CSAという農業経営

平成21年7月10日
CSAという農業経営
農業従事者の高齢化がすすみ、農業の危機が近づいている。第二の農地開放といわれる株式会社の農業への参入や、若者や定年退職者の農業への進出などが、これから益々重要になってくると思われる。その外に、「CSA」という新しい手法の農業が注目されている。これは今流行りの「コミュニティビジネス」の一種である。
「CSA」は、コミュニティの「C」、サポーテッドの「S」、アグリカルチャーの「A」の頭文字を並べたものである。まず契約農家から農地を借上げる。主として生鮮野菜を栽培する。そしてそれ等を地域の契約家庭へ直に届ける。その間に地域の家庭の主婦達に、選別や配送などの仕事を手伝ってもらうのである。
その特長は、旬の野菜の配給である。自分のほしい野菜が毎日毎週届くのではなく、旬の野菜が届くのである。届いた野菜で料理を考える必要がある。それ等の情報や知識を、手伝っている間に自分でわかるようになっている。
低農薬野菜かどうか、無農薬かどうか、これは手伝っていると直ちにわかるという。手伝っている仲間から与えられる情報も貴重なものである。
生活協同組合の創業の頃は、このCSAと殆どよく似た思想で始まったように思う。今は各地の生協は、時代のニーズに適合し、成長を続けている。この「CSA」も新しいタイプの新生協として成長していくことであろう。小グループの「CSA」が、各地で生まれつつあるのは、誠に心強い。地域の人々と共に発展する「CSA」は、食の安全と、地産地消、省エネルギー、省資源、そして農業の将来像を見据えた大切な成長の芽である。みんなで大切に育てていきたいものである。気になる点は、中心になる人、経営責任を持つ人の資力と体力、継続性のあるなしである。適任者かどうかは地域の人々が判断するであろうが、この「CSA」をシステム化し、次の日本農業の担い手とする為には、やはり何かが必要である。
農水省をはじめ、行政、農協を含めて早急に手を打っていただくことが求められている。食の安全は規制によって確保されるのではない。食の安全はみんなで作り出すものである。

投稿者: jsb 日時: 2009年07月10日 09:14

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