水仙まつり

平成21年1月23日
水仙まつり

越前海岸の冬の風物詩として有名なのは「水仙の花」と「波の花」である。1月中旬水仙の咲き揃う頃は、日本海は少し荒れ気味となる。詩人や小説家がよく使うのは「荒々しい海」や「暗い海」という表現である。海岸に打ち寄せる強い波の力で「白い気泡」が空に舞う。それが「波の花」である。北風の強い日は、風に舞う「波の花」を存分に楽しむことが出来る。あまり他の海岸では見ることの少ない光景である。複雑な断層海岸で、山塊が岸辺まで迫っているところへ、シベリアからの寒風がこの「波の花」を舞い上がらせてくれる。
もう一つの「水仙の花」は、福井県の県花である。急峻な山肌にびっしりと水仙の花が咲き揃う。一本一本の水仙は清楚な乙女、可憐な少女の面影を宿すといわれ、地味な小さな花である。しかし山肌一面に緑の茎と白い花、黄色い花芯のコントラストが美しく、晴れた日は輝くような美しさになる。また曇天でも寒風の中にしっかりと根をおろして力強い。粉雪の中で咲く水仙は圧巻である。越前海岸の水仙は、房総、淡路島と並ぶ日本三大自生地であり、多くの観光客が訪れる。水仙の爽やかな香りは冬の香りの代表である。私は毎年玄関の花瓶に水仙の花を生けるのを常としている。仕事に疲れて家に帰り着き、玄関のドアを開けると水仙の花の香りが私を迎えてくれる。切花であるが、つぼみから生けておくと1ヶ月は花と香りを楽しめる。庭の花壇にも植えているが、多年草なので、毎年、花も香りも楽しませてくれる。福井という土地にぴったりあった花である。一束千円も買えば家中水仙の花瓶で一杯になる。私の最も好きな花の一つである。

投稿者: jsb 日時: 2009年01月23日 18:26

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