人間力

平成21年1月21日
人間力

人類の誕生の起源をどこにおくのかが論議の的となり、少しずつ遡って行きつつある。ネアンデルタール人のDNAがホモサピュエンスとの混血により、現代人のDNAの中に組みこまれているとの説もある。となるとかつて数万年前頃といわれていたご先祖様の誕生はどんどん古くなっていく。北京原人等をも含めてDNA鑑定がすすんでいくとその可能性は大きくなる。縄文時代の定義も、期間的にはここ100年足らずの間に遡っていっている。
人類というこの神秘な生命体の誕生は、今問題になっている地球環境と比較してみると、これはまたあまりに真新しい。進化論に従っても、それ程遡ることが難しい。
私達の誕生の確率を計算した人がいる。堀場製作所の堀場雅人氏である。彼の計算では、今、生きている私達は、約1兆倍の競争を勝ち抜いてきたラッキーな、運の強い、強い力を持ったものばかりであるという。その計算根拠はここで紹介するのは省くけれど、私はこの計算を何度も繰り返した。そしてその度に、自分がこの世に生まれてきた僥倖の不思議さに気付いた。なぜ自分が、自分だけがこの猛烈な競争を勝ち抜いてここに立っているのか、その理由は何だろうか。これを突き詰めていくと自分と同様に、まわりにいるすべての人達が私と同じように約1兆分の1の確率でこの世に生を受けた人であることに気付かされる。
そしてまた誕生から三歳児までの成長の早さ、知能の発達というよりDNAの中にすりこまれた人間力の覚醒の早さに驚かされる。三歳児からの成長もまた驚異の連続である。これ程の猛烈な競争を経てこの世に生を受けた私達は、もう少しお互いを尊重しあう必要がある。もう少し労りあう必要がある。もう少し愛しあう必要がある。自らのエゴの為に殺しあう戦争など言語道断である。無駄な競争も避けた方がいい。英知を働かせて共存共栄の道を捜すことが肝要である。
私は人間力を堅く信じている。人間というこの不思議な、神秘的と表現した方がふさわしい生命体が持つ力を信じている。今度の経済的な世界的な不況も、百年に一度といわれるが、英知を集め、人間力をふりしぼれば必ず克服できると信じている。その為の一歩が、その第一歩が大切である。しっかりと今というこの一瞬の一歩を踏み出す勇気を持ちたいものである。

投稿者: jsb 日時: 2009年01月22日 17:34

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