ハンディキャップからチャレンジドへ

平成19年6月21日
ハンディキャップからチャレンジドへ

 身体障害者の方からよく強く要求されることがある。「ハンディキャップ」と言うなということである。当社の社外取締役である神戸大学名誉教授の蜂屋良彦博士が、大江健三郎氏の話を引合いに出されたことがある。大江氏が子息のことを常に慈しんでいるにかかわらずそれ程ご子息は嬉しそうにしないという。ところが、大江氏が病気で苦しんでいた時、ご子息が心から優しくいたわってくれたという。そしてとても生き生きと看病してくれたという。

 ハンディキャップを持つ人も、一般の私達も同じなのである。優しくされるのは悪い気はしないが、もっと嬉しいのは何事かを他の人にしてやれる時である。それこそ生き甲斐といえる。

 ハンディキャップを持つ人という表現はもう古い。今はチャレンジドという。身体的な、精神的な弱点を、いかに克服し、それを逆に強味として生きていくかどうかが重要になる。

 介護のケースでも同じである。ただ単に一方的に介護を受けるという立場を続けると身体的にも、精神的にも病状がすすむそうだ。ところがお互いに介護を受けている人同士が、助けあう状態にすると、病状は改善するということだ。これも前記の大江氏の親子の場合とよく似た現象である。蜂屋博士の論文の一部を私達の「エコロパークニュース」に数回に亘って紹介したのは、私が博士の説に全く同感だからだ。人は助けられることは感謝するが、それ以上に感謝されること、人を助けることをしたいと考えている。「してあげる」という言葉自体が不遜である。「させていただく」という気持で奉仕するクセをつけていきたい。

 「チャレンジド」達のために「障害者手帖」というものを廃止し、「キャラカード」とか「グリーンカード」というスマートな名前のカードに切り替えることを提案したい。人を傷付けるのでなく、お互いに尊敬しあう関係になりたい。

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投稿者: jsb 日時: 2007年06月21日 09:00

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