2008年05月のアーカイブ

幸福学

平成20年5月30日
幸福学

 北海道のJR駅に「幸福駅」がある。若いカップルやシルバー夫妻がよく訪れる駅である。「幸福」という言葉にあこがれを感ずるのである。私達の会社の社是は「喜びの種、幸せの種を蒔こう」である。花咲爺となって「幸福」をまわりの人々に振りまくことを生き甲斐、働き甲斐としている。

 福井県では「幸福」でなく「考福」をテーマにしようとしている。大変よい考えである。福井をよく考えて、よく知って、それを周囲の人々に伝え、福井のよさを伝えようというのである。

 福井県は人口僅か82万人。小さいという人もいる。しかし人口82万人以下の小さな国は世界に数多くある。82万人を小さいと見るかどうかは人それぞれである。問題はその中身である。その特質である。福井県は幸いにも日本一住み易い県として高い評価を受け続けている。そのよいところ、優れたところを伸ばすことを考えるのである。

 「住み易い」のは理想郷であるということだ。桃源郷といってもよい。このよさを日本中の人が知ったらどうなるのか。世界中の人が知ったらどうなるのか。結果は見えている。大分県はかつて新婚旅行のメッカであった。それがハワイや諸外国に取ってかわられた。いままた大分ブームが始まろうとしている。大分県と福井県を比較してみると種々と差があることがわかる。その「差」が「らしさ」につながる。「らしさ」「福井らしさ」を大切にしていくことだ。

 「考福学」を更に一歩すすめて「幸福学のすすめ」を作ってみてはいかがであろうか。人はみな幸福の青い鳥を求めて旅を続けている。その「幸福」について考える「幸福学」は、福井とってすばらしいバイブルになりうると思っている。

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眼鏡業界

平成20年5月29日
眼鏡業界

 福井は眼鏡の産地である。日本の眼鏡の約95%を生産している。歴史はそんなに古くはない。約100年余り前、大阪の職人を福井へ招きスタートした。福井は当時から雪国といわれ、人々の生活は農業中心であった。冬は農閑期で仕事がなく、真面目で粘り強い性格にピッタリの内職として定着し、発展していった。ピークは2000年、今から8年前、約1300億円。世界一の産地になった。それ以来中国、韓国、台湾の猛追を受け、年々生産は縮小気味である。この状態を打破する工夫はないかと、眼鏡業界を代表する(眼鏡協会長、工組理事長)アイテックの黒田一郎社長を招いて話を聞いた。キラリ会の5月例会である。

 眼鏡とは何か。眼鏡は多くの特徴を持った可能性の大きい商品である。すべての人が死ぬまでに必ず着用するのが老人用の老眼鏡(45歳から老眼が始まる)である。格好のいいサングラスや女性用男性用の眼鏡をファッションととらえる人も多い。また目の悪い人にとっては体の一部であり、医療用具でもある。即ち眼鏡とは、シルバー産業であり、ファッション産業であり、医療関連産業である。21世紀の花形産業である。

 眼鏡業界は僅か1300億円(ピーク)の小さな年商であるという人がいる。本当だろうか。産地での年商1300億円は、日本の末端価格にすると1.3兆円。世界全体では13兆円に匹敵する。そして人口はどんどん増えている。老人は加速度的に増えている。これ程魅力のある事業は少ないのである。

 ふくいの産地は世界で初めて消費材向の新素材として、チタンを眼鏡枠に採用した。そしてドイツ、フランス、イタリアを遥かにしのぐ世界一の産地になった。今、中国の大量生産方式に悩まされている。生き残る道は何だろうか。品質である。原点に帰ると、新素材の開発、新機能の開発、新デザインの開発であろう。研究開発への回帰である。更に新しい販売戦略の構築を急ぎたい。「ものづくり」だけにこだわるのでなく、インターネット時代、グローバルマーケット時代に対応した「サービス産業」への参入も視野に入れてほしい。産地を救う緊急手段として、川上から川下までの一貫体制を築き上げることも考えなければならない。

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土地の価格動向

平成20年5月28日
土地の価格動向

 1月1日現在の公示地価の全国平均は商業地、住宅地ともに2年連続上昇となった。値上りの急な東京都心部は、伸長率鈍化が明瞭になり、一部では売り一色となった。

 この原因は実需が地価高騰に追いつかず、値崩れの一因となっている。またサブプライムローンに端を発する外資系金融機関やヘッジファンドが一斉に資金の引上げを始めた。この影響が最も大きく、今後も問題を残しそうである。

 またメガバンクの不動産融資の引き締めが顕著になっていることも注目に値いする。
建築基準法の改正により、確認申請の承認はほぼ半年間遅れている。また公共工事の発注は、財政改革の流れの中で数年来大幅カットが続いており、建設業者の倒産が多発し、業界内での信用不安が広がっている。

 また石油価格の高騰は建築資材の上昇に直結し、不透明な不動産業界に新たな懸念を与えている。
金融商品取引法の施行によりSPCや匿名組合が「集団投資スキーム」として新たに規制を受けることになった。そうなると投資家は規制を喜ばず新たな出資が難しくなった。また銀行もSPCに対する融資に慎重になり、SPCの資金繰に悪影響を与えている。

 地価は上昇基調を続けることなく、当分低迷が続くと考えた方がよいのかもしれない。特に地方についてはその傾向が強い。ただ昨年全国トップの上昇率となった仙台駅前の例もあるので物件によっては競合が激しくなり上昇を続けることも考えられる。「立地」に十分注意して検討してくことである。収益還元法に立ち戻って慎重を期したい。

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サブプライムローンと日本

平成20年5月27日
サブプライムローンと日本

 金融庁はG7の4月会議の決定を受けて金融機関に対し、100日以内に保有残高や損失額の開示を要請。

 まず大手銀行には決算発表に合わせて公開要請(5月)。多少遅れてもIR説明会での詳細な開示を求めている。大手の証券会社は第1四半期決算発表時までの公開(8月)を要請。大手の生保、損保に対しては遅くとも中間決算発表時まで(11月)を要請。

 このように、米、欧で猛威をふるっているサブプライムローンに関連する金融不安が、日本にどのような影響を与えているのかを、しっかり認識する準備が整いつつある。昨年の夏以降、日本でも外資系のファンドの資金引上げに始まり、メガバンクの融資姿勢が厳しさを増している。今回の金融庁の要請により、年内には可成り正確な情報が浮び上ることと思われる。

 アメリカ経済の停滞、景気の後退が起きつつある中で、原油や鉄などの資源の高騰が顕著になってきた。ドル安、円高が進んでいくと、日本経済をひっぱってきた自動車や機械等の輸出に影響が出る。過去最高の決算を発表し、世界一の売上を達成したトヨタ自動車の渡辺捷昭社長の言葉「経営環境でいいことは何もない」「昨秋ぐらいから潮目が変った。原点にかえり逆風に強い体質にする」など厳しい見方をされている。まさに日本経済の先行きは予断を許さない。足元を固めて、流れの先を注目していきたい。

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命の尊さ

平成20年5月26日
命の尊さ

 日本での年間自殺者が3万人を超えている。親が子を殺し、子が親を殺す。人を殺してみたかったと無差別殺人をした子供がいう。これ等のすべてに共通するのは「命の尊さ」を教えない日本の社会の貧しさである。「命の尊さ」は仏教2500年の歴史を超えて、数千年前に溯る自然宗教の中にその真髄が説かれている。そしてまた最新の現代科学によってもそれが証明されている。私達の生活の中で教育という次世代を育てるカリキュラムが不足しているようである。家庭での躾、学校での教育、社会における教育などを再考し、教育ルネッサンスを実現しなければならない。

 「命はすごい」ということを検証してみよう。
1. 私達の誕生の確率は1兆分の1である。これは最大の奇跡である。
2. 私達の細胞の数は60兆個である。単細胞の生物から人間まで細胞という同質のものでずっと続いている。
3. 私達のDNA、ヒトゲノムは32億ヶの文字で書かれている。その文字が1グラムの2千億分の1という超微細なところに書き込まれている。そして常にそれが正しく作動している。そしてすべての生きものはDNAという所でつながっている。昆虫も魚、動植物もカビすらDNAを持っている。

 人と人が殺しあい、にくみあい、争うことがいかに道理に反することかがよくわかる。人に貴賎はなく、あらゆる生きものを慈しむ心を持たねばならない。「命の尊さ」を私達ひとりひとりが自覚し、それを次世代に教えていかねばならない。
イラク戦争での米兵の死者が開戦以来幾千人と発表されているが、私達の日本では、この平和の時代に、自ら命を絶つ人、命を絶たざるを得ない人が毎年3万人を超えているのである。これは政治の貧困、教育の貧困は勿論ではあるが、「命の尊さ」を伝えられない私達の責任も重い。

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中小企業の救済

平成20年5月23日
中小企業の救済

 日本の大企業(資本金1億円以上)中小企業(資本金1億円未満)の勤労者の比率は約26%:74%である。そしてその給与格差は1.8倍と大きい。付加価値が2.5倍と更に大きくなり、1人当りの売上高の差はもっともっと大きく3.4倍となる。設備投資と経常利益の1人当りの差は8倍以上という大差がつく。即ち中小企業は大企業と比較すると殆ど利益を出せない状態にあり、装備も貧弱である。勤労者の4分の3を占める層がこのような状態では国内消費の大幅向上は望めない。消費税の税率引上げ(5%を10%にする)と同時に、戻し税方式による所得税の減税と、中小企業優遇税(これは人頭優遇措置が望ましい)を行うのである。

 消費税という間接税制を日本に定着させ、同時に国民の4分の3を占める中小企業を優遇する為の施策が望ましい。日本の国家財政も地方財政も破綻に向かっている。私達は世界大恐慌の時と敗戦の時と二度に亘って国家の破産を経験している。世界第二位の経済大国である日本が今自力で立ち直ることが必要である。アメリカは20世紀の世界のリーダーを務めてきた。今やドル信頼の低落とアメリカの国内マーケートの消費縮小と資産価値急落という三重苦の中にあるアメリカに代り、次のリーダー出現までの役割りを担えるのは日本だけである。かつてのアメリカと同様に日本の国内市場を世界に開放し、国内消費の大幅上昇(年率5%程度の可能性あり)を牽引していくべきである。同時に財政再建を果たすための減税増税の合せ技をすべき時が近づいている。大企業はバブル時代を超える空前の好決算のまっただ中にいる。その反対に中小企業は悪戦苦闘の戦いを強いられている。特に地方が悪い。今、手を打てばまだ間にあう。

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情報発信能力

平成20年5月22日
情報発信能力

 日本人のプレゼンテーション能力の低さは世界でも定評がある。残念乍ら私達日本人は日本語という独自の言語文化に埋没してしまっている。その為英語という国際語を駆使して外国人と議論したり、意見を主張するのが苦手である。更に思想も同質性を重んじる風潮が強く、突出するのを嫌がる傾向がある。「男は黙ってサッポロビール」のキャッチコピーがうけたり、レストランでのメニュー選びも殆ど「前の人と同じ」ですませてしまう。この特質が内部にすばらしいものを持ち乍ら、外部へ正しく伝える能力を発揮しにくくさせている。

 日本人のヒーローはスポーツ界や芸能界だけ。政官財界でもヒーロー作りが下手である。ヒーローを好まない傾向が強い。悲劇のヒーローには熱い視線が集まるのであるが・・・。それが企業内でも起きている。トップダウン方式よりもボトムアップ方式が普遍化している。突出した人、異能の持主ははじき出されてしまう。

 しかし日本人のよい所も多い。それはロイヤリティが高い。ブルーカラーとホワイトカラーの差別がなく、平等である。提案制度が整っていてボトムの声が上がりやすい。日本文化に根ざした和と輪の精神、勤勉性、柔軟性、価値観、相互信頼関係、当事者意識、全員参画意識の強さなど世界に冠たるものだ。
これ等の日本の優れた点をグローバルスタンダードに広げていくことによって日本発の特徴のある情報発信が可能になる。日本人は「終身雇用制度」や「提案制度」「現地現場でのTQC活動」など効率を追求する技術革新によって1980年代世界のトップに躍り出た。

 これからはエネルギーと環境と食料である。この三つのテーマを中心として、技術開発をすすめると同時にそれを活用するソフトの開発も併行して実施しなければならない。特に食料は第一次産業とみなされているが、これを第二次、第三次産業化することを考える必要がある。

 日本が情報発信能力を高める最も重要な点は、外国との交流にもっともっとエネルギーと資金を使うべきである。英国のウィンブルドン効果のように、日本を世界に開き、純血主義を排し、外国人の受入、登用に注力したい。そして知識力、記憶力などの評価よりも創造力、挑戦力への評価を高めていくことが肝要である。世界で読まれている書物の中で、日本人の書いたもの、日本について書かれたものがいかに少ないかを考えれば、今後私達のやるべきことが明瞭になる。

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いつまで続くサブプライムローン余波

平成20年5月21日
いつまで続くサブプライムローン余波

 4月末にFRBはフェデラルファンド金利を0.25%引き下げ年0.2%とした。昨年の9月から数えると7回目の利下げで総利下げ幅は3.25%になった。インフレ率を考慮すると年0.2%の金利は実質マイナス金利である。各国中央銀行のすばやい対応と大量の資金供給によって、金融不安は少しずつ鎮まりつつある。しかし米欧のメガバンクを中心に巨額の損失のすそ野は広がりつつある。

 アメリカのGDPの伸び率の鈍化が顕著となっている。昨年10~12月に続いて今年1〜3月は1%を割った。17年ぶりのことである。既にアメリカ経済は不況入りしていると見た方がよいのかもしれない。とするとその影響は中国を直撃し、同様に日本の輸出にも大きな影を落とすことになる。

 食料や石油の値上りにより世界はインフレへの警戒を強めているが、不況とインフレの同時進行即ちスタグフレーションに見舞われることになる。

 スタグフレーションになった場合の私達のとるべき行動は何であろうか。欧米の金融機関は自己資本の増強に必死である。更に総資本圧縮に乗り出した。そしてお決まりの人員カットである。人員削減はムリであるが、自己資本の増強、総資本の圧縮は参考にすべきである。ただ資産圧縮は遊休資産の圧縮である。必要な投資が延期されたり、中止されたりしないよう十二分の注視が必要である。今、地方は苦しんでいる。その中で投資機会を見出し、挑戦する企業の出現が求められる。

 NHKクローズアップ現代で取り上げられた「日本発ブランド戦略。職人技」はとても参考になり、私にも勇気を与えてくれた。デザインの重視、発想の転換、販売戦略の練り直しなど早速来期から着手したいことが一杯ある。

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礼儀正しく

平成20年5月20日
礼儀正しく

 私達の会社のスローガンは「世界一礼儀正しく、日本一美しく」である。外国を旅していても、ついつい日頃の習慣が出てしまう。食事の前に両手をあわせて「いただきます」という。食べ終ると「ごちそうさまでした」と口に出す。レストランを出る時も「ありがとうございました」と「深々とおじぎをする」これ等の全ての動作は、外国人から見ると奇異に映るようだ。

 特に「おじぎ」は他にあまり例がない。これは神道や仏教からの影響であろうか。神道や仏教の礼拝の作法がそのまま私達日本人の日常生活に浸透しているのである。

 私達がよくつかう「お陰さま」という言葉も、外国人にはよくわからないようである。私は「あなたをはじめ数多くの方々のおかげで・・・」と表現するようにしている。一般的には「誰のおかげ」かはわからないけれど、「おかげさまで・・・」と使われている。これは「自然のおかげ」か「天のおかげ」か「神仏のおかげ」かわからないが、「おそれおおいもの」のおかげを意味するようだ。

 日本を訪れた外国人達、例えば安土桃山時代の宣教師達や明治初期のお雇い外国人達などは、日本人の礼儀正しさに驚いている。それがいろんな書物に残っていて興味深い。豊かな自然、肥沃な土地に恵まれた農耕民族である日本人は、お互いに和と輪を大切に暮してきた。そこから相手を尊ぶ、相手を立てるという、独特の気風が生まれ、そして礼儀作法が躾の基本となっていったのであろう。

 とに角、私達は出来ることから実行することにしている。世界一礼儀正しいといわれる日本の礼儀の中で、その最も顕著な特徴は「おじぎ」である。この「おじぎ」を深々と、みんな揃って、心から実行することを心がけている。「型から入る」のが日本流である。型を完成する内に、その実行をくり返している内に、「おじぎ」の真の心を私達も把むことが出来る。新入社員も1年もたてば、立派に先輩をしのぐ「礼儀正しさ」を身につけていく。

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夏炉冬扇

平成20年5月19日
夏炉冬扇

 禅の言葉に「夏炉冬扇」という。夏の炉、冬の扇を指す。これを禅では、無用の用として、その価値を認めている。それがあることによって、ゆとりが生まれ、安心するからとの意味がある。一般的には季節はづれの「役に立たないもの」との認識である。禅では正反対の把え方をする。

 私は、創業以来、僅か十有余年であるが、常に自己資本の不足に泣いてきた。そのたびに金融機関に助けられて徐々に業容を伸ばしてくることが出来た。心から感謝している。だが、人はことあるごとに忠告してくれたことがある。それは「銀行は晴れた日には傘を貸すが、雨の日には傘を貸してくれない」というのだ。しかし、上場企業を調べてみると、自己資本比率百パーセントの企業は殆んどない。みんな銀行の厄介になったり、一般投資家からの社債等によって自己資本の不足をおぎなっている。

 夏炉冬扇を借入金というわけにはいかないが、返済のための定期預金であったり、投資有価証券であったり、換金しやすいものと考えることは可能であろう。いずれにしても、そこにあることによって、他に安心を与える存在、それが夏炉冬扇である。

 冬に使ったストーブは夏までかたづけてしまうが、夏に使った扇、うちわは年中家のあちこちに置いている。「夏炉冬扇」の教え、禅の教えをキモに銘じ、時にそれを忘れないために。

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情報発信

平成20年5月16日
情報発信

 「鐘と太鼓は遠くへ響く」という言葉がある。富士山の美しさは、遠くから眺めるほど美しく感じる。敗戦後、外地から引揚げてきた人々が、引揚船から富士山を見て涙したという。偉大な人のそばで働いていた人が、後になって、他人からその人の偉大さを教えられたという。「名物」も同じで、土地の人はそのよさに気付かないことが多い。近くにいては、なかなかそのよさは気付けないのである。

 情報発信のコツがここにある。情報発信について考えてみよう。まず、情報発信したいことやものを徹底的に知る必要がある。そのよさ、その欠点、その特徴について考え、研究し、極めることが第一段階である。

 次にこれを一人でも多くの人に伝える為の手段、媒体を選ぶ必要がある。その為に各方面の人々と有効なディスカッションを行う。これがまた口コミにもなっていく。

 更に、この情報を伝える手段、媒体を通して、ターゲットとする人々と交流を深めることが肝要である。ターゲットとするのは、近くの人よりも、遠くの人々の方がよい。この考え方が、「鐘と太鼓は遠くへ響く」を意味する。遠くの人々へ三回同じことを云えという諺があるが、くり返し伝えることである。

 そうすれば、人々は興味を持つ。人々の心に点火することができる。その火は時と共に大きくなる。それが好意に変る。好感度獲得だ。情報がとどいたのである。

 正しい情報発信がなされれば、お互いにわかりあえる。幸せになれる。正しく情報が受信されたので、幸福が生まれる。

 NHKの連ドラやテレビのおいしい番組などで取り上げられると、その商品は1年間も売れつづけるとのこと。そうすれば、1年に1度づつではなく、1年に2度づつ取り上げてもらうと、この商品はベストセラーになる。しかも、この方法でを3回くり返すのだ。

 遠くの人々が噂をしだすと、その影響で噂の輪は大きく広がっていく。マレーシアからの留学生が帰国する時、おみやげに「柿」を買って帰る。安くておいしいという。マレーシアには柿がない。沖縄の人は、北海道の昆布をよくたべる。沖縄の海ではおいしい昆布がとれないという。内陸に住む人々は、海の幸にあこがれる。人は「ないものをほしがる」のである。これを「ないものねだり」という。遠くの人々にその商品を提供し、大きな評価をもらうのは、マーケティングの極意である。私達は、知名度の低い福井県に本社を構えている。そして、全国のお客様を対象に毎朝毎晩休みなく商品を提供し、サービスに勤めている。知名度の低い所にいることがかえってプラスになるのである。遠い所にいるのがよいのである。「鐘と太鼓は遠くへ響く」からである。この小さな福井県に本社を置く上場企業は僅かに十数社であるが、よく見るとその内容はすばらしい。また、上場していない企業でも、上場企業をはるかに超える優良企業が多い。知名度の低い土地ではあるが、遠い所にいるから、その名は遠くに響き、多くのファンを生んでいるのである。

 この情報発信の方法を、福井県では「幸福学のすすめ」としている。即ち「福井ブランド」を推進する為の方法を「幸福学のすすめ」としたのである。幸福学は、まず、考福(井)学にはじまり、口福(井)学、交福(井)学へとつづき、好福(井)学となり、幸福(井)学で完結する。北海道の幸福駅のフィーバーを見ると幸福学の通信講座を開講するのもよいアイデアと思われる。ちなみに京都では毎年、「京都学」ならぬ京都コンソーシアムを京都駅前で開いている。今年のテーマは「源氏物語一千年紀」である。

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多摩川上流をたずねて

平成20年5月15日
多摩川上流をたずねて

 武蔵野に吹く風にあこがれて、立川駅から青梅線に入る。御岳(みたけ)で降りて、渓流沿いの遊歩道を歩く。新緑がまぶしい。鳥の声に耳を傾け、沢の流れの早さに驚く。水面の色は少し青味がかっている。川のいたる所に巨岩がある。渓流釣りの人々が巨岩の上から釣糸をたれている。浅瀬ではトビが小魚を狙っている。岩を飛び立ち足でつかまえたようだ。岸辺の森へと運んでいった。

 遊歩道沿いのゆず料理勝仙閣で会席料理をいただく。母の日というので義母へのささやかな感謝の食事会である。前回は小澤酒造直営の澤乃井ままごと屋で豆腐ゆば料理を賞味したが、今日は休み。このあたりの食事処は、いずれも旬の味、土地の味を吟味して出してくれる。

 ままごと屋の前にかかる楓橋をわたると寒山寺の名あり。小さな鐘楼の鐘をついてみる。川面にひびくよい音だ。石碑に「月落ち烏鳴いて・・・」の楓橋夜曲の詩が彫ってある。中国の寒山寺で求めた拓本を思い浮かべた。展望台あり。眺めがすばらしい。すべてが小規模ではあるが、心のこもった「おもてなしの心」を感じる。

 このあたり一帯に「水と緑の美しい里」を築き上げた地元の人々の心意気にうたれた。特に澤乃井櫛かんざし美術館、ままごと屋、そして酒蔵を開放している小澤酒造の果たす役割が大きく光っている。川合玉堂美術館や、吉川英治記念館も近く、見るところは多い。無人駅の軍畑(いくさばた)の駅前には風見鶏のついた半鐘あり。すぐ前に立派な旧家あり。多摩川上流沿いに建つ家々は、昔を思い起こさせ、心なごむなつかしさを感じさせてくれる。東京にもこんなスポットが地元の人々に守られ奇跡のように残っている。ありがたいことである。

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蓮如上人の御影

平成20年5月14日
蓮如上人の御影

 北陸は戦国時代より浄土真宗の盛んなところである。特に真宗中興の祖といわれた蓮如上人が吉崎に定住して教えを広められて、尚盛んになった。

 その宗教行事の一つにユニークな「蓮如上人御影道中」がある。毎年4月16日京都の東本願寺を出発した「御影」は徒歩で信者に守られ、福井県あわら市吉崎へ到着する。4月23日夜到着。上人の御忌法要が始まった。5月2日の朝まで毎日4回ずつの法要が行われる。そして京都の本願寺へ帰るのは5月9日の予定である。

 この行事は1752年に始まっている。今迄に行われたのは、335回目ということで、1年1回以上行われたり、何らかの事情で中止となったことがあったようである。

 吉崎には東西両別院が、他のまちと同じように、並び建っており、両別院で法要が別々に同じように行われている。蓮如上人が福井県と石川県の県境にある吉崎で、布教のためここに定住し、多くの信者に慕われ、今なお「御影」が毎年京都と吉崎を徒歩でゆずり渡されながら往来しているのである。「御影」とは軸装された肖像画のことである。

 伊勢神宮の神殿は、二十年毎に隣の敷地に全く同じものが同じように建て替えられる。それが千年も続いているという。そのことと、この「御影道中」の継続は、日本人の信仰心の厚さと同時に、この継続ということに対する日本人のこだわりの強さを感じずにはいられない。

 日本人の花好き、桜好きは有名である。しかし毎年毎年あきもせず花を賞でるのも、これまたこだわりである。桜の花のようにパッと咲いて、パッと散る、その散り際のいさぎよさが、日本人の性格のようにいわれることが多い。しかし農耕民族の持つ、「粘り強さ」「一徹さ」をより高く評価したい。日本人の信仰心の厚さ、地道な努力、そしてその継続性に感動を禁じえない。

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好き嫌い

平成20年5月13日
好き嫌い

 「好きなたべものは」と聞かれると困る。割合なんでもたべるからだ。嫌いな食べものはあまりない。強いていえば硬いものであろうか。歯が丈夫でないから。

 「好きな色は」と聞かれると、これはハッキリしている。赤系統が好きだ。特に最近は赤い色から元気をもらっている。赤い絵がよい。赤いシャツがよい。赤い花もよい。赤い色は暗い赤から明るい赤まで、その鮮度によって大きく表情をかえる。特に赤から黄への段階の色の変化と鮮度の変化は面白い。私は結婚した時、ある商社の役員をしていたので、妻の服装に注文をつけた。鮮度の高い赤い服装は慎んでほしいと。今考えると少し酷な要求であった。最近は地味になりすぎて、反対に「もう少し明るい服をきたら」と要求をしている。我ながら身勝手な自分にあきれてしまう。

 「白」も大好きだ。特にピュアホワイトがいい。外房の家も北鎌倉の家も、永平寺の家もすべてピュアホワイトのテラスを作った。赤い服と同じように純白のテラスは私の心を引き立ててくれる。人はまぶしすぎるというが、そのまぶしさが私は好きだ。雨の日も風の日も太陽が燦々と輝く日も、テラスに出ると気分が変わる。心のスイッチを切り替えることが出来るのだ。

 「高い所」も好きだ。高い所から見下ろす眺望が好きだ。故郷の伊吹山の頂上から眼下の琵琶湖を見ると、湖が近い。そして湖の水がこちらへ押しよせてくるような錯覚をおぼえる。水平線が高く見えるのだ。鎌倉の天園ハイキングコースの見どころは、頂上から見おろす鎌倉の森、そしてまち、その先の相模湾である。絶景である。永平寺の山あいの風景も墨絵の世界だ。眺望が開けている。外房の眺望も悪くない。冬は山が遠く感ずるが、春から夏にかけては森や山がぐっとせまって来る。

 「好きな人はどんな人」その答は簡単だ。「好きな人」とは「好きな人」である。理屈ではない。何となく好きなのである。こんな話がある。小学校に初めて入学した新入生の最初の授業の時、担任の先生が教室へ入ってきた。そして先生と生徒達は、挨拶をしたその瞬間、お互いに相手を好きになるか嫌いになるかが決まるというのだ。この第一印象を変えるには、莫大な時間とエネルギーが必要だという。私は「嫌いな人」を「好きな人」に変えようと努力する。なぜなら、自分が嫌いだと思っていると、相手もこちらを嫌いになる。好きになれば、すべての物事がスムーズに進むのを知っているからだ。私はすべての人を好きになりたい。どんな人にもよい点が、優れた点があるからだ。そのよい所、優れた所を認め、伸ばしてあげたい。人はみな、1兆分の1の確率でこの世に生を受けた。私達はみな選ばれた人なのである。お互いを認めあって、力一杯生きていこうではないか。私は自分以外のすべての人を好きになりたい。

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日本三大珍味「越前うに」

平成20年5月12日
日本三大珍味「越前うに」

 「うに」「からすみ」「このわた」を日本三大珍味と呼ぶ。いずれも海の味の代表であり、極く少量しか採れない。福井はこの「うに(雲丹)」の産地である。北海道産は「えぞばふんうに」といわれ、少し大型で味は油っこい。日本海を南下するにつれて小粒になり、「ばふんうに」と呼ばれる。味は少しにがみが入る。この「ばふんうに」の殻を割り、中の粒うにを取り出し「越前仕立」といわれる「塩蔵法」によって作られたものが「越前うに」である。これを扱っているのが創業文化元年、1804年「天たつ」の社長天野吉壹さんである。その10代目当主に「越前うに」について一夕、話をうかがったので紹介する。初代の五兵衛さんがうにに塩をまぜたところ固まって、赤く発色し、味も変わり、長持ちすることに気付き、福井独特の「塩蔵法」を確立し、大人気を博した。それ以来、松平家の御用商人となった。幕末に松平春嶽公は尊皇の志がつよく、それ迄の屋号「天王屋辰吉」は恐れ多いというので、改名を申し渡され、頂いたのは「天」と「辰」の二字をとり「天たつ」となった。それ以来、「天たつ」を守っているとのこと。

 最近の温暖化の影響なのか、年々粒うにの漁獲量が減っている。うには、漁師の自家用が半分、その残り半分の殆んどを「天たつ」が扱っているが、売るものがないという程、品不足に陥っている。貴重なものなので、桐箱入や漆塗りの小さな器に入れて売られている。最高級品は贈答用に喜ばれる。昔は塩分25%程度であったが、最近では10%程度の減塩仕立になっている。酒の肴に最適であるが、あったかいご飯にのせて頂くのもおいしい。「からすみ」や「このわた」或いは「キャビア」や「トリュフ」などと比較しても、「越前うに」の量は比較にならない程漁獲量、生産量が少く、まさに「海のルビー」といってもよい。鳥取や下関のアルコール漬うにとは、味もコクも全く違う逸品である。福井の地酒で、越前うにを肴に一献傾け。その後こしひかりのあったかいご飯やお茶漬にこのうにをのせていただくと、至福の一時を味わえることうけあいである。

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小さな本社、小さな政府

平成20年5月9日
小さな本社、小さな政府

 郵便局の民営化がスタートした。地方では、市町村の大合併がほぼ終了した。「平成の大合併」のかけ声どおりになるかどうか、よく見守る必要があろう。福井県の場合18人の首長が減り、35人が17人となり、51%減少した。議員は579人が348人となり40%減少した。職員は9,076人が8,565人となり6%減少した。福井市、大野市、永平寺町で増加しているのは、消防組合が解散して市町職員となったのが理由。これを除くと全市町で減少している。あわら市27%、池田町21%、若狭町15%、坂井市13%、小浜市12%、越前市10%、敦賀市10%等が減少率上位である。しかし、首長や議員の減少と比較すると職員の減少はまだまだ進んでいない。行政改革の第一歩となる今回の施策が成功する為にも、業務の更なる民営化をはかっていってもらいたい。

 私達の会社は正社員180名、パート・契約社員100名の零細企業であるが、数年前から株式の上場準備をはじめたので、本社が肥大している。創業時の「1人3役」という社員役員の多機能化が上場企業には許されない。小さかったはずの本社は少しずつ自己増殖をはじめている。これは組織論からいっても自明の理である。

 小さな政府の下に巨大な官僚桟構があるのも不自然である。民営化がすすみつつあるが、更にそれをスピードアップする必要があろう。国家予算、地方予算の中に占める人件費の比率の高さを認識しなければならない。

 民営化の進捗により、職員の減少が首長や議員並になれば、地方財政は健全化し、更に地方経済の活性化が促されよう。まさに一石二鳥である。ただし、職員の身分や待遇面の対処も、郵便局や電々公社などで経験した最良の方法をとることが求められる。日本の国家財政や地方財政を守るために避けて通れない道である。雇用を確保しながら、財政再建の道を捜していくのは決して簡単なことではない。しかし、万難を排し、知恵を絞って推進していかなければならない。

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表裏一体

平成20年5月8日
表裏一体

 ものには必ず表と裏がある。しかし、それは表裏一体と見る必要がある。表は表だけで存在せず、裏も裏だけでは存在しない。それは善悪、吉凶、幸不幸という非物質の世界は勿論、ミクロの世界のプラス、マイナスイオンについても同じである。ということは、目の前にある物質や現象又は心象をそのまま受け入れると同時に、その裏にかくされた対極をも同時に見通すことが求められる。

 人間は弱い。悲観している時には目の前がまっくらになりあらゆるものごとがうまくいかないように思う。その時、その裏にある幸運を把えるチャンスがあることに気付けば局面は大きく変わる。悲観から脱却することが出来る。

 人間は強い。自分の意志によってまわりをコントロールできるのだ。苦しみを苦しみと感じるかどうかは自分次第である。苦しみを次に来る楽しみの前段階と考えれば、苦しみを楽しみに変えることが出来る。苦しみは楽しみに変るのだ。

 現代人はお金に弱い。十人が十人ともお金を欲しがる。しかしお金持ちは本当に幸福な生活を送っているか、それは本人しかわからない。歴史を見ても、本を読んでも、乏しい私の体験から考えても「お金持は幸福である」という結論は出しにくい。反対に貧しいけれど家族が助け合い、支え合っている家に本当の幸福があるように思う。

 貧富は表裏一体、一如と考えた方が正しいと思う。それは幸、不幸も、善と悪も同じなのである。自分の心の持ちよう、考えようによって目の前は明るくなったり、暗くなったりする。明るいと思うもよし、暗いと思うもよし、しかし現実は同じである。常に希望に燃えて前進する人に明るい明日がある。

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東京一極集中

平成20年5月7日
東京一極集中

 「東京は日本か」とよくいわれるようになった。日本の現状とあまりに異なった発展を続けているからだ。辛うじて東京に比べられるのは名古屋と京都と福岡ぐらいであろうか。名古屋はトヨタの本拠地、トヨタ系列の企業の本社、工場が近隣に集まっている。名古屋から全国、全世界に発信されている。

 京都はユニークな都市である。京都に本社を置くユニーク企業は綺羅星の如く光り輝いている。任天堂、京セラをはじめ、日本電産、オムロン、村田製作所、ロームと続く超優良企業がある。更にGSユアサコーポ、島津製作所、ワコール、堀場製作所、日新電機となると古都京都に花開く独自の経営哲学の存在を信じないわけにはいかない。ただ単なる観光都市ではないことに思い至る。

 福岡は九州の東京である。同時に韓国、中国に向けて交流を深めようとする国際交流都市を目指している。「これからはアジア」というコンセプトをしっかり持った地域の形成が進んでいる。

 「東京一極集中の時代」から「地方の時代」へ、「官から民へ」のかけ声と旗ふりは行われているが、実態が伴っていない。特に資金の流れがそうなっていない。

 人口の移動を見ても、その動きは全く逆の流れになっており、東京への回帰が甚だしい。京都を含めて京阪神は人口減である。特に大阪企業が本社機能を東京へ移転する動きがここ数年続いている。

 私達は地方にいて、人口減、需要減の中にある。いたずらに東京一極集中を羨み、わが身を悲観するのではなく、的確な対応をしていくべきである。その方法は「非常識の常識化」である。「黒を白にするアイデア」である。新幹線や高速道路の完成は「ストロー効果」によって地方格差が広がり、地方は益々疲弊するという考えもあるが、対策を打たなければそうなる。私は逆転の発想をする。「地方の魅力」を知れば、東京周辺に住む3,480万人はすぐ動く可能性が高い。なぜなら東京周辺では本当の雄大な自然との共生が出来にくい。「人間は本能的に何を求めるのか」を考え、そしてそれを「準備」して、知ってもらうよう「努力」することである。

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都市への集中

平成20年5月2日
都市への集中

 苦しい時、壁にぶつかった時、悲しみに絶えかねた時、福井県と石川県の県境に立つ石碑の前へ行く。そこに悲しみ、苦しみの極み、「慟哭の碑」が立っている。「大内村碑」ときざまれている。全村水没の悲劇の物語である。昭和58年4月初旬、大内村出身者一同とある。これらはバブルの始まった1983年頃の出来事である。

 敗戦後、日本の人口は早いスピードで増えだし、それは全国へ広がっていった。しかし都市への集中がすぐ始まり、1960年代後半、東京はピークを迎えた。日本の人口の約11.1%が東京へ集中したのである。そして1970年以後は徐々に減少し、10%以下にとどまっていた。前回の調査では東京は28年ぶりに10%を超えたとのこと。前年比0.78%の増加で1,276万人となった。

 この傾向は全国的で北海道の札幌、九州の福岡も同じである。今回の調査で人口の集中は太平洋ベルト地帯即ち首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉県)から静岡、愛知、三重、滋賀と京阪神に向う道路沿で発生している。それ以外の所は、このベルト地帯から取り残された県、ワーストテンは秋田、青森、高知、長崎、和歌山、岩手、山形、島根、鹿児島、鳥取県である。それに続くのが、徳島、福島、山口、新潟、北海道、宮崎、熊本、愛媛、山梨、佐賀県である。北海道、東北、四国、九州(除福岡)は全滅、日本海側も弱い。総務省の見解ではバブル崩壊後の都市の地価が大幅に下落したことにより投資が行われたこと。また大企業の業績回復による雇用が進み、就職や転入が多かったこと。更に外国人の転入もあった。企業立地がベルト地帯で進んだことも大きい。

 14歳以下の少年人口の増加は東京だけとなっている。これは何を意味するのであろうか。子連れ家族の流入と若夫婦の出産である。これは今後の都市での人口増加の必然の流れを意味する。

 65歳以上の老年人口の増加は、すべての都道府県で起きている。私の周辺でも、年をとって身動きが難しくなったら東京へ移住したいと考える人が多い。子供達が首都圏に住んでいるからである。

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笑いの価値

平成20年5月1日
笑いの価値

 成功する人はいつも笑っている。笑顔が美しい人は好かれる。どんな不美人でも笑顔は美しい。笑っている人に不美人はいない。笑顔で挨拶を交すと好印象は倍加する。サービス業は笑顔が第一である。

 お客様に接する時、笑顔で話すのと、普通に笑わないで話すのとでは大差がつく。特に高齢者の場合はなお更である。笑顔は誰でも出来る。いつでも出来る。コストはゼロである。そしてその効果は抜群に上る。誰に対してでも、ひとりでに笑顔になれる訓練、心のトレーニングをすることは、自己研鑽の第一歩である。

 私の会社では社内講師による「マナー研修」を定期的に行っている。最初のうちは笑わない人、笑えない人が殆どである。ところが研修を終ってみると全員が笑えるようになっている。キッカケさえあれば人は変れる。大きく変化できる。やろうとする気持ちとキッカケを作ってやれば、人はすべて笑いの世界へ入っていかれるのである。

 「ちりとてちん」というNHK朝の連ドラで、落語家の世界と福井県若狭地方が放映されたが、その中でも「笑いの効用」が吹聴されていた。落語家は身一つで、何の道具もなしで「笑い」を演出していく。人を笑いの世界へ導いてくれる。落語を研究するとそこにビジネススキルが一杯つまっている。

 日本一美しい会社、世界一礼儀正しい会社を目指しているが、宇宙一笑顔に満ち溢れる会社を作ってもらいたい。美しい会社を作るのもタダでできる。一銭もかからない。直ちに実行できる。そしてその効果は測り知れない程大きい。笑いの価値をはかりたくても、測りきれない程大きいのを感じている。

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