ビジョン

平成21年4月30
ビジョン

未曾有の危機の中に世界経済がおかれている。将来に希望を見出せない経営者が多い。かつて立てた中期経営計画は全くの反古になってしまった。ビジョンも崩壊した。じっと嵐の去るのを待つしかない。そんな意見をのべる経営者が多い。一見その意見は正しそうに見える。しかし本当にそうだろうか。疑ってみる必要がある。
まず「ビジョンとは」を考えてみよう。「ビジョン」は状況の変化に関係なく、企業が中、長期的にめざすべき目標でなければならない。たとえ現在は苦しくとも、数年先にはこのビジネスで、これだけの成果を上げ、社員・株主・お客様をはじめあらゆるステークホルダーに満足してもらえる為の、明確な、不変のものでなければならない。
次に「この不況がいつまで続くのか」であるが、3年間はダメだという人が多い。10年は続くという評論家もいる。本当にそんなに長く不況が続くのだろうか。今回の不況は、アメリカの住宅産業でのバブルに世界全体の余剰資金が集中し、その資金があまりに多かったので、あふれ出してバブルを形成した為である。
これは実体経済が、金融工学という仮想空間でのバブル形成手段に躍らされた結果にすぎない。金融不安が落ち着けば、急速に沈静化すると考える方が的を射ている。世界中の国々の政府資金の投入で、莫大な量の資金が注入されつつあり、早晩落着きを取り戻すであろう。
更に「じっと耐えて待つ」という姿勢は正しいのであろうか。過去の事例をひもといてみると、大変化の時に、何らかの適切な手を打った企業が、その後の世界で急成長をなし遂げている。この事を忘れてはならない。この打つべき手が、他社にない新技術の開発なのか、或いはユニークなサービスの提供なのか、新商品の販売、新分野への進出・・・その中身はいろいろある。要は萎縮するのでなく、衆知を集めて、ブレイクスルーするのである。確固たるビジョンの裏付けをもって、一歩一歩前進を続けていくのである。

投稿者: jsb 日時: 2009年04月30日 10:06

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