新しい視点はそれを歴史的な考察を交えたことだ。問題点を原発、新幹線、人口減少と絞っている。原発停止による影響は甚大である。そして明治維新以降の人口問題についての分析は、北陸地区がなぜ取り残されているのかにもう少し説明してほしい。私が福井に住んで半世紀を超えた。いつも気付くのは福井県人の粘り強さ、忍耐力そして女性の勤勉さである。また自然環境のすばらしさを忘れてはならない。嶺北の地形は他に類を見ない特徴を持っている。すべての河川はたった1ヶ所三国港に向かって流れ下っている。白山連山を頂点とする東、南、西の山々にかこまれた越前平野は北方の長い砂丘に守られている。水の流れ下るのはたった1ヶ所、三国港だけである。この地理的な特性が連帯感を守り育ててきたのであろう。その自然条件のすばらしいことは住んでみなければわからない。「幸福日本一」の分析がまだまだ必要である。福井県の教育の高さ、そして現代人が最も好む食の豊かさ、自然との共生についても考える必要があろう。県内のオンリーワン企業の分析は面白い。伝統工芸品産業の分析、繊維産業日本一への言及もすばらしい。福井にいま最も必要なことは福井のよさ、福井のすばらしさを全県民、全国民、全世界に知らせることである。その為に力を盡したい。「genjapan」ネット動画放送を始めて1年半。外国からのアクセスもふえて、福井県のPRに少しずつ貢献しだしている。
2016年07月30日
一日一善
7月30日
一日一善
幼いころ神社へ参拝するといつも神主さんの祝詞が聞こえてきた。月参りといって家の神棚の前でも神社と同じ祝詞を上げて頂いていた。 その内容が「世の為人の為に盡さしめたまえ」というのであった。百回聞けばそれが習い性になる。59歳で会社を設立して社是を考えた時この言葉を柱に据えることとした。それが「喜びの種、幸せの種を蒔こう」であり、「十方よし」である。7月10日に会社設立20周年を迎えた。 全国の支店長を集めた会議で初心を忘れるなと要望した。心にかけながらも、一日一善すらなかなか実行できない。せめて今日、誰かの為に何かをしたいと切に願っている。
2016年07月29日
福井県を日本のシリコンバレーに
7月29日
福井県を日本のシリコンバレーに
アップルコンピューターがパソコンで世界シェア10％を獲得していた1988年頃、ＩＢＭコンパチは世界シェア25％以上であった。日本では日本語の壁があり、ＮＥＣのＰＣ98の独壇場。アップルの日本でのシェアは0.7%と無に等しいものであった。ＮＥＣの世界シェアは日本以外ではこれまた極端に低い状態。アップルは0.7％といい乍らデザイン系の技術者からは圧倒的な支持を得ており、私は数年先のＮＥＣのＰＣ98の苦戦を想定せざるを得ないと感じ、アップルとＩＢＭの販売権の獲得に乗り出すこととした。1989年シリコンバレーのアップル本社へ部下5人を連れて販売権獲得に乗り込んだ。ジョンスカリー会長と面談。日本で16番目の全国販売権を獲得。15番目は西武の堤清二さんであった。伝説のスチーブジョブズは直前に解任されて、「ＮＥＸＴステーション」という別会社を設立して全米をにぎわしていた。その後復活しアップルの快進撃がまた始まったがそのアップルの快進撃と共走する糸口は販売権の獲得であった。ジョンスカリー（当時既に伝説の人物になりつつあった）は、「5人のメンバーを連れて乗り込んだ日本人はあなたが初めてだ。即決しよう」と肝胆相照らす仲となり、即座に日本への招待を決め、アメリカ人システムエンジニア社員の採用への協力を依頼した。ＪＲ京葉線海浜幕張駅前にアップルセンターを開設したのは確か日本で3番目だったと思う。世界一大きく、世界一高い所（地上19Ｆのビルの中）だとジョンスカリー会長のお褒めの言葉をいただいた。何かプレゼントをあげるというので彼の著書(日本語訳)にサインをしてもらってお客様にお配りした。100冊いただいた。その後3年間担当専務としてアップル、ソニー、ＮＥＣ、ＩＢＭ等のハード、ソフトの販売と子会社でのシステム開発を担当。10年で10倍は他へ転職したので実現できなかった。あれから20年経過したがいまだに10倍は未達の状態であり、心を痛めている。福井県を日本のシリコンバレーにしたいという私の夢はいまだにその萌芽すら見えない。夢を語れる友人達、夢に向かって歩き出せる若者達そしてその人達を支える投資家達が世界から集まる環境を、この幸福日本一といわれる福井県に創りたい。その私の夢は今なお健在である。その起爆剤は‘genjapan’ grobal English network Japanである。このインターネット放送を始めて1年余りが経過した。この事業はそろそろブレークの時を迎えようとしている。技術者やアナウンサー、カメラマン、プロデューサーの大量採用の時が近付いている。そして世界中から幸福を研究する学者、研究者を集め国際会議を福井で開催したいと思っている。福井県がＩＣＴのメッカになることをめざすと同時に幸福を求める人が訪れるメッカになるよう努力しつづけたい。
2016年07月27日
福井市の住宅事情
7月27日
福井市の住宅事情
福井市中心部を流れる足羽川は先年堤防決壊により毛矢町側へ大浸水が発生し大きな被害が出た。その後復旧は進んだものの、住宅の3分の1は空家、残り3分の1は高齢者の一人住まいとなっている。正常な2〜４人家族の住居は3分の1になってしまっている。ただその空家について、売却の意向を調査したところ、先祖伝来のものだから売れないとの強い拒否にあった。1990年代のバブル崩壊の後も、土地神話は65才以上の年代には生きている。そしてその子供の世代にも受け継がれており、土地の流動化には大きな障害となっている。空家を半ば強制的に集約したり、リフォームするために、政府は「空家バンク」の開設の検討を始めたようである。私達は20年前からこの空家空地バンク事業にとり組みはじめた。全国標準になるようシステムの品質向上に努力をしていきたい。
2016年07月26日
来世の幸福
7月26日
来世の幸福
ブータンの人々は輪廻転生を信じている。私の祖父母もそうであった。その生活態度は常に質素であった。自らの財産に固執せず慈善を旨としていた。そして近隣の人々、親戚友人達と信頼しあって生活していた。生活の知恵も豊富で毎朝声に出して新聞を隅から隅まで読んでいた。生半可な知識ではない。よく他人の相談に乗っていたようだ。よく考えてみると、その生活態度は仏教でいう幸福の要因にピッタリだったことに気付かされる。即ち信頼、規律、喜捨、叡智である。むさぼらず、清らかな生活を送り、周りの人々に喜びと幸せをもたらす生活であった。ブータンの人々の幸福の原点を見る思いがする。私もよわい80才をむかえんとして、そんな日々を送りたいと思う。
2016年07月24日
百寿
7月24日
百寿
百才の人というとキンさんギンさんのおばあちゃん姉妹が一世を風靡した。百才ごえは人間にとって最高の夢である。centenarianである。私の知人では、享年107才まで絵筆をにぎっていた豊田三郎画伯が最年長、そして100才ごえまで現役ロータリアンであった山際喜一さんとも特別親しくおつきあいをさせていただいた。今その百寿者が増えているという。健康法を調べてみたので参考までにまとめておきたい。
百寿の秘訣
１． 食 腹八分目をいわれる百寿者が多い。何でも食べる。しっかり噛んで食べる。酒は1合程度ならよい。
２． 心 好奇心旺盛に。暢気な笑い声。前向きで頭の回転を速く受け答えをはっきり。ユーモアのセンスをもって明るく誠実に暮らす。他人を喜ばせることに生甲斐を持つ。
３． 衣 おしゃれする。服装も化粧も明るく。色気を失わない。
４． 住 家族や親しい友人（施設の場合を含めて）と共に暮らす。親身に気づかってくれる友がいる。入浴が体に良いので風呂に入る習慣を。
５． 生活習慣 散歩、ストレッチ、マッサージ、筋トレなどの適度な運動をする。趣味を持つこと（和歌、俳句、書道、絵、歌、三味線、ギター、ピアノ、刺繍、絵てがみ…）
６． 病 一病息災というが病気と共生するつもりで生きる。風邪をひかないこと。
2016年07月23日
オリンピック道路
7月23日
オリンピック道路
東京オリンピックが2020年に開催される。それに伴い都心の道路整備がすすんでいる。社有ビルが収用の対象となった。オリンピックのためとなれば東京都のためだけではない。日本のためでもあり、世界のためでもある。喜んで収用に応ずることとしたい。東京の地価の上昇は年率7−8％である。地方都市と比べるとまさに天と地ほどの差がある。東京一極集中を解消する必要があると言いながら、具体的な方策が見つからない。魅力のある雇用の受け皿づくりをめざしているが残念ながらそれを広く内外にPRする発信力が弱い。一歩一歩地味ではあるが着実に前進しようと思う。
2016年07月22日
北海道
7月22日
北海道
私の会社の札幌支店と数年前にＭ＆Ａで引き受けた子会社を合併させて一年が過ぎた。北海道は可能性が国内ではダントツの地域である。まず土地が広い。四国の４倍、九州の倍に近い。そして人口密度は全国で最少。1ｋ�屬�70人しか住んでいない。世界で同じ規模のよく似た国を探すとアイルランドが面積、人口密度ともよく似ている。北海道の方が少しずつ大きく、多い。観光資源の豊かさ、雄大な自然のすばらしさは群を抜いている。未開拓の土地は広大。主産業は農業であるが、一人当たりの県民所得は全国中位と、東北や四国九州、離島よりもずっと多い。農業は全国平均よりもはるかに大規模で、日本農業の未来の姿を示してくれているのかも知れない。観光客は世界中から来ているが、その規模はまだまだ小さく、逆に可能性はとてつもなく大きい。私は北海道を第二の創業というほどに力を入れていくつもりで、若手の役員を社長として送り込んだ。楽しみにしている。
2016年07月20日
美女
7月20日
美女
美女は印象に残る。若い頃、京都の四条河原町通りを歩いていた。大学の２回生だったと思う。カメラ店や宝石店の店頭で立ちどまってウィンドウを見ていると、クラマ画会の先輩からチャラチャラしたものを見るなと忠告された。ある日一人で歩いていて、何を「見るな」といわれたのか、なぜ「見るな」といわれたのかを考えつつ、ある宝石店のショーウィンドウを覗き込んでいた。そのとき私のすぐ横に同じようにじっと見ているひとがいる。横を見ると目の大きな美女である。あまりの美しさに目がはなせない。至近距離だ。その時彼女は何を思ったのかニッコリ笑い会釈して立ち去った。山口淑子である。その時37才。まさに妖艶。声を失った。その後彼女は2014年まで長生きし、95才で逝った。一期一会であった。その後スクリーン上では何度もお目にかかったが、四条河原町の出会いを忘れられない。
2016年07月19日
日本の建築
7月19日
日本の建築
友人に建築家が多い。ブータン王国へ行くとその建築のユニークさに驚く。統一感がすばらしい。そして美しい。日本の建築の問題点はと友人に聞くと、まず必ず出てくるのが断熱性能や防音性能の低さである。これは断熱材の厚さを増やすことで簡単に解決できる。その簡単なことがすぐ出来ないことが問題だ。次いで耐震性能の低さも心配だ。基礎工事への意識をもっと高める必要がある。耐火性能もだいぶ上がってきたがまだ満足とは言えない。以上の点に留意すれば、省エネ効果も上がり、日本の建築の質も世界レベルになるであろう。そして建築は美しくなければならない。古民家や城、寺社と現代建築を比較すればよく分かる。緑化についても重要だ。中庭や前庭、屋敷林を持つ住居は本当に美しい。そんな住宅を期待している。今日も私の住むマンションの庭は花ざかり。噴水のそばにはアジサイが咲き、セイジやムクゲが美しい。庭園は建築の脇役でない。季節のうつろいと共に私達の心をなごませてくれる。
2016年07月17日
中国のAIIB
7月17日
中国のAIIB
中国の習近平国家主席が二つのシルクロード経済圏構想を掲げて以来、海でも陸でも問題が次々と吹き出した。特に海ではルートと発表された海域や他国の港湾に軍事施設が次々と建設されている。平和主義者のオバマ大統領が手荒な対応をしないと見て中央突破の強硬策をとりつづけている。そして中国主導で創立されたAIIBの初融資の発表があった。予想通りシルクロード上の各地点への融資である。インドネシア向、パキスタン向、そしてバングラデシュ向である。ただ今年の融資予定額は約1200億円。しかしその半分は世銀等の他の金融機関との協調融資である。実質の融資額は僅かに600億円程度にすぎない。中国はPRが上手である。中国経済の内実は決して良いとは思われず、US＄の保有量が発表されている通りかどうか疑う意見もある。中国リスクについてはその動向を慎重に分析し、世界経済に与える影響を見極める必要がある。目をはなせない。
2016年07月16日
幸福の経済学
7月16日
幸福の経済学
この名前の映画をブータンミュージアムで上映している。幸福とお金については現代人は間違った認識をしているようだ。お金が欲しい人に私はこんなアドバイスをしている。100万円が欲しい人には99枚の新聞紙の上に1万円札を1枚乗せれば100万円。1000万円欲しい人には999枚の上に1枚乗せれば出来上がる。お金では人は幸福にはなれない。しかし赤貧の中でも幸福かといわれるとこれまた答えは難しい。常識的にはまず十分なたくわえがあり、経済的な安定した生活が送れること。個人的な借金がないこと。奉仕や慈善のためのささやかな資金があること。そして一番大切なことは精神的な安定の上に感謝の心で暮らすこと。心すべきは多すぎる財産である。多すぎる財産は人間を不幸にする。どんどん喜捨して身軽になることを忘れてはならない。幸福の経済学の最も重要なところである。
2016年07月15日
宣伝ベタ
7月15日
宣伝ベタ
福井県は日本一幸福な県といわれているが、福井県民の宣伝下手は有名だ。お隣の金沢と比較するとその差に驚く。金沢は先行投資にここ20年以上巨額の資金をつぎこんだ。そしてその宣伝のうまいこと。福井は先行投資がほとんど無いに等しい。そして宣伝下手である。まずとりあえず「知らせる」ということに力を注いでみよう。そして中身の素晴らしさに気づいてもらうとしよう。「幸福日本一」という「ブランド」はこれ以上ないものである。このブランドを磨き上げることも重要であるが、「幸福日本一福井県」を連呼するだけでも変われると思う。
中国を侮るな
7月13日
中国を侮るな
昨年から中国経済の低迷が云々されるようになってきた。場合によっては中国発のクラッシュの予測すら出ている。先月、北京と煙台の空港を訪れたが、確かに少し静かな点が気になった。しかし経済のデータを見る限り、中国の存在感は日増しに強くなっている。あらゆる分野で中国は断トツの世界一の生産を誇っている。鋼鉄60％、粗鉄48％、化学繊維63％、セメント58％、鉛46％、スズ46％、造船41％、亜鉛40％、アルミ40％、チッソ肥料37％、リン酸肥料37％、硫酸35％、工作機械30％、銅25％、紙25％、自動車24％二輪車も、ニッケル23％とそれぞれすべて世界一の生産を行っている。ダントツである。そして食料品、一般機械、テレビ・ラジオ・ビデオ・ケータイ・パソコン・デジタルカメラをはじめ電化製品もほとんどすべてトップである。世界の工場を目ざした私たち日本のお株を今ではすっかり中国にとられてしまっている。輸出では中国、アメリカ、ドイツ、日本の順。輸入はアメリカ、中国、ドイツ、日本の順。今や中国はアメリカをしのぐ実力をつけていることに留意しなければならない。データをしっかり読みとき、正しい対応をとらなければ禍根を残すことになりかねない。心せねばならない。
2016年07月12日
強欲資本主義
7月12日
強欲資本主義
タックスヘイブンとは何か。税金を安くして海外からの個人、法人を呼び寄せる地域や国のことをいう。1975年の頃のタックスヘイブンはスイスやリヒテンシュタインが有名であった。その頃から世界を股にかけてビジネスを行うコングロマリットが出現するようになった。世界でも特異な存在であった日本の商社（当時は十大商社といわれていた）が活躍していた時代である。ところがこのころから世界各地に次々と出現するタックスヘイブンの地域や国々に、コングロマリットは拠点を移しはじめた。日本の商社の利益がその頃からランク外になっていったのは日本の巨大メーカーの大手商社離れだけではないように思ったものだ。今世界の富はひとにぎりの個人や法人ににぎられている。トマ・ピケティの「21世紀の資本主義」の理論を待つまでもなく、世界が強欲資本主義に向かっていることは誠に憂慮すべきことといわねばならない。弱者や貧しいもの、虐げられている者への同情と支援こそが私達の使命である。もっともっとと際限のない欲望にかりたてられている資本主義に警鐘を鳴らさなければならない。地球は有限である。子々孫々にこの美しい地球を残すため何をなすべきか真剣に考えたいものである。
2016年07月10日
何ができるか、何が求められているか
７月10日
何ができるか、何が求められているか
親しい友がまた一人、生活保護の支給を申請した。三菱系の会社にいたが、思うところがあり、若い頃退職し、仏教の道をめざした。無住の寺をまわりながら仏の道を説いて数十年、長い間の無理がたたって発病。托鉢もままならず、病気には勝てず、今回の申請になった。本人は黙して語らず。友人の口から伝え聞いた。週刊誌や月刊誌には金儲けの話があふれ、人々のギラギラした欲望の風をなげいている昨今の私である。私に何ができるか。私達にいま何が求められているのか。しみじみと考える。
2016年07月09日
越前藩
7月9日
越前藩
徳川家康の次男於義丸は豊臣秀吉の養子となり、秀康と命名された。その後東国の名門結城家を継ぎ、結城秀康となった。徳川家は三男秀忠が継いだ。関ヶ原の役の後、家康の命により、加賀100万石前田家の押さえとして武勇に秀でた結城秀康は越前68万石に封ぜられた。島津家77万石に次ぐ全国第3位の大々名である。それに続いて四男五男も大封を継いだが死亡と同時に改易され、尾張、紀州、水戸が御三家として残った。御三家の上に御家門筆頭の福井藩があった。その後秀忠、家光の時代に種々と軋轢がつづき滅封、改易があり幕末には辛うじて35万石を維持。その間御三家により藩主を迎えることがつづいた越前福井藩は徳川家そのものなのである。幕末に水戸藩らとともに、公武合体をすすめ、四賢候として名高い松平春嶽は島津斉彬らと更に一歩を進めた。藩籍奉還が平和裏に実行できたのは徳川側の意志でもあった。天皇親政の最初の組織に松平春嶽以下福井藩の人々が多数入り、新しい日本の建国に貢献した。その中でも松平春嶽、横井小楠、由利公正は明治新政府にも残った。特に由利公正は明治新政府の資金的な運用の責任者としての重責を全うし、東京府知事などを歴任した。銀座レンガ街の建設は由利公正の発案である。松平春嶽は徳川宗家のことを常に配慮し明治天皇から公爵を拝領させた。また会津松平家に対しても名誉回復に盡力した。日本の明治維新の歴史は、もう一度書き直す必要を感じている。徳川300年の間福井は江戸、京都、大阪に次ぐ大都市であった。
2016年07月08日
リネン
7月8日
リネン
自然素材のよさが再認識されてきている。例えばリネン。リネンは麻である。日本の麻とは多少ちがう。日本の麻はリネン（亜麻）、ヘンプ（大麻）、ジュート（黄麻）、ラミー（苧麻）などをいう。通産省の通達で麻は亜麻（リネン）と苧麻（ラミー）だけをいうことになっている。大麻が流通するのを防ぐ意味もある。麻は丈夫で１０年はもつといわれる。フキンとして愛用する女性が多い。綿の吸水率を遥かにしのぐ麻フキンは婦人方の頼もしい味方である。大麻は神官の上布（装束）やのれんに使われるが、葉や花が麻薬の原料となるので栽培は免許制となっている。苧麻は夏衣としてよく使われており人気は高い。上布といわれている。日本の麻は縄文時代の出土品から類推すると実は食用、茎からの繊維は織物や紐、縄として使われた。絹は高級品、麻は庶民のものとして長い歴史を持つ。最近の自然回帰の傾向としては肌に優しいリネンは高級品として再登場してきており、面白い素材である。
2016年07月06日
支えあう、助けあう
７月６日
支えあう、助けあう
人は裸で生まれてくる。死ぬ時も何も持っていけない。やはり裸で死ぬ。人は一人ずつでは生きられない。多くの人々に助けられ、支えられて生きている。「人」という字は支えあっている姿だと教えられた。生まれてきた時も、死ぬ時も多くの人々に助けられる。孤独死がふえてきたが、孤独死ほど悲しいことはない。何とかそんな悲しいことをなくしたい。そう考えている。私達のＮＰＯ幸福の国、ブータンミュージアムは「人を孤にしない」を合言葉に活発な活動を続けている。お１人様世帯が日本の標準世帯になりつつある。一人でいるのは人間らしい生活ではない。なぜなら「個」は「孤」を生む。一人でいると人間はロクなことを考えない。人間は社会生活を営んでこそ人間である。だからＮＰＯでは参画することをおすすめしている。誰かと話をすること、人と触れ合うことで人は生きる力をいただける。支えあう、助けあう社会をと願い、小さな小さなＮＰＯであるが、微力を盡している。
2016年07月05日
シェアエコノミー
7月5日
シェアエコノミー
20年前に月極駐車場を時間貸し駐車場として活用するビジネスに参入した。これは50年ほど前に福井工業大学が特許を取って全国展開をはかっていたシェアエコノミービジネスを大々的に発展させる新事業として、不動産賃貸業界の仲間に呼びかけてはじめたものである。最近ヨーロッパでシェアエコノミーが盛んだという。シェアエコノミーが盛んになる要素の一つにネット環境の整備がある。しかし本来的な原因は私達が早くから気付いて実行してきた3次元の経済領域への時間軸の投入である。このことにより経済効果を数倍に上昇させることに成功した。今やコインパーキングは日本全国に普及しその経済効果は軽く1兆円を超えている。まさにシェアエコノミーの先駆者であり、成功事例の最たるものである。今、空家のホテル旅館用への転用や自家用車の白タク化などのシェアービジネスがとりあげられているが、もっと違った分野にシェアエコノミーの花園があるように思う。もうすぐ80才を迎える私のブレンストーミングの材料として格好のテーマである。
2016年07月03日
きもの
7月3日
きもの
友人の紹介で清水屋呉服店を訪れた。山田直一社長、創業明治5年の老舗である。 三井寺のすぐそば、琵琶湖疎水に近い。山田さんは文科省に働きかけて全国の中学生に「ゆかた」の着付け教室をはじめることに尽力された。子供達がゆかたに親しみ、民族衣装の一端にふれると共に、日本文化の伝統を忘れないよう仲間達と共に努力されている。 私は長浜の「浜ちりめん」や「浜ビロード」のよき伝統を、もう一度全国に世界に広めたいと念願している。その為京都に本部がある「日本きもの学会」に入会し、今度は山田さんの推薦する「日本きもの連盟」に入会し、仲間と共に和服（きもの）の復興に力を注ぐつもりである。2020年までに日本食の「和食」や日本各地にある製紙の「和紙」につづいて、「和服（きもの）」の世界ユネスコ文化遺産登録をめざしたい。その為の仲間作りに力を入れたい。先日長浜市の藤井市長に会い「長浜きもの大使」の制度をつくるよう提案。2016年度中にスタートしたいと要望した。地元の工組や商店街、市民団体と連携しながら実現に向けて努力をつづけたい。
2016年07月02日
ＪＩＣＡの地方創生支援
7月2日
ＪＩＣＡの地方創生支援
外務省の外郭団体ＪＩＣＡとのおつきあいがはじまって早や5年目となる。若い頃、世界の国々を歩いていた頃は、先進諸国ばかりを対象としていたので、ＪＩＣＡでなく、ＪＥＴＲＯとのおつきあいが多かった。最近ブータン王国と交流をはじめ、ブータンミュージアムを福井市中心街でオープンして以来、ＪＩＣＡとは二重三重のおつきあいとなった。新たに北陸支部長に就任された仁田支部長は、生まれて初めてブータン王国を家内と訪問した折、現地ＪＩＣＡ事務所長だった。それ以来何度か福井で講演をお願いした。今回はＪＩＣＡの地方創生支援についての卓話をお願いした。全国に15カ所の出先機関があり、各都道府県に推進員のいるデスクがある。その為地方の数々のニーズに対応するために、地方の産業とのコラボレーションや地方の産品の紹介また外国商品の輸入などの指導がふえてきているとのこと。地方の中小企業にとっては願ってもない話である。これからのブータン王国と私達の交流、技術支援等について多くのことを期待している。何からはじめたらよいかを熟慮する毎日であるが、とりあえず来秋の「ＧＮＨ世界大会を福井で開催する」という私達の夢に向かって努力をつづけようとおもう。
2016年07月01日
年のせい
7月1日
年のせい
感覚が鈍くなってきた。年を取ると物事に動じなくなるとは聞いていたが、その原因は心の鍛錬によって生じると思っていた。実はそんな高尚なものではなく、単なる皮膚感覚をはじめとする五感の鈍化に過ぎないことに気付かされる。暑さ、寒さに極めて敏感だと思っていたが、最近ではだいぶん鈍くなってしまった。熱い湯にも平気で入れるし、理容院の洗髪の湯の温度もあまり気にならなくなった。ただ、将来に対する不安だけは大きくなる。「老人の取り越し苦労」と言い古されてきたものである。不安は心身に悪影響を及ぼす。不安の解消には、唯々その解消に向けて、毎日毎日小さな努力を積み重ねることである。そう信じて今日一日を送りたい。