印刷業界の苦悩

平成18年12月28日
○印刷業界の苦悩

 先日新聞に印刷業界の意見広告が載っていた。全国紙である。テーマは「印刷業界に、好景気の実感はない」である。印刷業界の苦しみが始まったのは最近ではない。活字を拾って一字一字並べて版を作り、印刷した時代からコンピューター導入の時代へ、そして更に最近では末端ユーザーが自社印刷機を安価に導入できるように変ってきた。また時代は紙の時代からデータの時代に入った。巨額の設備投資を必要とするようにもなってきている。

 今日も私の会社のカタログを改訂しませんかというお誘いをいただいた。私は当然12〜16ページ仕立の紙ベースのカタログを想定した。ところがDVDベースだという。価格もさほど変らず動画入りの音声入りのカタログが遥かに優れているというのだ。この提案は印刷会社からでなくPR会社からである。印刷業界の苦しみが肌で感じられる出来事であった。

 時々講演を頼まれる事がある。私は紙ベースのレジメを用意する。他の講師は殆んどパワーポイントで作成したパソコンのデータをスクリーンに表示する。どちらが見易いか、残る方がよいと思えば私の方に軍配が上るが、大抵の人々はデータを残す程のことはないと考えるようだ。活字を追うよりも、グラフ等でビジュアルに説明される方を喜ぶ。

 インターネットの普及でこの傾向は益々強くなってきた。ホームページを開くとどこでも簡単に同種の商品を比較検討することが出来る。カタログがますます不要になってきた。カラーコピー機の普及、紙以外の物へのインクジェット方式での印刷技術の発達は恐ろしい程の変化を業界に起している。今日の勝者は必ずしも明日の勝者ではない。

 私達も常に先を見通す力を養い、時代の変化に乗り遅れないようしっかり目を見開いていたい。

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投稿者: jsb 日時: 2006年12月28日 09:00

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