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皆様のお蔭で迎える十周年
平成18年7月21日
○皆様のお蔭で迎える十周年
この7月10日は創業十周年の記念日であった。社員、株主、お客様に心から深甚の感謝を申し述べたい。59歳でゼロからの再出発であった。夢だけは大きく、理想だけは高く掲げた船出であった。同志は4人、妻と妻の母と長男と私。全くの家族企業。事務所は自宅の応接間。電話は1本。コピー機もFAXもない。まさに「ナイナイ尽し」である。退職金で、資本金1000万円としたが、これもすぐ底をついた。個人の資産を次々と売り払い乍ら、少しづつ基礎を固めていった。創業以来多くの社員が入社し、多くの社員が辞めていった。社員の辞表の入った白封筒を見る度に、私は自分の不明を詫び、秘かに涙した。誠につらい悲しい別れが幾十度あったことか。最近になって社員の結婚式に招かれて、かつて別れた若い元社員と再会し、無事を喜び合っている。株主になって頂いた旧友も、いろんな理由で、株主でなくなった。この別れも社員の退社以上に私を苦しめた。友の期待に答えられなかった責任を痛感している。お客様も同様に、創業以来ずっとお付合いして頂いている恩人の方々も多い。しかし、理由の如何を問わず、途中で、取引が中断したお客様もおられる。十周年の記念すべき日に、ふり返って見ると「生きているのではない、生かされているのだ」とつくづく実感できる。この思いを胸に、次の二十周年に向けて懸命の努力を続けていきたい。命題は「喜びの種、幸せの種をまこう」である。
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