「ビッグドラゴンの成長」

平成18年12月15日
○「ビッグドラゴンの成長」

 中国が存在感を増しつつある。かつてアジアでは日本の奇跡の成長の結果、ジャパンアズナンバーワンといわれた。世界トップレベルの経済発展を1980年代までに成し遂げた。それに続いたのが「フォーリトゥルドラゴン」である。即ち韓国、台湾、香港、シンガポールが工業化に成功。急速な発展を遂げた。更に1990年頃から「ニューリトゥルドラゴン」のタイ、マレーシア、インドネシアの急成長が始まった。これ等の国の経済発展のパターンはほぼ同様の経路を辿っている。「輸出依存型」の工業化がまず進展し、その後徐々に内需が拡大していくのである。外国の資本を導入し、外国の設備や技術を利用し、国内の安価な労働力を活用して、外国の市場向の製品を生産し、輸出によって外貨を獲得していった。

 今世紀に入って「ビッグドラゴン」の中国が、先行した諸国と同様に、成長を開始した。それも現在では世界で唯一の、二ケタ成長を続けている。中国の通貨「元」の交換レートは、不当に安く据置かれているとアメリカが指摘している。近い将来「元」の切上げは確実である。なぜなら中国の対米貿易の黒字は年々拡大し、現在のドル保有高は日本を凌駕する迄になっている。

 また国内市場も拡大し、中産階級が生まれ、消費が拡大を始めている。今後の中国は国内市場育成の為の諸政策を次々と打ち出していくことと思われる。唯一不安があるとすると、それは沿岸部と内陸部の貧富の格差が大きいことである。内陸、農村部の不満を解消し、富の偏在を均等化することが緊急課題である。そして環境浄化と官僚腐敗の対策が望まれる。日本をはじめ、「フォーリトゥルドラゴン」も「ニューリトゥルドラゴン」も歩いてきた道である。

 私は「ビッグドラゴン」が目覚めた今、その行末を案じている。歴史は繰り返すといわれるが、2030年までの中国から目が離せない。

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投稿者: jsb 日時: 2006年12月15日 09:00

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