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2008年10月29日
ネットワーク社会
平成20年10月29日
ネットワーク社会
1970年前後にコンピューターの世界で大きな変動が起きた。それは大型コンピューターメーカーの撤退や転換である。バローズ、ユニバック、NCR、コントロールデータ、ハネウェルなどが撤退した。1980年代に入ると、ミニコンメーカーであるワング、データポイント、データゼネラル、DECが敗退していった。1990年前後は「ネオダマ」という言葉がコンピューター業界でもてはやされた。ネはネットワーク、オはオンライン、ダはダウンサイジング、マはマルチメディアである。見事に20年後の現在を予見した言葉である。USAツデーの本社を訪問し、驚いたことがある。業務系の端末はIBM、編集系の端末はマックで処理しそれぞれ別系統で動いていた。IBM系は全米の傘下新聞社、支社各部門をつないでおり、マック系も同様にネットワーク化している。しかし、IBM系とマック系はつないでいない。驚いたのはそのネットワークの広さと速さである。端末どうしをネットワーク化し、大型コンピューター並の処理を行っていた。出勤と同時に、編集部員達はメールをチェックし、その処理をすませてから仕事に入る。全米中からのメールが瞬時に次々と処理されていった。アップルコンピューターの本社では更に広範囲であった。世界中からのメールを読むのが最初の仕事であった。現在これが私達の会社でも、常識化してしまった。
現在は携帯もパソコンもEメール時代である。ネットワークを制する者（インターネットも含む）が勝ち残っていく。ＵＳＡツデーは当時の全米各地の地方紙を駆逐し日の出の勢いであった。コンピューター化とそのネットワーク化で生き残ってきた。アップルコンピューターも特殊な得意分野を生かして世界中に存在感を示している。ネットワークを生かした音楽をビジネス化したのだ。
ただＥメール社会は人間性喪失の危険を伴う。朝起きて携帯のメールを読み、会社でもパソコンと向き合って一日を過ごし、飲み物は自動販売機で買い、車はコインパーキングで止め、夕食はスーパーやコンビニのレジで支払い、家に帰ってもテレビやゲーム機、パソコンと向き合う生活だ。その間、人間同士の会話やふれあいが全くない。果たしてこれでいいのだろうか。人間性を高めるための、人格の形成のためのふれあいは非常に大切である。潤いのある生活は、人と人との間にこそ生まれるものである。ネットワーク全盛時代を迎える今こそ、「ふれあい」を、「おもいやり」を、「他人への愛」を大切にしていきたい。
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