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我に三策あり
平成18年9月14日
○我に三策あり
ベンチャー企業を立ち上げて、十年が経過した。何人もの方々から「創業して一番苦労された事は何ですか」という質問を受けた。殆んど同じ質問である。「苦労した事」は多い。でもそれ以上に「楽しかった事」「面白かった事」が多かった。それを聞いてくれる人は誰もいない。
一番苦労したのは、勿論、「資金繰り」である。中小企業の社長の仕事の大半は、残念乍らこの「資金繰り」に尽きる。この難問題を解決する為には、新しい仕組作りが必要であるが、今日は私が過去に資金繰りの為に採用した独自の方法を公開しよう。
まず資金繰りを正常に行う為には毎月の資金繰表作りが欠かせない。次に早目、早目の資金の手当である。この早目の資金手当が「云うは易く、行うは難し」の難事である。そこでこの難事を解決する方法を事前に三つ、三つの方策を用意することとした。
第一の方策は、金融機関からの借入れである。次の方策は資産の売却である。第三の方策は増資による自己資本の増強策である。
中小企業白書を見ると、中小企業向の貸出し傾向が金融機関別に毎年発表されている。バブル崩壊後、中小企業の資金繰りを支えたのは政府系金融機関である。私はこの政府系金融機関に助けを求めた。最初は国民金融公庫、次に中小企業金融公庫である。制度融資制度は私達のような零細業者にとっては神のように有難かった。今は商工中金との取引が始まっている。
バブル崩壊後、民間金融機関で最も中小企業に貸出しを強めていたのは信用金庫であった。日本の中小企業の恩人と言ってもよい程、信金は安定的に私達を支援していただいた、
第二の方策は資産の売却である。私達は常に資金繰りのバックアップ体制の中心に、この資産売却を準備している。資産とは株式、土地、在庫等を含むもので、簡単に現金化しにくいものが多いが、常時準備しておくことで換金性についての考察にもつながっている。
第三は増資による自己資本増強策である。創業以来数回にわたり増資に踏み切ってきた。現在の資本金1億8560万円、自己資本8億3000万円がその結果である。
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