竹――素材革命

平成19年2月8日
○竹――素材革命

 「鉄は国家なり」と言った経営者がいた。1500年前越の国の王 継体天皇は鉄ビジネスを武器に日本全土の平定に成功し、今日の天皇家の基をなした。鉄は武器として使われるだけでなく、車をはじめ、あらゆる分野で重宝がられている。しかし鉄鉱石を原料とする鉄は有限である。

 「コンピューターのチップ」が産業のコメといわれ出したのは僅か20〜30年前である。シリコンや貴金属を材料としている。これもリサイクルが難しい素材であり、人間が再生産することの出来ない有限な素材である。

 化石燃料と呼ばれる石炭、石油、天然ガス等も使ってしまえば、なくなる素材である。

 今、私達はこれ等の有限な資源を、何の反省もなく、まるで無尽蔵のものの如く、浪費している。その結果が排出され続ける過剰な二酸化炭素であり、地球温暖化である。この負の連鎖を断ち切る必要がある。

 植物性エタノールが車の燃料として注目されだした。今から20年程前にブラジルでは石油危機を乗り切る手段として、このエタノールを大々的に使用していた。甘い香りがしたが、空気を汚染する可能性も当時では大きかった。

 世界中の森林が伐採され、緑が失われ、酸素発生源(二酸化炭素吸収源)が小さくなりつつある。その為、新しい原料にも使える成長の早い植物ケナフの栽培が行われ出した。

 竹も可能性が高い。竹の表皮を鉄の代替素材に、竹の中皮をバイオエタノールとし、植物から作るガソリンが出来る。また古くから日本家屋には竹が様々な使い方をされて、生かされている。床面であったり、天井であったり、壁面であったり、竹筋コンクリートであったり。

 パンダの主食は竹である。あの大きな身体を竹を食べて維持している。竹は食料にもなる可能性が高い。竹は無性繁殖により増え続けるので、一度植えれば再植林の必要はなく、毎年竹の子を食料にできる。

 熱帯雨林の植物量は1ヘクタール約450t。但し成長する迄に50年かかる。温帯広葉樹林は約360t、20年はかかる。竹林は約130t、5年で成長する。それぞれを単年で計算すると9t/年、18t/年、26t/年となり、竹の可能性が最も高い。日本の山に気が狂ったように植えられた杉に代わって、その後に竹を植えていくことを考えたらどうであろうか。

 竹炭の効果も大きく、竹の用途は無限の可能性を秘めている。私は、竹繊維を使った背広を着ている。寒暖の差による伸縮はない。軽い。熱伝導はよい。違和感はない。そして今、更に竹と他の素材とを融合させた新素材の開発を夢見ている。

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投稿者: jsb 日時: 2007年02月08日 09:00

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