富の偏在

平成19年10月11日
富の偏在

 アメリカは世界一豊かな国といわれている。それを疑う人は世界でも稀である。ビルゲイツの年間所得(個人)は世界の半分以上の国々の国家予算を超えている。世界の富豪の半分近くはアメリカ人だ。GDPでも断然のトップである。

 反対にハリケーンが襲ったニューオリンズの惨状が世界に伝えられた。逃げるに逃げられない人々が多い。その理由が「車がない」「お金がない」のナイナイ尽くしである。

 今年サブライムローン問題で世界中が驚かされた。住宅を持てない最下層の人達に特別低い住宅ローンを組んで住宅を与えたという。そして3年以降その低い利率のローンは10%近い高率の金利を支払わなければならないという。十分な事前説明もなく、このサブプライムローンを使ってどんどん住宅を売ったという。この資金を集める為にこれ等の債権を証券化して、全世界へ売った。当然こんな高率でまわる投資先はない。世界中の資金はアメリカへ集まった。二重、三重に証券化された債権はバブル状態となってしまっている。

 マルリリンチ証券の発表によれば、2006年に100万US$以上を保有するお金持ち(個人)は、世界中で950万人いるという。前年より8%以上増えた。その保有資産総額は37.2兆US$。前年より11%以上増えた。

 お金持ちの人口の伸びは1位シンガポールの21%、2位インド20%、ロシア15%、ブラジル10%そして中国7%。日本は5%であるが、147万人もいる。世界経済は好調というが、ここ数年、一貫して富の偏在が進んでいる。富の偏在が進むと、お金は少数の人の所に死蔵されてしまう。消費が増えなくなる。消費は最も大きな支出ファクターである。これにブレーキがかかると急激な景気後退が起きる。富の偏在は危険である。格差の拡大に目を瞑ってはならない。石油の異常な値上がり、その反対に世界各地で起きているサブプライムローン破綻による株価の急落。これ等の異常シグナルに注目する必要がある。私はサブプライムローン問題は、世界経済全体に今後ますます大きな影響を与えることになると心配している。

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投稿者: jsb 日時: 2007年10月11日 09:00

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