レアアース

23年7月13日(水)
レアアース

レアアースは今迄あまり問題にならなかった資源である。世界一の産出量を誇ったアメリカが数年前に採掘を止めたのは、安い価格で供給してくれる中国産の出荷がはじまったからだ。そして世界各地のレアアース産地が生産規模を縮小し、今や中国が9割を供給する状態になってしまった。2005年以後、中国は輸出規制を強めてきており、価格急騰を招いている。
私は以前レアアースを政治面で利用することについて心配をしていたが、太平洋にレアアースを含む泥があることを発見というニュースが発表された。ハワイ周辺とタヒチ周辺の海からの泥にレアアースが多量に含まれているという。
地磁気の研究やメタンハイドレートや国際深海掘削計画などで既に採取されている78地点(水深3500〜6000m)の泥の分析を行って発見したとの新聞発表である。過去にはレアアースに興味を持つ学者もおらず、またニーズもなかったので、レアアースの分析そのものが除外されていた。今回はレアアース探しからはじまったので成功した。元日本海洋研究所長で東京大学海洋研の所長を兼務していた平啓介氏に聞いたところ、7年前から沖縄周辺の調査をやっていたがレアアースについてはここ最近のことで、当初からは調査の対象外だったとのこと。火山活動による熱水の関係なのか、単なる沈澱によるものなのか判然とはしないが、広く深海底に堆積していることは間違いない。これを吸引して精製分離するのはさほど難しいことではない。日本の近海での調査を心待ちにしたい。

投稿者: jsb 日時: 2011年07月13日 13:06

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