映画「禅」

平成21年1月28日
映画「禅」

毎月24日は「地蔵まつり」の日である。福井えきまえの歴史の道の中に福井県の織田町平等出身の東京巣鴨の「とげぬき地蔵」にちなんで、「健康長寿の生き生き地蔵」を招来し、毎月24日午後1時から大乗院の大谷方丈の導きで商店街活性化と参拝者の健康長寿を祈っていただいている。今月24日は2009年正月の初地蔵まつりである。
福井県は浄土真宗の盛んな土地である。そして道元禅師の開かれた曹洞宗大本山永平寺のお膝元である。「とげぬき地蔵」も「生き生き地蔵」も勿論曹洞宗のお寺からお参りをいただいるが、今年は開祖道元禅師をめぐる「禅」という名の映画が上映された。1月10日より全国一斉封切りとなり、毎週入場者ランキングが急上昇中である。昨年末永平寺の監院さんにおあいした時、この映画「禅」の話が出た。ポスターもいただいた。道元は空海と異なり、中国から帰国の後は各地を遍歴することなく(京から福井へ、鎌倉へそして福井から京への旅を除く)、福井を聖地として死の直前まで永平寺にこもり、座禅一筋の道を歩かれた。その教えは、その後幾多の困難な時代を乗り越えて、脈々と今日まで伝えられている。映画の主人公として「道元の魅力」を表現することは、至難のわざであり、それをどう成功させるのか楽しみにしていた。
映画は2時間余り、息もつかせぬ感動の連続であった。特に私は寂円に以前から興味を持っていた。その寂円を、道元の弟子であると同時に心の友として撮っていた。道元の歿後、懐弉と義介の後、永平寺の法灯を延々と引継いだのは、大野の山中で宝慶寺を建てた寂円の弟子達である。映画では寂円と公暁を一人二役で演じさせていて、一際注目を集めさせていた。この映画を見てますます寂円の魅力が増した。少い文戯の中から、中国よりの留学僧「寂円」の根跡をたずね、彼の90歳余の生涯に光りを当てたいと思う。映画では道元は身一つで帰国したことになっている。しかし宝慶寺の寺宝は永平寺をも超える重要な遺物ばかりである。映画は道元の死と共に終っているが、日本語の字幕が必要な程曹洞宗の教義の言葉が出てくるが、漢文調なのでわかり難い。しかし感動で涙がとまらないすばらしい内容であった。もっともっと多くの人々に見ていただきたい名画である。

投稿者: jsb 日時: 2009年01月28日 16:02

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