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2007年06月28日
まちをデザインする
平成１９年６月２８日
まちをデザインする
ミシガン大学にいた時、鹿島建設から派遣されて勉強していた友人が、「専門は都市工学です」と言っていた。英語ではシティスケープやグランドスケープなどを当てるのであろうか。コンパクトシティが話題になっているが、都心対郊外という対極的な見方では何の問題解決にもならない。車社会の急速な成熟化の中で、ダウンタウンのゴースト化はアメリカを中心にここ５０年程、顕著になってきている。まちの誕生の時は、まちはすべてコンパクトシティであった。それが発展段階で郊外型に移行しつつある。これを元に戻すには、まちのデザイン、都市工学から見た都市のリモデリングが必要である。
明治２２年の市制によって全国に一斉に誕生した市は、僅かに４０市。その殆んどが城下町であった。城を中心として、各大名が永年に亘って作り上げてきた整然とした城下町であった。自動車のない当時の城下町は、交通は水路が最重要。馬やカゴはあったとしても通常は徒歩がすべてと考えた方がよい。即ち自動車を無視した町であった。水路に面して作られたまちであった。
まちをデザインする為に考えるべきことは交通システムである。福井市の場合、ＪＲ北陸線（新幹線が現在駅に入ると決定）と名鉄系の福武鉄道、第三セクターのえちぜん鉄道、北陸自動車道の福井インター、福井北インター、そして建設中の東海北陸自動車道の福井北インターを考慮するところから始まる。かつての水路は当分の間はまだ用をなさないと考えた方がよい。これ等の点を結ぶ内側をコンパクトシティの中心と考えるとラフデザインが出来る。
次はこの大きなスペースの中にＪＲ福井駅と福井城址を含む「えきまえ」と「開発(かいほつ)地区(ちく)」そして「南西部のベル周辺」が考えられる。今、福井市が中心市街地活性化に最も注力しようとしているのが県都の顔、「えきまえ」である。このえきまえのデザインが大事である。福井城址と足羽山、足羽川。柴田神社（私は通称お市神社と呼んでいる。その方が遥かによくわかる）から福井城址、福井公園、佐佳枝廼社、福井神社、歴史博物館、養浩館（御泉水）と歩きまわれる歴史のみちの整備が望まれる。そして、そのエリアにおける都市デザインの確立を望みたい。１００年、２００年たっても価値を失わない、見て美しく、人に優しく、そして福井の食の魅力を十分に味わえるおいしいまち、そんなデザインを作りたい。商業の集積も大切である。西武百貨店の健闘と支援そして新しい商業施設の集積も必要である。また観光客の集客を５年間で倍増したいという青森市と同じように観光への配慮、ホテル、旅館の整備も重要で、ワシントンホテル等の活躍を期待すると同時に、新規ホテルの新設も歓迎すべきものである。居住人口の減少に歯止めをかけ、純増につなげる為の魅力ある住宅建設と魅力ある個店の開店も誘導していく必要がある。また、居住者のための生活インフラ、医療インフラの再整備も当然考えて行かねばならない。私はここ３年間郊外から都心に生活の中心を移した。そして、一番困ったのは買物の不便さである。郊外ではワンストップショッピングが常識であるが、「えきまえ」ではそれが出来ない。そのため商店街のいくつかに入会していろいろ意見を述べている。また出来るだけえきまえで物を買うように心がけている。
そうすると何かが確実に見えてくる。それは「まちのデザイン」の必要性である。
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