農業問題と援農隊

平成22年12月13日
農業問題と援農隊

かつて中国は穀物、石油、木材の輸出国であった。それが、アッという間に、すべて輸入国に変わってしまった。理由は13億人の消費がすすんだからである。
これからの一番の問題は、食料不足である。これは国家間の争いになることが多い。アフリカの食料不足があちこちへ広がりつつある。いずれ中国がこの影響を受ける。そしてインドも。ロシアも気候変動次第では安心できない。日本は食料を海外に依存する率が多すぎる。中国、インド、ロシアの各国は核保有国である。国家間の食料トラブルは民衆の力を暴発させる傾向がある。世界平和の為にも、世界第一位の穀物輸入国(年間2,600万トン)の日本が、徐々に輸入を減らしていく生活を選ばなければならない。
同時にまた食料自給策にもっともっと工夫が必要である。農は国の根本である。それを忘れて国家はないに等しい。経産省と農水省、経団連とJAの意見の対立は悲しい現実であるが、前向きの真剣な討議が必要である。GDPの大きさに比較すると農業生産額は小さくなってしまった。農林水産業の就労人口も比率が下がってしまった。一次産業の六次産業化への新しい政策の導入と同時に、農への回帰を考える若者を育てる必要がある。ローマはなぜ滅びたか。もう一度思い返してみてほしい。ローマ破滅の理由は、国境警備を傭兵にまかせ、市民権を持って快楽にふけり、食料を自給せず、飽食にあけくれ、食べ残しても気にせず、人間としての尊厳を忘れたことにある。2200年続いたローマ帝国(東ローマ)は、550年前にオスマン帝国に征服されて消えた。現在の私達によく似た状況であった。
若者を帰農させる妙案はないのであろうか。前の福井県副知事の山本さんは、私に「農援バンク」を作ったらどうかとすすめられた。農業に「ボランティア活動」から入っていくのも一つの方法である。余命を考えなさいと家族からは引止められている。誰か、「援農隊」を組織する若者は、出てこないのだろうか。


投稿者: jsb 日時: 2010年12月13日 11:28

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