大学も競合が厳しくなる

平成19年6月14日
大学も競合が厳しくなる

 少子化のため、受験生の数と定員枠の差がなくなり、全入の時代に入った。受験生はどこかの大学に必ず入学できるということだ。ところが、現実は厳しい。大学の選別が更にすすみ、有名校、名門校へ集中するようになっている。国立大学の独立法人化の動きが、この傾向に更に拍車をかけている。

 福井県の同志社大学と同志社女子大学のOB、OGが集う「同志社人の集い」が先日、市内のユアーズホテルで開催された。久方ぶりに同志社大学長八田英二氏にお会いし、講演を聞いた。1875年同志社英学校設立、以来132年になる同志社は、常に校祖新島襄と共にある。「一国の良心」といえる人を育てる為に200年の大計をたてよと言い残し、46歳で逝去した新島襄は学生達に「倜儻不羈」の人になれと言っている。「信念と独立心を持ち、容易に他人に左右されない」という意味である。

 今、私学連盟は慶応大が会長を、同志社大と早稲田大が副会長を勤めており、日本を代表する私学として、教育界のリーダーとして誇りを持って活躍している旨のお話を聞いた。

 同志社は私の在学中も、マンモス大学でなく(現在も在校生は2.5万人)、京都の御所に隣接し、赤レンガの校舎群、彰栄館、クラーク記念館、ハリス理化学館、チャペルや、アーモスト館などが並び、西洋の雰囲気を色濃く残すすばらしい大学であった。今訪れてもあまり変化はない。田辺校舎はその反対に広大な校地(アメリカの大学のように山や丘や森や林の中に点々と校舎が建っている)の中にある。

 来年から11学部になる。あとは校祖の夢であった医学部の新設が残っている。八田学長はその前に「大学付属病院」を作りたいという。大いに賛成だ。

 ただ気になる点がある。大学予算(2007年度)432億円に対して寄付金が3億円と極端に少ない。0.7%以下である。アメリカのスタンフォード大学を訪問した時、大学予算は学生よりの納付金より、企業よりの寄付金が多いくらいだと聞いた。税制の違いもあるが、もう少し考慮の余地がありそうだ。「付属病院設立募金」などはいいアイデアである。税制の後押しがあれば全額寄付金での調達も可能である。

 私は来年から同志社大学をはじめ数校で「冠講座」を開く。テーマは「健康長寿の研究」「環境保全の研究」の二つのテーマにしぼっている。ささやかなCSR活動の一端である。

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投稿者: jsb 日時: 2007年06月14日 09:00

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