厳しさの伝承

平成18年5月22日
○厳しさの伝承

 山を背に、川のほとりに小学校が建っている。積雪が多いためか、鉄筋2階建、3階建の立派な校舎と広い運動場がある。春は校庭の桜が美しい。この大きな広い小学校の生徒数は全校で119名である。1学年20名。先生は校長、教頭、教務主任、養護、各担当併せて10名。他に事務1名、調理員2名、用務員1名、併せて14名の大人がいる。

 私は毎年学校教育の現場の先生方(幼保から小中高まで)を対象に、年数回の講演会の講師をつとめさせていただいている。テーマは殆んど同じ。「教育現場へ企業経営の感覚をいかに導入するか」に重点をおいている。しかし企業の実態と教育現場の差には驚くというより、思わず立ちすくんでしまう程の大差がある。

 教育とは、家庭内教育にはじまり、学校教育、社会教育、企業内教育といろいろあるが、根本は変るはずがない。教育の根本とは、「他人に対する優しさ、自分に対する厳しさ」を伝承していくことである。「いのちの教育」もその一環であり、「生命の尊さ」を教えることが求められているが、どう教えるかが問題だ。

 私の通った小学校の全校生徒数は3,000名。1クラス50名程であった。各学年10クラスもあり、休み時間になると学校中が、みんなの話す声で「ワーという大歓声」につつまれる。そこには当然のこと乍ら、子供同志の切磋琢磨があり、肌と肌のふれあいがあった。先生は1クラス50名もの子供を、厳しく指導してくれた。学ぶとはマネること。教えるとは相手のよい所を見つけてあげて、それを自覚させること。そして学び合うこと。これを毎日実地で身につけた。厳しかった。泣いた友も多かった。しかしみんなが見ていた。そして必ずあとで誰かがフォローしていた。

 厳しさを避けてはならない。優しさに溺れてはならない。教育とは元来厳しいものであり、その「厳しさの伝承」こそが、明日の健全な後継者を育てていくことになる。

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投稿者: jsb 日時: 2006年05月22日 16:49

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