都市再生と交通インフラ

平成22年4月2日
都市再生と交通インフラ

都市の停滞に活を入れ、繁栄に導くためにとられる手法の一つに交通インフラの整備がある。富山市の「セントラム」が有名である。セントラムは富山市の中心市街地を巡回する路面電車で、市民に親しまれ、賑わい作りに貢献している。公共交通機関を組み込んだ街づくりである。
長浜市の場合は、京阪神からのお客を呼び込む為に、近くの米原駅まで来ていた京阪神からのJR快速を長浜まで延伸させることに成功。このJR快速が、観光客を呼び込んでくれた。今では観光バスと同じくらいに数多くのお客を運んでくれている。
福井市の場合は郊外電車が二社ある。二社共地元自治体の支援を受けた第三セクターである。二社共京福電鉄や名古屋鉄道の子会社であったが、業績低迷の中、廃業の危機に直面、利用客からの要望により、地元への肩替わりが行われた。
しかし業績の実体は厳しく、黒字化の可能性はまだ見えていない。2003年に新規オープンした「えちぜん鉄道」は、採算ライン年間利用客380万人に対して、2009年度は310万人である。「福井鉄道」は8年後までに200万人を目標としているが、2009年度は161万人である。
この二路線の相互乗入れを検討しているが、それだけではメリットが少なく、利用客の増加はおぼつかない。かつての繁栄を再現する為には「車から電車へ」というエコロジー運動を強力に推し進めたり、魅力のあるスポットを沿線に作っていくことが重要である。
またパークアンドライドという駅前の駐車場を完備し、車を郊外において電車で都心に向うインフラ整備が必要である。
また低料金制度に切りかえ、まずお客を増やすことから始めるのも面白い。そして各駅に魅力を持たせる施設を建設したり、イベントを実行するのである。
北陸新幹線の早期完工や中部縦貫道の開通も重要なテーマである。明治のはじめ全国に鉄道網が次々と完成していったが、その時の国力に比較すると日本の現状は、遥かに強い経済力を持っている。それが遅々として進まないのは何故なのであろうか。政治の貧困、国のリーダーシップが確立していない何よりの証拠である。


投稿者: jsb 日時: 2010年04月02日 19:09

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