里山資本主義

11月18日
里山資本主義
福井県の嶺南、かつての若狭の国は日本有数のリアス式海岸がつづく景勝の地である。その中心に三方五湖がある。五つの湖のうち、最大のものを水月湖という。この水月湖の湖底は世界一の貴重な「年縞」を秘めている。約7万年前までの地層がそのまま温存されている。世界中の学者の注目を集めているその湖畔に福井県立里海湖研究所が建っている。その研究所主催で「里山資本主義」をテーマに講演会が開かれた。講師はNHKディレクターの夜久恭裕氏。歯切れの良い口調でつい聞きほれた。里山資本主義は私の古い知人藻谷浩介氏が提唱しだした刺激的な考え方だけに、そのテーマにも魅力を感じて妻と二人で聞きに行った。私の第三の人生のテーマに近いものを予感しての参加である。日本人は本来「農」の民である。明治維新以後工業生産が経済活動の中心となり、今や第1次産業の農林水産業の比率は従業者数3.7%弱。国内総生産額500兆円のうち、1.1%と誠に小さくなってしまった。私達の生活基盤は「農」から「都市」へと移り、「和を以って貴しと為す」生活信条は「競争社会」の渦に巻き込まれて健全な精神を維持するのが困難なところまで追いつめられてきている。1.1%にまで落ち込んだ農林水産業を元のレベルに戻すことは不可能にしても、せめて10%にアップする努力は必要である。その為に何をなすべきか。第三の人生のテーマである。世界トップクラスの日本の水資源、世界トップクラスの森林資源を生かす道を模索するとともに、最も有望な道は世界一の景観を誇る日本を観光世界一へと導くことであろう。

投稿者: jsb 日時: 2016年11月18日 12:18

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