エジソンに帰れ

平成22年7月7日
エジソンに帰れ

20世紀初頭のアメリカで、発電方法や配電方法、流通方法について、商業化の進展にともない、直流方式と交流方式とどちらを採用した方がよいかを巡って論争が起きた。エジソンは直流方式を主張したのである。結局交流方式を主張したウェスチングハウスやテラスの主張が通り、現在の世界の電力網はほぼ交流網のネットワークとなった。根幹をなす発電は殆どすべて交流方式である。
ところが最近の風潮によると、再生可能エネルギーといわれる太陽光発電、風力発電、燃料電池や新型電池そしてITで使われている電気は直流である。スマートグリッドといわれる新しい電力受配電網に分散型である。太陽光発電所や風力発電所から、逆潮流といわれるインバーターを通して電力が入ってくるのである。これが直流で発電されたものをインバーターで変換して交流にしてスマートグリッドに入れるのであるから、全体のシステムを直流化することを検討してもよいのではないかという議論が出ている。電力供給のカナメとなるのが電池、それも超大型から自動車や家庭、コンピューターのサーバー、パソコンに到るまで直流が求められているから深刻である。エジソンに帰るべきか否か、これは今世紀を通して再度、問題化してくるものと考えている。
JRをはじめ日本の電車は直流でスタートし、戦後交流化し、最近また直流が見直されてきている。電力を貯蔵するには直流が有利であり、遠距離大容量の送電は今のところ交流に軍配が上る。この勝負は門外漢の私にはよくわからないが、直流・交流の議論よりも、その本来の電力のあり方即ち送電方法、蓄電方法、発電方法等の議論が大切である。コンバーターの問題はそれ程大きくはない。最大の問題は私は送電方法、配電方法にあると考えている。


投稿者: jsb 日時: 2010年07月07日 10:59

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