味覚

平成19年10月17日
味覚

 ヨーロッパ大陸の人は、イギリス人の味覚を信じない。イギリス料理は味がないという。即ちイギリス人は味覚が不足しているというのだ。大体において味が薄いのは確かである。私は味が薄い方が食べ易いので、嫌いではない。フランス料理の濃厚な味を毎日いただくよりは、イギリスの薄味は悪くはない。

 中国人の味覚はフランス人に似ている。味の濃厚さでは中華料理とフランス料理は世界でも双璧である。その反対に位置する薄味の代表格が、イギリス料理と日本料理である。共通するのは共に島国。海に囲まれた僻地。そして薄味である。ただし料理の種類では圧倒的な差がある。それがイギリス人の味覚云々を有名にしたのであろう。片や隣国に世界一有名なフランスと中国が位置するのも似ている。その影響は無視できないが、海がその影響を永年に亘ってさえぎってきたのも無視できない。

 日本人の味覚は世界一敏感だという。しかしイギリス人はその正反対のことがいわれている。「味覚の文化」だと思う。イギリスは19世紀から20世紀にかけて世界を征服した覇権の国であった。世界中の富を集めた。その間に世界を旅したイギリス人は、世界中の料理を味わったはずである。何故それが集大成されなかったのか。これでは、イギリス人の味覚を疑わざるを得ないことになる。

 日本人の味覚は敏感である。今、日本料理は健康食として世界でももてはやされている。その薄味の中に「かくし味」が数多いのも、徐々に認められていくであろう。日本人が永年に亘り築き上げてきた文化、日本料理の味について世界が気づきつつあるように思う。フランス料理や中華料理の豪華さとは違う。わびさびの世界に近い薄味文化は貴重な存在である。

 私の友人の一人、あるオーナーシェフはミックスステーキという変ったメニューを30年前から売り出している。牛肉と豚肉ととり肉が同じプレートに並べて出てくる。こんな料理を考えるのも日本人ならではである。味はそれぞれ好みがあるが、とり肉のおいしさを気づかせてくれ逸品である。こんな芸当が出来るのも好奇心旺盛な日本人独特の性格のせいであろうか。秋の食はすすむという。いよいよその秋が目の前にきている。

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投稿者: jsb 日時: 2007年10月17日 09:00

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