『大きな古時計』

平成18年3月24日
○『大きな古時計』

 大きな古時計という歌がある。私達の子供の頃は、家の中心に、柱時計がかかっていた。学校にも、駅にも、時計は常に生活の中心であった。そしてチクタク、チクタクとゆっくり、規則正しい音を立てて、時を刻んでいた。時計の振り子は、正確な往復運動をしていたのである。

 物事がある方向に向うと、殆んどの人は、時計の振り子はそちらへ行きっぱなしになって、帰ってこないと思うようである。実際は時計の振り子は、確実にまた反対方向に戻ってくる。これは運動の原理である。すべての事象は一方に進み続ける事はない。必ず反対方向に向うのである。ところが悲しいかな、人間は、みんなが一方に走り出すと、そちらへ走るのが正しいように思い、付和雷同する。そこに大きな落とし穴がある。

 例えば少子高齢化。子供を生む人が減り、新生児が年々減少しつつある。少子の傾向がすすんでいる。また寿命が延びて高齢者の比率が高くなってきている。近い将来、老人といわれる人々(信じられない事であるが、老人とは65歳以上とのこと)の比率が世界一の断トツになるとのこと。この傾向が永遠に続くような錯覚に陥って、世も末になると誤解している。日本の人口の減少の問題も同様である。2006年にピークアウトした時に、30年先、50年先のことまで心配している。今、日本の人口は世界トップレベルの過密状態である。50年後に、人口が半減したとしても、日本は世界の中で、巨大人口をかかえた大国なのである。年金の問題も同じである。年金の支給が始まるのは、平均的に見ても、約20年後のことである。仮に今のまま進行したとしても5年後、10年後にパンクはしない。それ迄にいくらでも手は打てる。心配などサラサラする必要がない。ただ年金を預かる機構や、運用する機構に、不正や怠慢があってはならない。その監視のシステムはシッカリ構築し、国民すべてが注目していく必要がある。その為に民間企業と同様に、年金基金や健康保険等の巨大基金の四半期毎の開示を求める事が先決だと思われる。官公庁のシステムの最大の欠点は、監査システム不在、又はそのパワー不足である。ダムやトンネルや道路を作る前に、国民の財産を保全し、正しく管理する為の仕組みづくりが急がれる。

 株式の株価のように、上がればまた下がる。下がればいずれまた上がるのである。古時計の振り子のように、チクタック、チクタックと、右から左へ、左から右へと動き乍ら時を刻んでいる。経済も社会も、世の中の物事はすべて、そのように動くものと思わなければならない。そうすれば少子高齢化や、人口減や、株価、地価の諸問題について、先を憂うる必要は全くない。あまりに近視眼的な報道を続ける報道機関や、識者の、蒙を開く為に、「古時計の振り子を見よ」と言いたい。

 報道機関は時代の先を見て、国民を正しい方向に導くために、「剣よりも強いペン」を持っている。自からの主義主張を持って、ニュース報道にも、独特の考え方に裏打ちされた先見の明のある取り組みを期待したい。

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投稿者: jsb 日時: 2006年03月24日 09:00

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