植樹祭

21年1月19日
植樹祭
今年6月7日に福井県下各地で全国植樹祭が挙行される。天皇・皇后両陛下を迎えての一大プロジェクトである。全国持ち回りのまさに国家の大事業である。日本は国土の3分の2が森林地帯であり、これは世界で見ても、かなり高い比率である。ただ木材の自給率は20%にとどまっており、食料の自給率40%と共に大きな問題をかかえている。
輸入してくるのは、1位カナダ11%、2位オーストラリア10%、3位旧ソビエト9%、4位アメリカ8%。その後はマレーシア、ヨーロッパ、チリ、インドネシア、中国、ニュージーランドと続く。殆ど世界中から輸入しているのである。
日本の森林率67%に対し、中国は17%である。そして中国から毎年約300万立方米の木材を輸入している。この非常識も地球環境を考えれば直ちに是正しなければならない。日本海側の黄砂被害は年々激しくなってきており、この遠因になっている。
旧ソビエト(シベリア、沿海州)からの輸入が多いことも、ツンドラ地帯の破壊につながり、凍土の溶解による温暖化がすすみつつある。日本は工業製品の生産能力が高かったことで、木材や食料の輸入により収支バランスをとってきた。しかし輸送コストの高騰やエネルギーのムダを排除する必要が高まってきた昨今、木材の自給率を早急に引上げることが求められている。
「日本一多くの木を植えた男」という宮脇昭さん(植物社会学者)についての本を読んだ。私より9歳年長で日本中、世界中で木を植え歩いている。そして日本に残っている「鎮守の森」を世界に広めようとの運動をすすめている。面白いのは「モッタイナイ」と同様に「チンジュノモリ」が世界語になっているのだという。森の精をおそれ、森の神を敬う心が数百年、数千年の森を残してきた。鎮守の森は自然林であると同時に、その土地に最もふさわしい木が生き残っているという。「鎮守の森」は日本人の宝物である。
私達福井市民の宝物「足羽山公園」が今年は完成100周年にあたる。これを機に足羽山の眺望のよい所3ヶ所に眺望台が作られている。足羽山公園は、越前三川のうち、中心を流れる川、足羽川と一体となって福井市の中心部の景観を形づくっている。100年前に公園として手を入れられて以来、数多くの人々が植林・植樹に努力してきた。自然林の宝庫である。足羽山にも今回植樹が予定されている。
メイン会場は朝倉氏の旧跡である「一乗谷朝倉氏遺跡」に設けられる。戦国時代、幕府や朝廷の貴紳たちが、都を逃れて朝倉氏を頼ってここをおとずれたといわれた中世の遺構が奇跡的に残っている。当時は小京都といわれていた。このメイン会場を中心に、県下各会場を結んで植樹祭が挙行される。
「日本一多くの木を植えた男」といわれる宮脇昭さんの世界中の実績を聞いて驚いた。まず万里の長城沿いで、イオングループの後援で、日本人のボランティア1,400人と、中国人1,200人が彼の号令で僅か1時間で4万5千本の木を植えたという。1人約20本である。これを3年続けた。同様のプロジェクトを上海でもスタートしている。植えられた木は、中国の土地に昔からあった木、「モウコナラ」である。
同様の巨大プロジェクトをアマゾン、ボルネオ、南アフリカ等々世界中で実行し続けている。まさに偉人である。彼のような人こそ「ノーベル賞」がふさわしいと思うのは私だけであろうか。

投稿者: jsb 日時: 2009年01月19日 17:06

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