2017年11月のアーカイブ

葵祭

11月29日
葵祭
京都三大祭りの一つ、葵祭。かつては加茂祭という。継体天皇の御子欽明天皇の時代に凶作の年あり。五穀豊穣を願いはじまる。源氏物語の葵の上と六条の御息所の車争いは有名。この祭りの花は京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社まで巡行する行列の美しさ。その中心に斎王代の乗る「腰輿」がある。十二単を着た未婚女性。かつては斎王と呼ばれた内親王、王女が務めた。戦後復活と同時に京都在住の未婚の女性から選ばれる。今年は19歳の富田紗代さん。同志社大学生の美女。三人姉妹。姉達も同志社大学を卒業し、女人列に出た。三人とも女人列に出た美女揃い。しかも三人とも同志社である。今年の葵祭りにまた一つ話題の花が咲いた。御所の庭、下鴨神社の糺の森はかつて私の散歩道であった。下鴨膳部町の下宿が懐かしく思い起こされる。

幸福日本一の福井県

11月28日
幸福日本一の福井県
ブータンミュージアムの役員会でモメることがある。福井県は本当に「幸福日本一なのか」という点だ。幸福感は個人差がある。メンタル面が特に強い。しかしデータはある。1992年から8年間、政府の47都道府県を対象にした「豊かさ指標」がある。8分野、159項目の指標を使い発表。福井県は5年連続総合1位。ダントツである。ブータンのGNH(国民総幸福度)ほど有名ではないが、2011年法政大学院の坂本光司教授と「幸福度指数研究会」が発表した幸福度ランキングでトップは福井県。2014年日本総合研究所の寺島実郎社長が発表した全47都道府県幸福度ランキングもトップは福井県。更に2017年もトップは福井県。福井県に比肩できるところは皆無である。「幸福」の根源はどこにある。この永遠のテーゼに対する答えを毎日考えているのが私達ブータンミュージアムのメンバーである。一人一人、時間の許す限り、説明させていただくことが私達の無上の喜びである。

愛と感謝

11月26日
愛と感謝
地上でもっとも崇高な愛は母の愛。天上の神の愛は別であるが、愛は与えることから始まる。利他の心である。報酬を期するものではない。愛に対するものは感謝である。「ありがとう」の一言で報われる。

福井の地酒

11月25日
福井の地酒
日本酒のおいしさの源は、「水」にある。この「水」はその土地により大きく変る。日本酒の味を決める第一の条件。世界一の越前和紙が証明する「水」である。次は「米」。福井には五百万石、おくほまれ、越の雫、九頭竜、山田錦、神力の六種の酒造好適米が認定されている。そして「つくり手」が大事。かつて福井には杜氏組織があった。糠、大野、棗が存在したが、今は蔵元杜氏と社員杜氏に変り、それぞれ研鑽に励み、個性豊かな地酒を生み出している。まさに地酒王国、幸福どころ。

えきまちテラス長浜

11月24日
えきまちテラス長浜
ひらがなとカタカナそして漢字の名前。長浜駅前に出来た。区分所有でなく、元の地主の分有。私の旦那寺の敷地も一部かかった。集まる。つながる。伝える。育てるという4つの思いから生まれた。この設計企画は京都のアルパック(株)地域計画建築研究所。10年近くおつきあいをしている友人の会社である。ちなみに私の会社は白山AIファーム。漢字とローマ字とカタカナを使った。この名前は更にナウい。

農業とドローン

11月22日
農業とドローン
ドローンとは一体何だ。現在は空飛ぶロボット。特徴は自重の2倍の物を運ぶことが出来る。現在の陸上の車は半分しか運べない。陸の自動車と海の船舶の行動範囲は狭い。ドローンの場合のエリアはZゾーンという500フィート以下の空間だけでも車や船の何十倍もの可能性がある。運送能力・行動範囲・安定性どれをとってもドローンは最高。これを農業に生かす道を模索している。

師 片山博太郎

11月21日
師 片山博太郎
アナーバーのミシガン大学に短期留学をしていたとき、学内の講堂ではボストンフィルの小澤征爾の指揮するオーケストラ演奏や、数多くの琴と尺八の演奏会が行われて、郷愁を感じた思い出が時々よみがえる。帰国後に誘われて、出稽古に福井へ来られていた観世流シテ方の能楽師片山博太郎氏に教えていただく縁ができた。その後九郎右衛門九世を襲名され、人間国宝。そして長男清司さんのために応援する会が結成され以来何十年か経つ。二年前に師(幽雪)が逝去され、京都観世会館と東京国立能楽堂で追善能が催される。今や清司さんは第十代九郎右衛門を襲名され、幼時からの厳しい躾で磨かれた品性と気概ある芸により、能楽界を担っている。先代井上八千代さんは祖母、現井上八千代さんは姉という芸術一家である。今回私は東京の会を鑑賞することとした。桧垣をはじめて演じられるとのこと。「三老女」と言われる難曲中の難曲の一つ。楽しみにしている。先代幽雪氏は最後まで舞台の鬼として「能」のため、日本の古典芸能のため、身を粉にして精進されていた。その志を継ぐ十代九郎右衛門の雄姿を見るのが楽しみである。

PHPに柴原薫さん

11月19日
PHPに柴原薫さん
養老孟司先生とのご縁で柴原さんを知った。木曽のひのきを扱う木材商である。若い頃十年間岐阜にいた私は岐阜から長野にかけては私のテリトリー。数多くの友人知人恩人がいる。林業は日本で今最も苦しく難しい仕事。その林業に精魂を傾ける柴原さんはすばらしい。酒は人を幸せにする。その酒器をひのきで作った柴原さん。樽酒は杉の樽で香をつける。酒升はひのき。木と酒の相性はよい。農に勤しむ私にとり、酒と木の合性のよさをPRし林業へのささやかな協力ができればと願っている。福井県北の中山間地に栗林公園をつくる夢も育んでいる。栗の木は堅くて良質な建材になる。百年先の夢である。PHPに柴原さんを紹介する記事(2019年11月号)が掲載され、応援の声を上げたくなった。

オール同志社

11月18日
オール同志社
卒業生33万人。2025年に150周年を迎える。マンモス校でない同志社大学が1875年11月29日京都で設立されて以来の卒業生である。良心教育により自由主義、国際主義、キリスト教主義を掲げてきた。オール同志社募金50億円。決して小さくはないがアメリカの私立名門大学と比較するとあまりに少ない。1人当たり1.5万円の少額である。卒業生の心に火をつける方法を考えてもらいたいものだ。

AI

11月17日
AI
農業法人を新設。その会社名にAIを入れた。世界をリードしているのはプラットフォーム企業。第4次産業革命の旗頭もプラットフォーム企業である。AI、ビッグデータ、IoTがこれからの世界を制す。その一翼を担うのがプラットフォーム企業。その為に発想を変えよう。ユニークな発想、全く異質の発想、非常識な発想が求められる、そんな農業を若者達とともにはじめたい。

地球儀

11月16日
地球儀
直径1mあまりの地球儀を竹村健一さんの長男竹村真一さんから買った。約十年ほど前だった。設置工事共で約2千万円。福井の駅前の自社ビルの中2階に設置。オープニングセレモニーには発明者自ら来てくれた。毎月子供向けと大人向けの2回ずつ。地球環境悪化の警鐘を鳴らす講習会を開いた。一番勉強したのは毎回出席した私自身。知ったのは地球温暖化。そして地震列島日本。そして2次元世界に生きる人類。この三番目の「2次元世界に生きる人類」の実像を知り得たことはありがたかった。私たちは重力のために地表にへばりついて生きている。もっと空からの視点を持つべきだ。第2次世界大戦敗北の原因は空軍力の不足。今や日本の航空産業はアメリカの陰謀でゼロに等しい。一日も早く航空機の開発、ロケットの開発、宇宙空間を超高速で移動できるシステムの開発を進めるべきだ。同時に私はもう少し身近なドローンの活用を考えている。

農業法人

11月15日
農業法人
5月30日に農業法人を設立して5カ月になる。構想を始めてからは丁度1年を経過。毎日が農業。農地と人と知識を獲得するための試練の日々が続く。ピロール米が届く。友人の差し入れだ。新そばで打ったそばが届く。これも友情。新しい挑戦をはじめて気づくのは次々とくる愛の手、救いの手。有難い。感謝感謝。

日本のよさ

11月14日
日本のよさ
民族衣装はどこでも美しい。特に日本の着物は最高。でも説明が必要。日本は言わなくても通じる国。しかし世界は違う。言わなければわからない。ちょっとした説明でよい。言語のほか、映像化することで理解が深まる。日本のよさ、福井のよさをしっかり伝えよう。

朝倉遺跡

11月12日
朝倉遺跡
比叡山の焼き討ちから2年後、織田信長が越前の大名朝倉氏を攻めた。当時戦乱で荒廃した京都に変わり朝倉5代の栄耀栄華を誇ったのが一乗谷である。近江との国境で交戦2万5千人の大軍のうちが一乗谷へ逃げ帰ったのはわずか17人。すべての住民、すべての部下に逃げるよう伝えたのは、比叡山の残虐を怖れたからであった。信長はまた全山全城焼き討ちを命じ、3日3晩もえつづけた。その後この地を訪れる人とてなく400年の眠りについた一乗谷朝倉遺跡。昭和46年工事のためブルドーザーが入り、遺跡発見。爾来特別史跡指定、特別名勝指定、重要文化財指定とすすんだ。いよいよ世界文化遺産の指定が待たれる。庭園跡がすばらしい。諏訪館跡、湯殿跡、南陽寺跡、義景館跡庭園は日本でもトップレベルの名園跡が発掘されている。

日本の農業

11月11日
日本の農業
30年前の日本農業を分析。畜産33%、コメ39%、野菜20%、果実9%。30年過ぎた今は畜産36%、野菜31%と大きく伸長。果実は9%と微減。コメは24%は激減。ところが全体の農業総産出額が30年間で約2.6兆円減少。全体で26%も落ち込んだ。その為野菜が少し伸びているだけなのだ。農業再生の道はけわしい。新しい知見、新しいシステム、新しい分野への展開を期待したい。

東京タワー

11月10日
東京タワー
アインシュタインの言葉に「意志あるところに道は開ける」とある。10月末に東京で求人の集いがあると誘われ前泊し、早朝会場へ向かうためホテルを出て、気分を害した。暖かいホテルから朝食後、冷気に当たりふらついたようだ。タクシーを呼んだが運転手が救急車の方がよいとのアドバイス。仕方なく救急車を呼び近くの慈恵医大の附属病院のSCUへ入院。窓から目の前に東京タワーが見える。ここは西新宿3丁目。私にとってこの周辺はコインパーキング用地を探し求め歩きまわった懐かしい場所だ。森泰吉郎さんにあこがれ、森ビルのナンバービルが次々と東京の町を変えていく姿に目をみはったものだ。その森ビル発祥の地である。窓から見ると超高層ビルが林立しもし大地震が起きたらと不安が募るほどに込み合っている。この十年日本システムバンクの代表者を二人の息子に譲り、会社経営の第一線を退いたがこの十年の変わりようはどうだ。十年前に東京の社有の土地、日本橋、西新橋、茅場町を売り、内部留保を厚くした。残っているのは南青山のビルひとつ。これまたオリンピック道路拡張のため売却せざるを得ない。東京を売り、福井、金沢、富山、長野の地方へ資産分散をはかったのは間違いだったのか。そう思わせるほどの激変ぶりを病院の窓から毎日のぞいていた。

変化への対応

11月8日
変化への対応
日本のグローバル化がすすんでいる。インバウンドだ。今年は3000万人?世界一の観光国はフランスで年間8500万人が訪れる。国際観光収入ではアメリカが一位。日本が観光世界一になれる確率は高い。日本のよいところは多い。清潔。安心、安全。おいしい。優しい。礼儀正しい。北海道から沖縄まで変化に富んだ国土。そして何より近隣の国々から大勢のアジア人がやってくる。アジアは日本の庭だ。ものすごいスピードで変化する現代社会。変化はみんなのチャンスである。

母子家庭

11月7日
母子家庭
子供は国の宝だ。北欧では国が育児、教育を負担する。母子家庭の貧困率が高く、その子供の環境不適合が云々される。北欧のように国が面倒を見れば解決する。国の義務だと考えればよい。日本は老人への配慮がなされる割に子供への配慮が足りない。大卒の3割が派遣会社へ入るという社会は異状である。人材派遣業は口入稼業という賃金のピンハネであり、私達の古い観念からすると恥ずべき職業と言われたものだ。子供や青少年に対する暖かな配慮を望みたい。

税の奪い合い

11月5日
税の奪い合い
コングロマリットが世界で活躍。そんな時代になり、その利益に対する税金をどの国がどれだけとるかが問題になりつつある。そして問題を複雑にしているのは企業誘致のための減税措置や優遇税制である。課税は当然利益を生み出した国で行われてなければならない。これを正確に計算するのは難しい。地方のコンビニ等ではその利益の大半はフランチャイザーのものとなり、東京へ吸い上げられている。何とか良い手を打たなければ地方は決して良くならない。東京と地方の問題も国と国との問題に等しい。

母校

11月4日
母校
2025年に母校同志社は創立150年周期を迎える。生きていれば私は88才だ。総長が大谷実さんから八田健二さんに引継がれた。その八田総長から便りが来た。経済学部の後輩である。関西財界での同志社卒の経営者は非常に多い。ダイキン、ヤフー、オムロン、資生堂、味の素、京セラ、ワコール、CCC、村田製作所、セキスイ、マルハニチロ、岩谷産業、平和堂、東洋ゴム、アサツーDK、不二製油等の代表者がいる。地元京都をはじめ関西圏では東大京大や慶応、早稲田も及ばない層の厚さである。150周年を契機にOBによる財団が結成されるよう期待したい。

米の産地は北陸

11月3日
米の産地は北陸
コシヒカリの誕生の地は福井県。それを育てたのが新潟県。今でも福井、石川、富山、新潟は米の産地として有名。かつての越の国だ。その産地が地球温暖化の影響で北上しつつある。今や米の取れなかった北海道が農業のメッカに変わりつつある。かつて最上の品質の米を提供した北陸に住む者にとってはもう一度農業の付加価値を高め、産地のプライドをとり戻したい。その努力を続けている。

清経

11月1日
清経
大徳寺瑞峯院で九郎右衛門の清経を見た。迫真の演能にしばし酔いしれた。幽雪先生がどこかで見られているように感じるほどの名演である。片山清さんを応援する会をやるとのことからもう数十年が過ぎた。日本の伝統文化を守るには大変な努力が求められる。瑞峯院や元離宮二条城二の丸厨台所や醍醐寺そして京都観世会館など各地で年々開催される会に参加し、もう何年になるのであろうか。先生方や先輩方も鬼籍に入り、一人飄々と楽しんでいる。今回は前に引き続き茶の佐々木博邦さんと会い久闊を叙した。