自動車販売台数

平成21年8月11日
自動車販売台数

データーの分析をしているつもりであるが、目の前の数字にとらわれすぎて、全体を見失うことがよくある。軽自動車を含む国内の自動車販売台数(含軽)について、ここ数年の動きを見誤っていたのに気がついた。昨年9月より日本国内の含軽市場は前年を大きく割り込み、特に昨年11月より落込み幅が大きくなっているのは十分知っていた。ところがデーターを整理し、毎月の販売台数を折れ線グラフで表示する作業をしていて驚いた。2006年4月から国内市場は、前年を下回っていたのである。単月で見てみると、40ヶ月間で、前年を上回っているのは僅かに3回で、残り37ヶ月はすべて前年を下回っていたのである。
2005年585万台であったものが、574万、535万、508万台と年間販売台数が
落込んでいる。更に今年前半は、219万台と激しい落込みとなり、このままでは440万台になってしまいそうである。日本の自動車業界は、既に成熟期から衰退期に入りつつあるのである。そしてそれは2005年あたりで屈折点を超え、2006年4月から、明確な姿を示していたのである。この単純で、誰にでもわかるはずの事実を、認識出来ていなかったことに愕然とした。不明を恥じている。
自動車関連業界に身を置く者の一人として、この事実に気付くのが遅れたのは、恥ずかしい次第である。稼働台数は直ちに激減することはないと思われるが、これも油断は出来ない。軽自動車の伸長、アメ車の不調、ハイブリッドカーの好調、どれもが車の未来に黄信号をつけているのだ。
地球温暖化の元凶の一つといわれる車であるが、前世紀には、世界経済の花形商品であった。21世紀にはどう変るかを考えていたが、もう既に大きな変化を見せだしたのである。私は燃料がガソリンから電気に変るのは見通していたが、成熟化のスピードがこんな早いとは予想できなかった。電気自動車への対応を急ぐと共に、車社会の変化が私達の生活にどう影響を及ぼすのかをしっかり見極める必要がある。それはインフラコストの削減と、コンパクトシティ建設という新しい道であろう。

投稿者: jsb 日時: 2009年08月11日 09:19

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