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『勿体ない思想』について
平成18年3月1日
○『勿体ない思想』について
「もったいない」という思想は、日本にしかないという人がいる。私は幼少より祖父母や両親をはじめ、年長の人々から、「もったいないことをするな」といわれ続けてきた。紙をムダに使うと「紙地獄」に落ちるぞといわれ、米粒を1つでも残すと、「もったいないことをするな」と叱られた。物が不足する時代は、物を粗末に扱うことを厳しくとがめて、小さい時から躾けられた。現在は物不足でなく、物余りの時代である。
その中で「勿体ない思想」をいかに子供達に躾けていくかは、難しい問題である。私は自分の幼少の頃の話を、何度も何度も、繰り返し話して、その感覚を多少とも共有できるようにしている。「物余りの時代」にも、「勿体ない思想」を生かすことが求められているからだ。
これから不足してくるのは天然資源である。天然資源の絶対的な不足が目前である。これに対応するのが「勿体ない思想」といえよう。エネルギー、美しい水や空気を、私達はムダに使うわけにはいかない。みんなで知恵を絞りつつ、節約を継続的に行う努力が必要となる。省エネやエコロジー運動には、この考え方が大切になってくる。
金沢に自動車のリサイクルをしている会社がある。自動車のリサイクル法の制定の前に、全国で車リサイクルについての機運が高まっていた頃、廃車からエンジンをはずし、車体をプレスし、使用可能な部品を海外へ輸出している会社があると聞いて、早速コンタクトをとった。見事なほどに「勿体ない思想」を具現した社長であった。意気投合し、直ちにアライアンスを組むこととし、私も福井県下の新車ディーラーに声をかけて、自動車リサイクル業へ進出した。今では全国に約40工場余りの協力工場を持つネットワークが完成した。徹底的に分別して、それぞれの素材を取り出し、それぞれのメーカーへ返してリサイクルさせ、使えるエンジン、部品等は補修して再使用或いは輸出するという「勿体ない思想」を地でいく業種である。また自動車の運転席のシートをはずして、これをリクライニングシートとして事務用に使えるようにして、市場へ還流している。「エコロシート」と呼び、好評である。私達の理想は自動車の100%リサイクルである。2010年までに理想の実現をみんなで達成したい。
21世紀は、全世界の人類が、「勿体ない思想」を身につけ、エコロジー運動に全力投球しなければ、私達の子孫の生きる道はなくなる。明々白々の事実である。
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