『2003年体制』

平成18年3月2日
○『2003年体制』

 日本が近代化のスタート台に立ったのは明治維新、今から140年近く前の1868年。そして敗戦による戦後復興が始まったのは60年余り前の1945年。そしてバブル崩壊後の最底が株式ダウ7600円台をつけた2003年。この三つの激動の時代の始まりの内、私は最初の一つは当然未経験、一つは幼時体験、そして一つはこれからなので、本当の変革の中身は正確には判らないといった方がよい。しかし、日本の歴史、世界の歴史を紐解いても、激変の時代には、いろんな分野で、他の時期では考えられないような、大きな変化が起きている。明治維新では徳川の藩幕体制の崩壊と同時に薩長を中心とした明治新政府の誕生は、政体の激変を生んだ。敗戦により軍政から、アメリカ軍主導の民政移管が始まり、民主主義導入による大きな変革を味わった。

 一つの事例を考えてみよう。変革時の経済面からの考察である。まず土地の所有主はどう変ったか。明治維新では封建領主から、新しく勃興した財閥や大地主への土地の所有権の移動があった。敗戦時には農地解放や財閥解体、財産税、預金封鎖などにより、かなり幅広い庶民への土地移転がすすんだ。また新しい財閥の出現による土地の取得、そして55年体制以降企業による土地の取得が広がった。2003年体制と私が呼ぶ「新しいスタートの年」は、土地所有主の企業から個人富裕層へ、土地の移転が地すべり的な勢いで起こりつつある。

 そして、次に土地の価格を考えてみよう。明治維新も、敗戦時も、土地は恐ろしい程安かった。2003年の土地の価格の実勢は、池田内閣が所得倍増政策を提唱した頃の水準にまで、下落してしまった。現在もまだ、地方都市の商業地や住宅地を中心に下落を続けている。しかし、そろそろ底が見えてきた。

 私の思うところ、『2003年体制』と呼ぶべき、大きな新しい体制が確立しつつある。それは優秀な官僚によってもたらされた過去の繁栄から決別し、民需を中心として創出する21世紀型の繁栄の始まりである。規制緩和がどんどんすすみ、民活による、高効率、高回転の経営手法が一般化し、国民は自主自立の道を歩みはじめることと思われる。いざなぎ景気を遥かにこえるネクストステージへの道である。

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投稿者: jsb 日時: 2006年03月02日 09:00

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