石油輸入の危険

平成22年7月2日
石油輸入の危険
第一次世界大戦後の石油争奪戦に敗れた日本は、石油資源獲得のために南方への進出をはかり、それが大戦への引き金になった。そしてその誘導を行ったのがアメリカであったのが最近の極秘資料、機密文書の公開により、天下の耳目にさらされてきている。石油を輸入に頼るのは、国家戦略としては拙いものである。最悪の選択といってもよい。しかしその最悪の選択に追い込まれているのが、相変わらず日本である。そして最近はアメリカも、中国も輸入石油への依存を高めつつある。アメリカの石油埋蔵量は、世界全体の2〜3%である。そして消費量は世界の25%にのぼっている。ベネズエラ、中東からの輸入である。日本の危機と同じほどの危険ラインにアメリカも悪化してしまった。アメリカのテロとの戦いといわれるアフガニスタン、イラクの戦争が、石油資源獲得のものだという噂は、いまだに消えていない。
エネルギー政策は国家戦略の最重要テーマである。財政政策と両壁をなすものである。その根幹を輸入に頼らざるを得なかった日本が、この戦後の半世紀余りに亘って、いかにこの難問解決に腐心してきたかを、アメリカも中国もよく研究する必要がある。インドのガンジーの無抵抗主義を学んだ時、私は将来の国際紛争、資源争奪紛争のケースに、ガンジー主義が解決の道を示していると確信した。日本は世界唯一の「戦争放棄を憲法にうたっている」国である。産油国とも常に協調融和の精神でやってきた。武力による脅しや、資本力による買収も行わず、先の失敗を生かした政策でやってきたのである。
大国や強国が自らのエゴで資源争奪戦をはじめると必ず血で血を洗う大戦が起きかねない。その為にも省エネの実行、新エネの開発、新システムの建設が進められなければならない。石油資源枯渇は目前にせまっている。ガソリンスタンドを経営している私の友人達は、業種転換の道を捜して必死である。業界内部の人間が、よくわかっている人間が、石油の先行きに見切りをつけているのである。国の指導者達がしっかりと未来を見通し、私達の進むべき方向を示してもらいたい。もう残された時間はないのである。

投稿者: jsb 日時: 2010年07月02日 10:05

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