『団塊世代』について

平成18年3月29日
○『団塊世代』について

 敗戦後のベビーブームの時期に生まれた「団塊の世代」はその後の日本経済の中で、常に強烈な影響力を発揮し続けてきた。今また2007年の大量退職の時代を迎えて、大きな変革を与えようとしている。

 まず、変革の第一は大量に支払われる退職金の行方である。その金額は野村證券の試算によれば8兆円といわれている。この8兆円が株式投資に向うか、不動産投資に向うか、海外へ流出するか、預貯金で眠るのか、どこへ向ったとしても非常に大きな衝撃を生むことは間違いない。

 次の変化は労働力市場への影響である。2004年に高齢者雇用安定法が改正され、2006年4月から順次65歳までの雇用が義務付けられることになった。退職する人と再雇用に応じる人と分かれることと思われるが、いずれににしても蓄積されてきた技術やノウハウの伝承が難しくなるものと思われる。労働力の量の不足と同時に、質の不足が最も心配されよう。

 更に消費動向への影響である。定年退職した「団塊世代」が今後の約20年程の残された人生の中で、今迄と同じような消費動向を続けるとは思われない。「団塊世代」の名付け親の堺屋太一氏は「子孫に美田を残さず、使い切れ」と言っている。旅行か、グルメか、趣味か、成人教育か、健康産業か、その向うところに大きなチャンスを生むことであろう。

 海外への進出も考えられる。モンゴロイドが1万年前に太平洋を渡ったように、大量の「団塊世代」が、世界各地で日本人村を建設する可能性もある。お金の海外流出でなく、人間の海外流出の可能性の問題である。私の友人の何人かは1年の殆んどを海外で暮している。安くて、のんびりできるというのだ。勿論、年金暮しである。私はそのような安逸な人生には興味がない。生き甲斐とは何かを考えると、誰かの為に、何かをする事が人生最高の幸せだと思う。自分がラクをすることで、満足を得られるハズがない。

 そう信じて私の会社では早くから65歳定年制を実行している。社員はみんな生き生きと元気に働き続けている。創業10周年の記念日に65歳定年制を更に延長して、70歳定年制を採用したいと念じている。高齢者を尊敬し、その知識や経験、ノウハウを次の世代へ引継いでいく為の小さなステップだと信じているからだ。

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投稿者: jsb 日時: 2006年03月29日 18:35

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