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艱難辛苦を乗り越えて
平成19年10月22日
艱難辛苦を乗り越えて
藤沢周平という作家がいた。若い頃から辛酸をなめた。実家の二度の破産。苦学して師範学校を出て教師になって僅かに三年。肺結核にかかり闘病生活が続いた。結婚して、死産で子をなくし、藤沢生まれの最初の妻をガンでなくした。45歳で、直木賞をとって、作家としてやっとデビュー。
その間世の中の不幸を1人で背負ったような厳しい人生であった。艱難辛苦を乗り越えて、藤沢周平独特の深みのある、透徹した、厳しい世界が生まれ出た。
何という優しさであろうか。苦労した人しかわからない人生の機微を見事に描き出している。特に数少ない女性の表現がよい。今はもう存在しない、かつての日本女性、それも理想の女性像を表わして、玄妙である。
私も人生の大半を、失敗の連続の中で過してきた。だからなお藤沢周平への思いが強い。失敗は誰でもする。失敗を怖れたら、何も出来ない。ただの一歩ですら踏み出せない。失敗すればよい。失敗することで多くのものを手に入れることが出来る。
不幸も同じである。不幸を怖れては前へ出ることが出来なくなる。不幸はすべての人に平等に訪れる。それを是として受け入れるかどうかで、先が決まってしまう。不幸を受け入れることは、克服することにつながる。不幸の受入れを、不平不満で、拒否していると、状況をますます悪くしてしまう。
不幸はチャンスと思い、次の発展に向って、努力をしていくことが大切である。不幸や苦しみは、考えようによっては、幸せであり、喜びである。感謝して、その不幸や苦悩を甘受し、新たな気持で挑戦を続けることが肝要である。
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