原子力発電

平成22年5月6日
原子力発電

ビルゲイツが新世代の原子力発電のために莫大な資金提供をするという。原子力発電の有用性は、地球規模の環境汚染がどんどん進んでいる中で、当然浮上してきたものである。スリーマイル島の放射能洩れ事故で、アメリカはそれ以来原発の建設を中止してしまった。
ロシアはチェルノブイリの大事故により原発の見直しに入り、ブレーキがかかった。ドイツはその影響で原発を建設せずに隣国のフランスより原発で発電した電力を買うことにしてしまった。
日本だけがスリーマイル島やチェルノブイリを他山の石として、原発の安全性に対して幾多の研究を継続し、原発の維持管理を含めてその製造開発に努力を続けてきた。それでもなお国内の大学の研究室の多くは閉鎖され、原子力発電を学ぶ学生は減少し、講座はあちこちで閉講となっていった。そして現在原発の研究者の高齢化と同時に、その若い継承者不足が問題となってきた。
福井大学に国際原子力工学研究所が設立されたのはこの背景を解決し、世界的な研究者不足を解消し、今後次々と作られる予定の原発が、正しいルールで建設され、正しい管理運営が、安全に行われるようにとの願いからである。
またウラン資源の埋蔵量が多くないので、プルトニウムやトリウムを使うシステムの研究開発が求められてきている。ビルゲイツが狙っているところを私は正確に把握しているわけではないが、100年間運転し続ける原発とのことである。クローズドシステムでなければならない。東京電力でもトリウムを使うものが東電プルトニウム研究所で始まっていると聞いたが、それに類する研究は世界各地で行われることと思われる。
原発の最大の問題点は放射能汚染物質の最終処理である。この技術開発が並行して実行されていかないと、原発は汚染物質で一杯になってしまう。ビルゲイツに忠告したいのはこの点である。新型原発の開発と同時に、放射能汚染の減衰の研究をぜひ手掛けてほしいと思う。ビルゲイツに働きかけては如何であろうか。


投稿者: jsb 日時: 2010年05月06日 17:08

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