自殺を防ぐ

平成21年8月4日
自殺を防ぐ

自殺対策支援センター「ライフリンク」のホームページを開くと、「日本の自殺の現実」が見えてくる。2003年34,427人の自殺者が出た。この年バブル崩壊後の株式市場は、日経平均7608円にまで暴落した。そして2008年のリーマンショックにより、今年に入って株価は下げ足を早め、3月には7086円の最低価格をつけた。自殺者は、1998年に初めて3万人をこえ、32,863人となったが、それ以来、連続11年間3万人を超えている。自殺者は男性が多く、約7割であり、女性は3割に満たない。自殺の原因はいろいろであるが、「先行きに希望が持てない」「金銭的に行き詰った」「精神的に参った」「うつ病になって苦しい」など、殆どが社会的な問題が引き金になっている。ということは「社会を変えれば自殺はなくなる」のである。
もう一度自殺者年間3万人超という数字を追ってみよう。今年1月から6月まで17,076人であった。1日95人である。自殺する人の中で、未遂に終る人は自殺者の10倍以上いるといわれている。1日1,000人もの人々が自殺という「最悪の選択」をしてしまっているのである。自殺者をめぐる家族、親族、友人達に与える深刻な影響を考慮すると、「自殺を防ぐ」という行為の尊さに気付かないわけにはいかない。毎年3万人を超す自殺者は、毎年200万人もの人々に大きなダメージを与えている。11年間で2,200万人に達する。日本の総人口1.2億人の約5分の1である。自殺を防ぐことが、どれ程重要なことかこの2,200万人という人数で理解できるであろう。
対策は相談窓口や医療機関との取組(メディカルモデル)と社会制度・仕組をストレスの少ないものに変える取組、そして自殺や精神疾患の正しい知識を広め、偏見をなくす取組が必要である。
対策の受皿はまず医師、弁護士、警察を含む行政機関、そして宗教家(寺や神社)、民間団体等である。それ等の専門家に足繁く相談を持ちかけることである。解決策はきっと見つかる。高利貸しも弁護士からの連絡で一辺に手を引くケースが数多く見られるそうである。天から授かった唯一の貴重な命である。かけがえのない命を守るために、「自殺を防ぐネットワーク」を一日も早く構築する必要がある。声を大にして言いたい。世界で一番平和で豊かな国といわれる日本で、毎年3万人もの同胞が自ら命を絶つのを見殺しにするわけにはいかない。相談窓口を作り、その窓口を誰にでもよくわかるように告知し、明確化しなければならない。

投稿者: jsb 日時: 2009年08月03日 09:20

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