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2009年07月14日
えきまえ大学��
平成21年7月14日
えきまえ大学��
福井県西川一誠知事の提唱により、えきまえ大学がスタートした。県内8大学が連携し、それぞれのテーマを決めて、各大学から講師を出して、えきまえ（主としてアオッサの6階教室）で開講した。私も以前からサテライト大学構想を持っており、二、三の大学関係者に提案したこともあるので、全テーマの聴講に応募した。
「ふくい観光学」の第1回目の講師は、西川一誠知事自ら勤められた。県庁の中に「観光営業部」を作って、福井県を売り込もうとしているが、その売り込みたい最大のテーマが「ふるさと」という概念であるという。
県内8つの大学（短大等を含む）があり、約1.2万人の学生が県内で学んでいる。県外の大学へ出ていくのが、毎年3,000人、4年後に福井へ帰ってくるのが、僅か1,000人。少子高齢社会の中でも若者の流出が続くと県力が落ちていく。福井県を「心のふるさと」「第二のふるさと」にしてくれるように、福井のよさを売り込む、観光営業部にしたいとのこと。
安政の大獄以来150年になるが、明治維新の頃は、東京都の人口100万に対して、新潟県140万人、福井県40万人、石川、富山県を併せると北陸4県で東京都の2.5倍の人口をかかえていた。地租（税金）は東京都の4倍であった。明治維新の頃、福井は最も輝いていたのである。江戸時代の人々は定住が義務づけられていたので、人口移動は殆どなかった。「ふるさと」が意識されだしたのは明治以後である。そこで「ふるさと」に対する観念が徐々に形成されていく。これを三つの時期にわけて考えてみようとのこと。
１.明治以降1970年まで。「郷愁の時代」と位置付け、故郷を出た人々がいつかは帰りたいところという郷愁を持ち続けていた時代である。
2.1970年〜「ふるさと」の市場化、商品化が始まった時代で、交通は便利、距離感がなくなり、年に2度、3度民族大移動が起きるようになった。ディスカバージャパン時代ともいえる。
3.現在は「新しいふるさと」を求めている人々が一杯いる時代である。大きなリスク、不安をかかえながら人々が「個化」している社会の中にあって、「新しいふるさと」を激しく求めている時代である。
新聞データベースを調べてみると、10年前から「ふるさと」や「故郷」がよく現れるようになってきている。これは団塊世代が50歳台にはいった時と一致する。「つながり」を求める無意識の心が、新しい形の「故郷」を求めだしたといえよう。福井県を「新しいふるさと」として、日本人に売り込んでいくつもりとの知事の熱弁を聞いた。
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