交通インフラチャージ

平成21年3月19日
交通インフラチャージ

アメリカやドイツをはじめ先進諸国の高速道路は殆どが「フリーウェー」である。その理由は「国民の税金で作った道路だから、その利用料金を国民から徴収するわけにいかない」からである。そして「フリーウェー」にすることで沿道の活用が進み、新しい沿道サービスが誕生する機会を提供できる。また無駄な人員投入が節約できる。料金徴収システム等のメンテナンスもフリーになる。「フリーウェー」にすることでデメリットはあるが、メリットもまた大きい。
3月28日から全国の高速道路で大幅な料金引下げが実行される。土曜、日曜、祝祭日及びその前後に入って出た場合もその特価が認められる。通常日も3〜5割引になる。
政府は2年間の期間限定で実施するとの方針である。そして2年間に補填する予算を5千億円と見込んでいる。果たして補填は必要となるのであろうか。人々は、この時とばかり、旅に出かけることは疑いのない事実となるであろう。原油暴落、円高により、ガソリン価格はいずれリッター当り百円割れとなる。どこまで行っても上限千円の魅力は大きい。桜に誘われて日本列島は久々の賑わいを取り戻す。5月の連休前後は、空前の観光ブームが現出するであろう。
航空運賃も、高速バス料金も、JR乗車料金も、私鉄利用料金も、高速道路通行料金の影響を受けて、引下げせざるを得なくなろう。そして同時に引き下げによる売上増大(稼働率上昇による)が期待できる。
日本の交通インフラチャージは世界一高い水準にあった。それが日本の内需拡大にブレーキをかけていた。そのブレーキが今回はずれたのである。これは間違いなく大きな経済効果を生み出す。GDPを1%近く押し上げる効果が期待できよう。コストは2年間で5千億円との試算であるが、私の予測では、逆にプラス数兆円/年となるはずである。
そして輸出にたよりすぎていた日本経済は世界が期待している通り、内需大国への道を歩み出すであろう。北陸自動車道を毎日利用しる私は、ここ数ヶ月の間、ガラガラに空いてしまった高速道路を走りながら、このすばらしい私達の財産の活用方法を考え考え運転をしていた。「フリーウェー」への一過程として、今回の「上限千円乗り放題」が人々に歓迎され、日本経済発展のさきがけとなることを願っている。

投稿者: jsb 日時: 2009年03月19日 14:17

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