古民家解体リサイクル 森藤右衛門十代目(森正晴)邸の場合

平成18年9月12日
○古民家解体リサイクル
森藤右衛門十代目(森正晴)邸の場合

 福井県越前市(元武生市稲寄)の総庄屋、森邸の解体について相談を受けたのは今から約1年余り前のことであった。石森屋材木の社長 石森修一郎氏からである。私は「勿体ない哲学」を信奉するエコロジー運動家の一員である。古民家、それも由緒ある古民家が、訳もなく解体され、ゴミとして燃やされていくことに、強い憤りを感じてきた。そして古民家の収集、古材のリサイクルに取組む道を歩み始めたのは、今から約5年前。「エコフェスティバル」というエコロジー運動を行う為に、全国の知人友人に声をかけた時、日本民家リサイクル協会の金井氏と知り合った。早速出展の了解を取り、福井県のメンバーを紹介していただいたら、旧知の石森屋材木の名前があった。それ以来彼とは何軒かのリサイクル事業を共同で推進している。

 森家は、先代は福井県の総務部長。先々代は武生市長。その前は貴族院議員と名門中の名門である。屋敷は約700坪、周囲を小川が流れ、表門は長屋門、西側に裏門を持ち、棟押えに地元しゃく谷石が使われている。福井大学建築学部の福井先生の指導を仰ぎ、解体調査をはじめて約1年近く。やっと解体の最終段階に入った。残した部材は1000本を超えた。建築年は嘉永6年(1853年)ペリー来航の頃。赤瓦葺きの当時としては超モダンなものである。瓦には六つ葵紋があり、徳川家(越前松平家、本多家等)との関係も考えられよう。

 解体後の再建築の場所の選定と、その建物の利用方法について、熟慮中である。150年を経てきた由緒ある建物を、更に数百年残す方法を思案している。森家ではこの建物に関する本の出版を考えられており、私達の責任も重大である。

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投稿者: jsb 日時: 2006年09月12日 11:04

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