ブランド力とCSR

平成19年10月1日
ブランド力とCSR

 フランスはヨーロッパでも特別に変った国である。20世紀から世界のパリとして、ファッションのメッカとなっている。しかし中身は、イタリーのデザイナーを取り込んで巧みにフランス化している。芸術の都パリといわれて久しい。これまた芸術家を世界各地から集めてきたのだ。いや集めたというより集まる素地を作り上げたといった方が正しい。

 フランスの国家戦略はブランド価値を高めることにある。これを文化力という。外交も文化外交を目指して、これを長年に亘って実行してきている。企業も同じ路線を歩んでいる。

 ものづくりはヨーロッパから、日本を中心とする台湾、韓国に20世紀半ばに移った。最近では中国に移りつつある。しかし、ブランド力は未だヨーロッパ特にフランス系が圧倒的に強い。これはフランスが国家戦略として早くからメセナ活動、特に企業メセナ活動を推進してきたことによる。1979年フランスは企業メセナ協会「ADMICAL」を設立している。最近「CSR」として日本でも大きく取り上げられている社会貢献を、フランスは30年も前から国家戦略として実行しているのだ。

 その反対に、製造原価は労賃の差に大きく影響されるので、ものづくり地域は世界中安い賃金を求めて移動して歩く。売値に占めるコストの割合はブランド力の比ではない。例えばグッチのカバンの価値(売値)は仮に10万円/個とするとブランド力は90%、真のコストは10%である。ブランド力の巨大さを知らねばならない。

 更にこのブランド力を養成するのは、品質管理の徹底や新商品開発の継続的な努力だけでは完全ではない。それはCSR活動が欠かせない。これがポイントである。CSR活動はまず企業に対する好意度獲得に大きく寄与する。そしてその継続的な努力により、企業イメージが高まる。それが企業の主力商品のブランドイメージ向上となる。CSR活動はブランド力を高める大きな要因である。しかし、それだけではない。CSR活動は本来より企業の義務・責任であり、個人の集団に課せられた崇高な目的でもある。

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投稿者: jsb 日時: 2007年10月01日 09:00

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